オレカバトル:時の章 ロキとドラウプニル オレカ界におけるトリックスター
オレカバトル『時の章』より
ロキ、ボス島へ
時空を捻じ曲げることでおなじみ月に1回のボス島イベント。今回はバグとして先行体験可能となっていた「フェイクスター」を覚えたロキが登場となった。作成難易度の高さで入手が難しかったロキだが、同時にブラックドラゴンや数々のボスへの対抗手段になりうる程ある種の狂気的な強さを持っていた。
なので個人的には今月のボス島「ロキ」1発ゲットはこれまでの中でもかなりアツめになっていると感じている。通常入手に沢山の100円玉が必要なロキが1発でゲットできるのでまだ持ってないなら速攻でゲットするのがオススメだよ。
ロキ
こちらがロキのイラストチェンジ版。LV10レアアイテム「ドラウプニル」と合体することでイラストチェンジが可能だ。今回のイラストチェンジは二面性を持つロキの「狂気の側面」を前面にプッシュするようなイラストに。
また、新技フェイクスターだが効果は
- 自軍に空き枠がある場合に発動可能
- ロキがHP1/2の状態で分身し2体へ増える(発動したロキのHPはそのまま)
- 分身登場は発動直後(ターン待ちなし)
- 増えたロキのコマンドは自身のカード同様のリールで1リール目からスタート
- 元のロキが使用した反射壁→ミスも分身のコマンドでは復活している
- 分身可能ターンは未確認・1ターン経過後も消えることはなかった
- 発動したフェイクスターは反射壁と違いミスにならなかった
といった内容。バグ登場の際から変更は無いように見える。相当に強い技だ。
ドラウプニル、グングニルやミョルニルに対する雑な説明
今回登場となったアイテム「ドラウプニル」。神話の中では”増える金の腕輪(指輪とも)”として登場し、この”増える”という部分が技の効果である「ロキ増殖」のベースになっているようだ。
ロキがこのドラウプニルをゲットした際に、実はグングニルやミョルニルという北欧神話のオレカモンスター・オーディンやトールの武器もゲットしていたんですって!
この一件を雑に説明させていただくならば
ロキ、トールの奥さん(美人)の髪の毛を勝手になんとなく切る。しかも軽いイメチェン程度のショートカットに~とかではなく全部刈り取る。しかも闇討ち。ロックな奴だぜ。
理由は特にない。たぶんその瞬間はそうしたら面白いと思ったからであり、その後のことなどは特に考えていないのだろう。これがロキがトリックスターたる所以だと思う。
トール、マジギレ。ロキを本気で殺そうとする。その際のトールの発言が
「体中の骨、全部へし折られてぇのか!?あ”ぁ!?」
です、どうぞお納めください。*一部語弊がございます。
ロキはさすがにちょっとやりすぎちゃったとマジでビビリ、この切ってしまった髪を「生やす!生やすから!」となんでも作れるドワーフの元へ。
ロキはドワーフの元に行き結果として「毛髪として再生するカツラ」みたいな物を手に入れることができた。さらにそのオマケとして幾つかのアイテムも手に入れる。
*北欧神話を読んでいるとロキはやたらとドワーフ=小人と仲が良い。ロキの出自=巨人族が、神ではない種族との交友関係の広さに関係するのかも。
ここで作られたのが
前述のオーディンのメインの武器となる狙ったものへと飛んでいき必ず当たる槍。しかも勝手に帰ってくるオートリバース仕様。
- 金のカツラ
トールの奥さんの為の生えるカツラ
- その他
他にもハンカチサイズに折りたためる魔法の船をゲットしている。
しかし、髪の毛を再生させるという高難易度の無理ゲーが簡単に解決し、数々の宝物が想像以上に簡単に手に入ったことに「つまらないなぁ」と感じてしまうロキ。本来であればトールによる”死の宣告”を受けている状況なのでこの解決策に胸を撫で下ろし+αの宝物に喜ぶべきなのだけど、何故か満たされない。
結局このあと他のドワーフの住処へハシゴし、そこのドワーフに「こんな宝物、君らには作れないだろ~なぁ~(チラッチラッ)」と軽く喧嘩を売りつつ、前述の宝物よりも凄い物を作れたら自分の「命」を差し出すという”賭け”でドワーフを駆り立てたり、本当に前述の宝よりも凄いものを作られてまた殺されかけたりする。
*ロキのイタズラが原因で作られた物のまとめ
ここで作られたのが
トールの武器となるミョルニル、持ち手が長い戦槌(=ウォーハンマー)状ではなく持ち手が短い(ただのハンマーの形)のはロキが作っている途中にイタズラをしたからという話もあるみたい。
- ドラウプニルの腕輪
*指輪となっていることもあるようです。
ロキ新技「フェイクスター」を覚える為のアイテム。この腕輪は金で出来ていて「9夜毎に8個に増える」という無限増殖アイテム。その後オーディンに献上されている。
- その他
金で出来たイノシシも手に入っていて、魔法の船と共にこれらはフレイ(よくゲーム等に登場するフレイヤのお兄さん)に渡っている。この頃の乗り物の最大の魅力が「速さ」のようで、乗り物をプレゼンするときに昨今重要視されている安全性等は皆無であり、とにかく速さに重点を置いているてらいがある。当然ながら両方共めちゃくちゃ早いらしい。また、北欧神話のアイテムの数々の素材にやたら金がプッシュされており、トールの奥さんのカツラも金で出来ていたりする。
「楽しそうなのでトールの奥さんの髪の毛を切ってみる、全部」
というあまりにも無軌道でアナーキーなロキのイタズラは、紆余曲折を経てオーディンやトールがその後武勇を上げていく上で必要不可欠であろうグングニルやミョルニルを生むという大きな結果・副産物を生む。このロキのトリックスターたるイタズラは、今回のように結末が創造へ向くこともあれば、あるいはとんでもなく破滅的な方向へと転ぶこともある。結果としてオーディン達神々の住むアースガルドは同じようなロキのイタズラによって終焉=ラグナロクへと向かった。
日本人受けの良いトリックスター?
その破天荒さが比較的内向的な日本人の暴走願望を満たすようで、日本において各逸話のトリックスターは人気を得る傾向にあるらしい。(もちろん世界的に見ても人気なのだけど)
エジプト神話には「セト」という破天荒な神様がいてオレカにも登場する太陽神「ラー」を脅したりとかなりのロックンローラーぶりだがやたらと人気だったりする。
このトリックスターを調べてた所、歴史的にトリックスターへと分類されるキャラクターがオレカにも割りといたりした。
- ソンゴクウ
西遊記や水滸伝、封神演義とエンターテイメント性の高い中国の奇書のなかでも最も知名度の高い西遊記。数ある動物モチーフのキャラクターの中でも日本において群を抜いて人気なキャラクター「ソンゴクウ」もまたトリックスターに分類されるのだそうで。狡猾で暴れん坊だが、どこか間抜けでそれでいて憎めない存在。ただの猿であったソンゴクウが紆余曲折を経て仙界(神様の世界と人間界の間的な場所)へと招かれるもそこで無軌道に悪行を重ね結果として人間界へ落とされ、封印される。ここから三蔵法師、猪八戒・沙悟浄との旅が始まるのだ。
ソンゴクウが人間界へと落とされるまでの悪行をまとめたブログはこちら
- スサノヲ
ゴセンゾサマー!ことスサノヲ=スサノオノミコトは日本神話を代表するトリックスター。
先日ブログに書いたヤマタノオロチ討伐等の武勇伝は彼が”神の世界(高天原)を追放された後”の話であり、神の世界にいた頃はもうドン引きレベルのウルトラアナーキスト。姉アマテラスの家でうんこを投げ散らかす等あまりにも無軌道、ゴリラかよと心配になるほどの破天荒具合、というかもはやゴリラ。
アマテラス=天照大神(スサノオのお姉ちゃん)を連れ戻す為にオレカにも登場するアメノウズメが「EX技・岩戸開き」を踊ったのも、元はと言えば姉アマテラスが弟スサノオの素行の悪さにブチ切れて洞窟の中に閉じこもったため。
*以前こうして並んで書いた2人だが遠からずな因果がある。
その後地上へと堕とされたスサノオはしかしながら、その後の行いなども含め古くから信仰の対象となり日本においてかなり人気のある神様の一人でもある。
そうじて神話・逸話の人物は頭のネジが200本くらい緩んでいて30本ぐらいは何処かに飛んでいってしまっているレベルのファンキーな人々なのでやっぱり面白い。これらのバックボーンを参考程度にオレカをしているとわりと面白い発見がある気がします。おわり。
今回のブログのソースがこちら。とても読みやすくてオススメ。
- 作者: パードリックコラム,ウィリー・ポガニー,Padraic Colum,尾崎義
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