トランスフォーマー:FansToys FT-22 Koot a.k.aチャー/カップ
トランスフォーマー「3rdパーティ」より
3rdパーティの話
前回のブログでちょびっと触れた老兵チャー/カップのそっくりさんFanstoysのFT-22「koot」、また別件で買ったMasterMindCreationのR-28「Tyrantron/Tyrantronus」とサードパーティー製品の購入が続いている。
サードパーティ製品とは公式の許諾無く「そっくりなひと」をもの凄くグレーな感じで売っている商品で、特にトランスフォーマーに関しては往々にして権利関係にルーズな中国の人たちとかが作って売っている商品。昨今は公式のクオリティを凌駕する勢いだったりして「そのテクニック、もっと正しい方法で使えばいいのに」と感じずにはいられなかったりする。
昨今はYoutubeのレビュー動画等への露出も相まって秋葉原のショップや中古ショップなどでも見かける機会が多くなったサードパーティー製品。これは厳密に言えば偽物であって本来であれば完全にアウトな代物でトランスフォーマーファンの間では常に物議を醸しているデリケートな内容だったりする。
*今回購入したFansToys FT-22 Koot、チャー/カップはそこまで人気キャラでないため実店舗で見かけた事はないが、マスターマインドクリエイション社やパーフェクトエフェクト社等メジャーなサード製品メーカーの商品はここ最近は秋葉原のメジャーな実店舗で見かけることも多い。
以前はより日陰の存在・知る人ぞ知る存在だった物が「ネット」の台頭によって物凄い広がりを、特にYoutube等の「見る側が受動的に受け取れる物」へとハードルが下がっているのは事実だったり。また以前は小さな実店舗やネットショップ等を自ら探し当てなければ見つからなかった商品も、昨今ではヤフオクやアマゾンでも見かける機会が増えており、それもまた拍車をかける事に。
ファンとしての「日陰者として留まっておくべき」の心理は理解できるしそうであるべきだとも思うので、昨今の異常な拡大はなんとも複雑な気持ちだったりする。
FansToys/FT-22 KOOT
そんな訳で今回はそんなよく出来たパチモノ、3rdパーティー製品からFansToys「FT-22 Koot」。ご覧の通り、トランスフォーマー2010に登場するチャー(国内名称)/カップ(海外名称)のそっくりさんだが、とにかく激似である。サイズはおおよそマスターピースサイズ。
マスターピース版ホットロディマスとのサイズ感はバッチリ、ココにシャークティコンを並べればザ・ムービーの完全再現が可能に!
先日発売となったレジェンズ版のチャーと並べるとこんな感じ。非常に困ったことに非正規商品のほうが似てしまっているが、こういった事はよくあるパターンだったりする。
これ以外でも例えば僕の好きなトランスフォーマー2010に登場するディセプティコンのリーダー「ガルバトロン」は非正規アイテムのDX-9社「Tyrant」が圧倒的に有名だったり、ロディマスコンボイの正規品マスターピース版があまりにも変形に難があり、同様にDX-9社の「Carry」にシェアを奪われてたりする。頑張れハスブロとタカラトミー!
ビークルモードとターゲットマスター
チャー/カップの名称に関しては諸説あるのだけど、個人的に聞いているのは
- 先人としてTeacher=ティーチャーからの「チャー」
- 海外では異常な程に需要の高いピックアップトラック=PikUpTrackCarの「KUP」
らしいよ、っていう話を僕は何処かで読んだ気が。なんでもアメリカではピックアップトラックの自動車税がくっそ安かったり、州によっては無税だったりするらしいとかで、日産=DATSUNのピックアップトラックとかはそれこそトランスフォーマー世代の海外のおじさんたちには異常な認知度があるとか無いとか。ダットサンを向こうの人はダツンって発音するとか…うわ、話が超それてる!
とにかくサイバトロン星フォームのピックアップトラックへと変形するチャー/カップにそっくりなクゥート(KOOT)。
これまでDX-9社やMMC社(マスターマインドクリエイション)等、幾らか3rd製品を買ってきたんだけど、このKOOTを作っているFansToysの商品は初めて。
触ってみた所感は
- 結構重い
- 質感が良い(一部ダイキャスト使用・塗装もツヤとマットの塗り分けが細かい)
- 完成度が高い
- 変形がとても複雑
といった感じで、とても良くできている。
昨今目にする機会が増えているMMC社製品等、比較的キャッチー(色んな意味で)な製品と比べ変形難易度が高く、背面もギッチギチに詰まりきっている。ビークルの際は色んな所にロックやピン留めがガッチリと食い込んでおり、ロックを外し、パーツを逃し、各部を移動させてからパーツを戻し…と、久々にハードな変形を行う。こういうイカレっぷりもまた3rd=非正規の醍醐味だったりする。
ビークルモードも劇中にとにかくそっくり。荷台にマウントしているのは付属しているターゲットマスター。
左がFansToys社のターゲットマスターで右が先日国内で発売となったTFレジェンズのチャーに付属した「リコイル」。リコイルには無かった肘関節・足首の可動等と可動面が強化されているが、塗装は顔面のみと若干シンプルな仕上がり。
付属する銃はターゲットマスターとアサルトライフルのような銃の2丁で、グリーンのアサルトライフルタイプの銃はIDWによるアメコミ展開にてチャー/カップがよく使っている形状によく似ている。
武器の握りは押し込み式のマスターピース仕様で指の稼働は親指以外の4本指のみ可動。
IDWトランスフォーマーとシーガー
IDW版におけるチャー/カップはこういう感じの鬼軍曹で、口に咥えている葉巻「シーガー」もまたIDW準拠。
IDW版アメコミでのチャーは
オートボットのならず者・はみ出し者達による武闘派特殊部隊"レッカーズ"の隊長であったが、惑星「チーシ」に不時着した際にその星の鉱石「オーア8」が放つ放射能によって精神崩壊状態に…。
もともと老兵のためにボディが古く修復は難航したが「プリテンダー」の技術を駆使し科学者であるパーセプターと副官プロールの手によって復活を遂げるが、葉巻のような「シーガー」から精神を安定させる抑制剤を投与しないとならない体となっており、その事実を本人は知らない。
また、アメコミのおけるプロールはオートボットの勝利のためにわりとダーティーな事に手を染めるようなキャラクターであり、軍紀違反を繰り返すレッカーズの統率のために、隊長であるチャーにこの手術にて自身の命令に逆らえないようにするプログラムも組み込んでいる。
という所謂鬱展開だったりする。というか、アメコミのトランスフォーマーはこんな感じで結構ダークな内容だったり、若干病んでいる設定が多い。
*チャーの闇、深い。
この為、アメコミのチャー/カップには機械葉巻「シーガー」の存在が必要不可欠となっており、この非正規アイテムにもその点は色濃く反映されている。
トランスフォーマー:オール・ヘイル・メガトロン (ShoPro Books)
- 作者: シェーン・マッカーシー,グイド・グイディ,中沢俊介
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2015/03/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この辺の話はこちらに詳しく載っているよ。
交換パーツと可動
交換用のパーツ、
- 葉巻を咥えていない通常フェイス
- 窓のクリアパーツ(写真向かって左がクリア・右が塗装)
が付属。
宣材写真やパッケージではこの窓パーツが完全に透明なのだけど、実際は結構水色になっていた。ただ、個人的には塗装版の窓と葉巻顔を使用する予定なの特に問題はない。
非正規製品は正式なアイテムよりも可動面が充実しているパターンがわりと多い。このクゥートも上半身の可動は非常に充実しているのだけど、下半身が若干ボトルネックに。
膝立ちは画像の状態が限界となっており可能は可能だが少し違和感が。また、このアイテムで個人的に一番気になったのは接地性だ。背中の背負い物や足の背面に合金が使用されている事で重心が後ろへと掛かりがちなのだが、足のかかとに支えがなくとにかく後方へとひっくり返りやすい。
完成度が非常に高いだけにこの部分はとても残念。ディスプレイには台座が必須だ。
*このくらいのポージングでもスパーン!と後ろへひっくり返ってしまう。
頑張れ公式!
そもそも、レジェンズ版(海外ではタイタンズリターン版)でのチャー/カップのリリース自体が放送当時の1986年に発売された当時品から
ジェネレーション版
先日のレジェンズ版
の2回となっており、かなり渋めのキャラだと言うことを考えれば商品化自体がありがたいことではある。
*シールはココに貼りました。
しかしながら、やはり人気キャラとの玩具化や扱いには必ずしも差異が出てしまったりするわけで、個人的にはこの非正規っていうのは、こう、なんというか必要悪感が、個人的にはあります。
よく、非正規に金が流れても作品には一銭も流れないというような話になるんだけど、非正規アイテムにまで手を出すレベルの人だと基本的に正規品なんて大抵買っていたりする訳で。
特に昨今は原材料の高騰の関係か品質や仕上がりに色々と問題をきたし始めている事が多く(レジェンズ版のチャーも手首に難があり、塗りミスやパーツの組違いも目立っていた)非正規品の出来が異様に評価されちゃっている部分もあったりするので、そういう意味で公式の尻をひっぱたくような存在としての必要悪を感じるというか。
最終的には公式頑張れ!に落ち着いたりする。うん、公式頑張れ!
科学者でアニメではリアクション要因(主にビビる)だったパーセプターもアメコミではレッカーズの一員!そんなレジェンズ版パーセプター発売迫る。