トランスフォーマー:Mastermind Creations R-28Tyrantron/Tyrantronus a.k.a IDW版メガトロン/メガトロナス
トランスフォーマー「3rdパーティ」より
MMCの勢いがハンパない
購入から結構日が空いてしまったのだけど、 Mastermind Creations(以下MMC社)のR-28 「Tyrantron/Tyrantronus」を購入した。前回のブログにて触れたFansToysのKOOT同様、こちらもサードパーティー製品となっており、なかでも今回のタイラントロン/タイラントロナスのメーカーであるMMC社の昨今の勢いがハンパない。
数多あるサード製品のメーカーの中でも特にアメコミ展開=IDW版トランスフォーマーに特化した商品を「Reformated」シリーズとして排出しており昨今非常に人気のあるサードパーティーメーカーとなっている。
このMMC社が特に注目を浴びるようになったと感じているのが、IDW版トランスフォーマー「More Than Meets The Eye」にて初登場となったディセプティコンの過激派憲兵隊「DJD」(Decepticon Justice Division)のリーダーとなる「ターン」の非正規アイテム「Kultur」の発売ではないだろうか。
*MMC社R-19 「Kultur」(a.k.a DJD TARN)
ディセプティコンのインシグニアをマスクとして纏う狂信的なメガトロン信者で超残虐なサディスト。腕には2連融合カノン砲を持っている…っていう魅力溢れるキャラクターを高いクオリティで再現。
これ以外にもIDWにて大暴れした破壊大使オーバーロードっぽい人R-17「Carnifex」や、IDWの設定のみで片ツノが折れてるサイクロナスにそっくりなR-22「Boreas」等、再現度に伴いクオリティも高く、昨今何かと話題なサード製品メーカーだったりする。
R-28 Tyrantron/Tyrantronus
Tyrantron/Tyrantronusはメガトロン/メガトロナスのサード製品だが、かなりイレギュラーな内容となっている。
そう、商品名でも「タイラントロン/タイラントロナス」と2つの名前が使われているように、メガトロンの2つの姿が再現可能であり
となっている。
もちろん本体が2つ入っているわけではなく、上記の「顔・肩・背面パーツ・胸・融合カノン砲」がそれぞれ二通り付属となっており、これらを組み替えることで二つの姿を再現できるというわりと手の込んだ内容になっている。
Tyrantronus―メガトロン・オリジン
そんな訳でまずは2つの姿でも一際目を引くTyrantronus/タイラントロナスの姿から。メガトロンのシンボルでもあるカノン砲が”ドリル”で全身に黄色と黒のシマ模様―所謂「警戒色」が配置されたこちらの姿は、トランスフォーマーのアメコミ展開=IDW版から出版されている「Megatron Origin―メガトロン・オリジン」準拠の姿となっている。
こちらがそのIDW社から出版されている「メガトロン・オリジン」。残念ながら国内にて翻訳などはされていません。以前から何度か触れているのだけどこのIDW版コミックのトランスフォーマーはこれまでのアニメ展開から色々と内容が変わっており、その中でも「メガトロン」という存在の誕生、ひいてはディセプティコンという組織の誕生についてが読み切り的に描かれたのがこの「メガトロン・オリジン」という作品となっている。
相変わらず話が長くなってしまうので物凄くざっくり話すと
時はオートボットの圧政時代、エネルゴン鉱山にてエネルゴン鉱夫をしていたメガトロナス。そこへオートボットの上院議員が突然の鉱山の自動化とエネルゴン鉱夫の立ち退きを命じる。さらに抗議を行った炭鉱夫を彼の護衛が殺害、暴動へと発展する中でメガトロナスは護衛の1人を殺してしまう。
刑務所へと送られるシャトルの中で同じ鉱夫のフレンジーとランブルと脱走。その後ケイオンの地下へと潜り地下闘技場にて剣闘士としての頭角を表し、遂に闘技場のトップへと上り詰めたメガトロナス。彼を利用しようと別の上院議員は使者として「サウンドウェーブ」を送るが、サウンドウェーブはメガトロナスへと追従する。
この他にもスタースクリームを含めたジェットロン部隊等がメガトロナスの元に集まり、サイバトロニアンに生ずる格差(メガトロナスは完全にブルーカラー)を生むオートボットの圧政へと反旗を翻す組織ディセプティコンが誕生、メガトロナスがリーダーとして君臨する。
サイバトロンの総司令官であるセンチネルプライムはそんなディセプティコンを掃討しようと立ち上がるが、強化アーマー(エイペックスアーマー)を着込んだと言うのにメガトロナスに敗北し死ぬ。
*因みにセンチネルプライムは変形後のビークルの種類に対する選民思想を持った差別主義者で、とんでもない保守・圧政・腐敗政治・貧富の差の拡大等と色々とアレなプライム。
こうした圧制によって腐敗した「悪のオートボット」へと反旗を翻すディセプティコンにもまたもう一方の「正義」があったのだよ、的な展開を見せる。
長い!そんな訳でこのメガトロン・オリジンの意匠を多分に取り込んだ元エネルゴン鉱夫としてのメガトロナスを再現したのがこちらのタイラントロナス。
鉱夫時代の名残である「警戒色」と剣闘士時代の名残である「戦化粧」(額の赤のライン)が同居しているが、実際のコミックスでは両方が同時に入っている描写はなかったのでこれはMMC社のアレンジとも言える。武器はトゲトゲ鉄球や剣と近接武器に特化していて、特にトゲトゲ鉄球はどちらかと言えばG1アニメのメガトロンの武器からのアレンジっぽい。
TFユナイテッドにて登場していたストラクサスのつるはしを持たせれば、よりメガトロン・オリジンっぽくなりそう。
上に載せたドリルは砲身を変えることで融合カノン砲へと変更可能。こちらはコミックス内のルックスと酷似している。
メットというアイコンとその中身はわりとラビット
ちなみに、G1も含めメガトロンのアイコンでもあるバケツのようなメットは鉱夫のメット=ブルーカラーの象徴とされていて、前述のメガトロン・オリジンではこのメットを脱いだ姿が披露されている。
*4枚のパネルのような物が折りたたまれていて、一部ではこのメットオフ姿は「うさ耳メガトロン」の愛称で親しまれている。
メガトロン・オリジンはそういった意味で「あのバケツを脱いだ姿」が収録されている、何気に重要な一冊だったりする。
- 作者: Eric Holmes,Alex Milne
- 出版社/メーカー: IDW Publishing
- 発売日: 2007/12/25
- メディア: ペーパーバック
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Tyrantronus―ビークルモード
足の伸縮と腕の折りたたみ後にカノン砲をドーン!とはめ込んで「これはジェット!!!」と叫ぶような、かなり大味な変形となっている。昨今のMMCアイテムは前述のKulturを含めて、結構ざっくりとした変形が多いように感じる。
それでもKulturが腕をキャタピラのギミックでうまいこと処理していたのに比べると、それ以上の大味感(というか若干の雑さ)が凄い。個人的に少し残念な所。
Tyrantron―メガトロン、ディセップ辞めるってよ
随分と長くなってしまったのだけど、もう1つの姿のタイラントロン。タイラントロナスの時に撮っていなかった背面も含めるとこんな感じに。
背面のふくらはぎあたりのキャタピラは画像のように展開可能となっているので展開してみたのだけど、説明書は特に触れていない。このタイラントロン/タイラントロナスにはこれ以外にも肩のキャタピラが回転したりの謎ギミックがあるのだけど、どれも「そ、それでどうすれば…ッ!?」という謎仕様。
こちらもIDWのメガトロンの意匠を引き継いでいるのだけど、IDWのメガトロン(というかほぼ全てのTF)はコロコロと姿を変える事で有名。しかし、このタイラントロンはほぼ間違いなくDark Cybertron~More Than Meets The Eyeシーズン2の頃のメガトロンをフューチャーしているような気がする。
More Than~シーズン2の頃のメガトロン、この辺に激似。
色々変わるよ、メガトロン。左はオールヘイルメガトロンの頃のメガ様、右はカオスシリーズのメガ様。特にカオス編のメガトロンはG2世代のドレッドウイングを思わせるステルス爆撃機「B-2」のような姿だったりで、かなりお姿に変化が見られる。
因みにこのIDW―カオス編のメガトロンは国内ではメガトロナス(過去のメガトロン)として、プライムになる前のオプティマス「オライオンパックス」とセット販売されているが、デザインは完全に前述のカオス仕様。
じゃあ、このダークサイバトロン~M.T.M.T.Eシーズン2の頃のメガトロンって一体どんな感じなのかをざっくりとまとめると
レーザーウェーブが暗躍し色々あってもうオートボットとかディセプティコンとか言ってる場合じゃないクライシスが迫る!(IDW―ダークサイバトロンより)
「ワシ、オートボットに入るから。色々あったよ?色々あったけどさ…ワシにも出来るんだからお前ら(ディセップ)にも出来るはず」
以上、短い!とんでもないネタバレを含んでいるのだけど、国内で翻訳されたオールヘイルメガトロンを経て現行で翻訳が進んでいるカオスシリーズ以降、メガトロンは紆余曲折を経てオートボットのインシグニアを胸に刻むような状況になるんです。
そんな訳でIDW仕様として僕はこのタイラントロンの胸にはオートボットのシールを貼ってみた。というか、この胸のくぼみ方は完全にオートボットのインシグニアがぴったりハマるように出来ているように見えるのは僕だけでしょうか。
Tyrantron―ビークルモード
タイラントロナス同様、組み換え後のパーツにてビークルモードも若干の変更。タイラントロナス同様の大味な変形となっているがウイングが付くことでよりジェット機を感じさせるフォルムに。
ただ、More than meets the eyeのメガトロンがトランスフォームをしている印象がほぼない。
おまけパーツと確信的なギミック
さらにこのMore Than Meets The Eye色を強める確信的なパーツ・ギミックとして、 R-28 Tyrantron/Tyrantronusには同MMC社製のkulturのヘッドパーツがオマケとして付属している。
*画像左R-28付属のオマケ・右R-19のKultur(元の顔)
このパーツはkulturへと付け替えが可能となっており、付け替えるとこんな感じに。左が以前のkultur、右がボーナスパーツへと付け替えたkultur。以前よりも造形が細かくなっており、若干シャープな印象に。個人的には元のほうが安定感がありコミック版に近い気がする。
さて、このkultur=DJDのターンのアドオンパーツはkultur同様にマスクオフが可能となっているのだけど、このマスクパーツには磁石が仕込まれており…
タイラントロンの胸へと磁力でくっつくようなギミックがついているのだ。このギミックがあまりにも確信的であり、更に言うと製作者の原作への愛を感じる非常に素晴らしい仕様。
このインシグニアマスクを胸に付けるという内容はIDWのMore Than Meets The Eyeシーズン2、エピソード55におけるやり取りそのものであって、詳細を書き始めるとまたまた長くなるのだけど、
もざみちのシーズン2はメガトロンの贖罪を感じさせるストーリーが多く、その中でもシーズン2のラストに近いエピソード55にて。ダークサイバトロンにおいてサイバトロンのインシグニアを胸に刻みロディマス達と行動をともにするメガトロンとメガトロンを狂信的に信仰するDJD(ディセプティコン正義執行隊)が衝突。
メガトロンが彼らをコードネームではなく本名で呼び葬り行く中で、最後のDJDとなったリーダーのターン。彼は最後までディセプティコンとして死ぬ事を選ぶのだが、メガトロンはそんなターンの本当の名前を呼び、狂信的な愛の印でもあるディセプティコンのインシグニアマスクを外しオートボットのインシグニアを覆うように胸に当て、自身もディセプティコンとして死のうとターンに告げる。
といった流れとギミックが合致する。長い!
MTMTEシーズン2では特にメガトロンの心理描写ー心の揺れが丁寧に描かれていて、メガトロンの贖罪の話がメインとなっている。
なので、このタイラントロンはオートボットのインシグニアを持ったメガトロンなのだと思う。
Transformers: More Than Meets The Eye Volume 10
- 作者: James Roberts,Alex Milne,Brendan Cahill
- 出版社/メーカー: IDW Publishing
- 発売日: 2016/10/18
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こちらのやり取りはもざみち10巻に収録。
ただ、このMore than meets the eyeでのやり取りまでには現行で国内翻訳されている漫画を追うと
- オールヘイルメガトロン編
- カオス編・全七巻(今ここ!*3巻が近日発売)
- Robot in disguiseとMore than meets the eyeの並行進行シーズン1
- ダークサイバトロン(R.I.GとM.T.M.T.Eの合流)
- Robot in disguiseとMore than meets the eyeの並行進行シーズン2
…とわりと長い道のりとなっているので、翻訳を進めていただいているヴィレッジブックスさんには超頑張って欲しいところ。頑張れヴィレッジブックス!
- 作者: マイク・コスタ,ニック・ロシェ,ドン・フィゲロア,アレックス・ミライン,石川裕人
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2017/11/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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今月末発売となるカオス編3巻。R.I.GとM.T.M.T.Eまで追いついて欲しいので、是非売れまくって欲しい。