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オレカバトル新1/7章 ジークフリートとニーベルングの指環

オレカバトル『魔海の侵攻』、『雷盟の逆鱗』より

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やっぱりサーガだよ、オレカは

先日ブログにて育成の報告をしていた★3の砂縛のランチュラが遂に完成し、次は何を育成しようかと考えながらクエストモードを練り歩いてたところ、ステータスが良さそうなフリートをゲットした。

戦士・英雄のアイコンとして多々見かける事が多いジークフリートだがその詳細をあまり知らずに「ドラゴンを退治したらしい」って部分と「体が超硬いらしい」ぐらいの知識しかなかったのだが先日オレカ通常バトルにてこんなカットインを見かけた。

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このカットインはマジで知らなかったんだけど、ご存知でした?どうやらブリュンヒルデワルキューレと関係があるようで調べてみたところ、ジークフリートは「シグルス」という人物をベースにした北欧神話絡みのドイツの英雄叙事詩に登場し、そこには北欧神話ブリュンヒルデも同一人物であるブリュンヒルト等へ名前を変えて登場しているんですって、へぇ~。(オーディンやロキも出てきます)

というわけで少し調べてみたら色々とストーリーが有り面白かった。やっぱりちゃんと「サーガ」してるのがいいですね、オレカは。詳しくは後述、そんな訳でジークフリートの育成とバックグランドを勝手に紹介したいのだ。カッコいいから。

 

ジークフリート

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初登場は新1章の頃なので今更の中の今更、超今更なのだけど超おすすめしたいので書くぞ、私は。オレカにおいてジークフリートは若干低めに設定されたステータスのために「不死身」とされながらわりとすぐ死んでしまうことで有名であり、すこしばかり調整の色濃いモンスターになっている。(また、関係性のあるブリュンヒルデが★4進化を果たしたのに対して★3止まりとなってしまっているのでそれも大きい)

後に救済として闇のコロシアムでアイテム「ドラゴンキラー」が登場し技が増えたが、すぐ死んでしまう部分は変わらないのが残念でもある。

 

個人的には宝剣バルムンクとタルンカッペをベースに育てたい。復讐剣はジークフリートが死なずにバトルの場に立ち続ける事が前提だが、やはりステータス的にハードルが高くなってしまっているのが残念だ。あるいは序盤はタルンカッペで消え続けるというのも有りだが、魔法や全体・ランダム打撃は食らってしまうのでこれもハードルがちょっと高い。

 

不死の体

ジークフリートに関する物語は

北欧神話に登場する”シグルス”の物語「ヴォルスンガ・サガ

ドイツの英雄叙事詩ニーベルンゲンの歌

が存在し、この物語から着想された

ワーグナーの書いた楽劇「ニーベルングの指環

と大きく3つ存在するようで、オレカバトルジークフリートも含めもっとも一般的なジークフリート像はこの3項(主に下記2項)を織り交ぜる形で展開される。

 

ニーベルンゲンの歌」と「ニーベルングの指環」におけるジークフリートの決定的な違いはドラゴン「ファフニール」を倒しその返り血を浴びたことで体が硬くなりほぼ不死身の体を得ているかの部分で、ニーベルンゲンの歌ではこの力を得ているが、ニーベルングの指環ではこのような記述は見られないように感じる。

しかしながら返り血を浴びる際に背中に菩提樹の葉が1枚ついていた事でその部分だけが硬化せずに急所となったというのは有名なエピソードだ。

 

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この状態を連想するに、洋服を着ていたらその部分も血を浴びれない=硬くなれない気がするのでジークフリートはもしかしたら全裸でファブニールに挑んだのかもしれない。

 

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*一気に珍遊記テイストになってしまった。本当にごめんなさい。

 

流石に冗談だが、ウルトラアウトローで有名な北欧神話の系譜であり、さらにこの時期(13世紀頃)の英雄叙事詩における英雄像は「ざっくばらんな豪傑」がブームだったそう。実際にニーベルンゲンの歌ニーベルングの指環を見ているとある意味ではこのくらい傾奇者なほうが納得できるような節もあり、そもそも彼は恐れを知らずに育ったという部分が強く目立つ。★3ジークフリート進化後に

恐れ…とはどのようなものか…ふん、まあいい…。オレは恐れなど知らぬ。

とLV1・LV2~9・LV10にて1つの長台詞へと変わる排出ゼリフはこの恐れを知らないジークフリートの性格を描写しており、オラついた言動はいわば「原作準拠」なのだ。

 

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オレカにてファブニールのエピソードを補完するのがこちらのカットインとなっている。かくしてジークフリートは弱点はあるものの不死身になった。この描写が他のエピソード、例えばニーベルングの指環では「ファブニールを倒し血を舐めてしまい鳥の声が聞こえるようになる」とちょっとメルヘンチックなパワーの会得であり、体は硬化していない。

 *またとっても余談だが、ジークフリートが倒したドラゴンは一部ではウルム、あるいはリンドウルム/リントブルムとされることもあるそうだ。こちらは名前からお察しの通り、新7章の彼のベースとなったドラゴンでもある。

 

 

Mixture 

また★2のフリートは宝剣バルムンク発動時に

「くらえ!ノートゥングの一撃、我が剣の刃!」

という台詞を放っているが、彼の剣は”ニーベルンゲンの歌”では「バルムンク」、”ニーベルングの指環”では「ノートゥング」となっている部分に起因するようだ。また、★2の排出ゼリフをLV1・LV2~9・LV10の順に聞くと

母が残せし名剣ノートゥングの欠片…その欠片を俺がこの手で鍛えたのだ。この宝剣バルムンクで、暗黒竜を倒す!

 と1つの長台詞へと繋がる。(前述の★3台詞も同様フリート・ジークフリートのそれぞれの排出台詞は1つの台詞へと変化する)そういった意味でオレカのジークフリートはこうした幾つかのストーリーをカットアップしたものだと思われる。

 

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それぞれのジークフリートの記載を纏めてみた。赤字はオレカのキャラクターと一致する部分。名称等結構ブレがあるので参考程度にしてもらえるとありがたいです。

オレカによって海外の神話などに触れ感じるのはとにかく話が色んなとこで派生しまくっているという部分。名前が違ったり出自が違ったり持っているものが違ったり、もうなんか全部違ったりとバリエーションが多彩すぎるのが神話だ。

ノートゥングが鍛え直すことでバルムンクへと変わるような記述は見当たらないが、ヴォルスンガ・サガではシグルズ(ジークフリート)の父シグムントが使用していたノートゥングがオーディンに折られてしまい、これを刀鍛冶が鍛え直し「グラム」へと新生する描写がある。

ニーベルングの指環では同じようにジークフリートの父、ジークムンドの使用している剣がオーディンに折られ、その欠片を母が形見にし、ジークフリート自身が鍛え直す描写が見られる。このストーリーが前述のオレカ★2フリートの排出台詞のベースになっているようで、これにヴォルスンガ・サガのノートゥング→グラムの新生を掛け合わせグラムをバルムンクへと変換した結果なのかもしれない。

 

ジークフリートニーベルングの指環

彼の話をする中で触れなければいけないのがニーベルングの指環だ。ワーグナーの楽劇でもありストーリーの根幹を担う指輪。この指輪をざっくりと説明したいのだけど、ここからは正直かなり長いぞ。しかしながらオレカのブリュンヒルデオーディンジークフリートの関係性がかなり読み解けるのでよろしければぜひ。

 

オーディンが戦士の館「バルハラ」を建造するためにロキと一緒に宵闇のアルベリヒから奪いとった「はめることで全知全能の力を手に入れることができる」指輪。しかしながらアルベリヒはこの指輪を奪われた際に「身につけたものを死に追いやる呪い」をかける。

オーディンはその力に魅了されながらもその呪いの力を危惧し指輪をヴァルハラを建造した巨人ファフニールに差し出すもこの指輪の呪いは強大であり、オーディンは来るべき神々の黄昏・ラグナロク(終末)の訪れを予期していた。

オーディンは指輪の呪いによって訪れるラグナロクを阻止するために人の世界に自身の息子をもうける。息子の名はジークムンド、人の子に崩壊する終末の到来の阻止を託そうとしたのだ。しかしながら世界の崩壊を止める為に仕組まれ肩入れされる作られた英雄ジークムンドの存在をアスガルドの神に叱責されたオーディンは自棄になり、ジークムンドのある決闘の最中に彼の武器「ノートゥング」をへし折り敗北させ殺してしまう。

 

その決闘を見守っていたのがオーディンの娘でありワルキューレ=戦乙女の一人「ブリュンヒルデ」だ。彼女は仕組まれても尚運命に抗うジークムンドに心を打たれ、父であり神であるオーディンを裏切りジークムンドを勝利させようと抵抗するがジークムンドは倒れる。その後ジークムンドの子を宿した妻を連れ逃走する。ジークムンドの妻へその子に「ジークフリート」と名付けるように伝え折れた父の剣「ノートゥング」の欠片を託す。

しかしブリュンヒルデは母子を逃すとついにオーディンに捕まってしまう。背信に対して戦乙女としての力を奪い人となり、人間の妻として生きるようにと罰を下す。ブリュンヒルデはせめて力と勇気を持つものの妻になれるようにと岩山の中にそう簡単には近づくことの出来ない炎の壁を作るように願い、その中で長い眠りにつく。

 

ジークムンドの妻はジークフリートを生むもかなりの難産で命を落としかけていた。それを見つけ最後の遺言を聞き入れたのは物語の冒頭に登場したアルベリヒの弟、刀鍛冶の小人ミーメだった。やがてミーメの口から真相を知ったジークフリートは死んだ父が使用し母が形見として残した「ノートゥング」の欠片からノートゥングを自身の手で鍛え直し剣は生き返る、ミーメは恐れを知らないジークフリートを利用しかつて自身の兄が失った指輪を取り戻すため、かつてオーディンが指輪を渡した巨人ファフニールの元へとジークフリートを連れて行く。

 

ファフニールを討伐し指輪を手にし財宝であるタルンカッペも手に入れ、さらにその返り血にて鳥の声が聞こえるようになったジークフリートは自身を殺そうとしているミーメの策略を知りミーメも打ち倒す。こうして天涯孤独となったジークフリートの耳に入ってきたのは、小鳥たちが囁く「炎の壁に囲まれた岩山の中に眠る女性」の存在だった。

 

遂に件のカットインの相手であるブリュンヒルデと出会うことになる。ブリュンヒルデとの「運命」とは?

なんというサーガっぷり!だが長過ぎるので次回に続く。

 

 

ニーベルンゲンの歌〈前編〉 (岩波文庫)

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