くるめろとは違う

くるめろと貴様は関係ない。

オレカバトル:新1章 アルカード/月下の夜想曲 The vampyre of time and memory

オレカバトル新1章『魔海の侵攻』より

f:id:cruelmelody:20170121113148j:plain

 

月下の夜想曲

年末年始に移動が多く、道中3DSで遊んでいたファミコンディスクシステム版の「悪魔城ドラキュラ」をクリアした。

詳しくは次の機会にふれるとして。この悪魔城ドラキュラは昨今のゲームによくある「オートセーブ」や「選べる難易度」等、半分が優しさで出来ているバファリンのようなシステムとは相対するような鬼っぷり。半分が「撲殺」でもう半分が「転落死」、おまけにリスタートでアイテム没収とプレイヤーキャラを殺すことにかけてはその道のプロとされる有名な殺し屋”ファミコンソフト”の鏡のような存在のゲームだった。100回以上普通に死んだ。

 

f:id:cruelmelody:20170121113208j:plain

この勢いに乗ってダウンロード購入できる悪魔城タイトルを買いあさり、次に始めたのがこちら。オレカにも登場するアルカードをメインに扱った悪魔城ドラキュラX-月下の夜想曲

悪魔城ドラキュラ Xクロニクル

悪魔城ドラキュラ Xクロニクル

 

現在はPSPソフトを買うか、プレステ3・4、XBOX360/oneにてダウンロード購入可能。 

 

シモン・ベルモントの子孫リヒター・ベルモントがドラキュラを討伐してから間もない頃、突如復活する悪魔城。アルカードは父であり宿敵でもある「ドラキュラ伯爵」が住まう悪魔城へと向かい繰り返される宿命と対峙する、と言った内容。

*ドラキュラは100年に一度復活するのだが、月下の夜想曲では300年に一度だったり復活する周期の設定にブレがある。

 

月下の夜想曲にて登場する1ステージのBGM「失われた彩画」、”とある目的”の為にこの曲が流れるステージを延々と徘徊し脳内リフレインするほど聞いた。

 

このゲームを進めるに連れてアルカードの過去やドラキュラとの因縁の詳細がわかり、またオレカに登場する台詞の「真意」等も読み取れた。なによりアルカードがイケメン過ぎる為、しばらく狂ったように月下をやり込みレア武器や隠し要素もコンプリートし、ものすごい速度全クリしてしまった。

f:id:cruelmelody:20170121143352j:plain

なんだこれは、20年以上前のゲームなのに超面白いじゃないか。ドット絵探索型横スクロールアクションというあまりにもありふれたフォーマットで有りながらバランス・爽快感が絶妙。なによりが雰囲気良い。

 

f:id:cruelmelody:20170121143404j:plain

魑魅魍魎が闊歩する古城の中を戦い進む耽美系主人公という構図、父との宿命、そこはかとなく漂う寂しげな空気感、良曲揃いのBGM…そういったエッセンスが絶妙な儚さへと収束していく。そんな訳で超イケメてるアルカードの育成を始めないわけにはいかなかった。

 

アルカード

f:id:cruelmelody:20170121113926j:plain

以前ドラキュラを育成した際にベースとなったアルカを引っ張り出し、再育成したアルカード。LV7のシルバーカードの時点でダブル変化・2リールのミスの提案まっったく起こらず、1・3リールのこうげき!が使い魔に永遠とループ。

OK!OK!もういい!★★→×4で完成!はい!ザッッツ・オォーーールッ!とLV10にした瞬間に単発劣化でミスが入った。ど、どうした?物欲センサーがぁ~っていうか、完全にこの辺の変化が以前と比べキツめに弄くられてるよね。

そんな訳でLV10以下で★★→×5配置が謎の力()に阻まれ、LV10以降のランダム・移動潰し有り変化にて2リールこうげき!を★★→★★★に変えるという修羅の道が始まった。

が、個人的にはこの状態で十分です。お客さん!(★は)4つで十分ですよ!!

(名作映画、「ブレードランナー」における屋台の親父とデッカードの会話より引用)*実際は「2つ」

 

技の選択肢が

  • こうげき
  • こうげき!
  • 会心の一撃
  • 使い魔
  • ためる・★→系コマンドアップ

と超限定的であり、コマンド引き継ぎ型★2~★4への進化でコマンド良化・ミス入れなど育成のコツをつかみやすく、さらに★4進化で高火力を放つドラキュラへと進化~と、以前かラオレカビギナーの方への「物理アタッカー」として超オススメしてきた。

進化前★2アルカ・進化後ドラキュラの時点では吸血を覚えるが、★3アルカード期間はストーリー上のキャラ設定からか、新規で吸血は覚えない。

 

過ぎ去った時間は二度と戻らない…

そんな訳で家では月下の夜想曲アルカードと悪魔城を攻略し、外ではオレカバトルアルカードを育成し、カード称号は「あくまじょう」、そんな日々を経て悪魔城メンバーの台詞などの元ネタにたどり着くことが出来た。

*ここからは月下の夜想曲の核心に迫るネタバレを含んでいるので注意。クリアのハードルは低いので是非ともご自身でプレイしてドラキュラとアルカード―吸血鬼の親子の真相へとたどり着く事をオススメしたい。

 

f:id:cruelmelody:20170121114755j:plain

ドラキュラVSアルカード、カットイン

 

そもそも「なんでドラキュラとアルカード、吸血鬼同士で親子喧嘩してるの?」という部分からなのだけど、ドラキュラが吸血鬼となり人々を襲い始めたことには理由がある。これに関して最近ドラキュラの勉強の為に原作にわりと忠実とされるフランシス・フォード・コッポラの映画「ドラキュラ」を見たのだけど、悪魔城のドラキュラはそんな原作と共通しており

最愛の妻を失った

 という事件がドラキュラ誕生のベースになっている。

月下の夜想曲のストーリーではドラキュラの妻は魔女狩りにて人の手により無実のうちに殺されたとされ、そんな人間への怒り・恨みに、人間であった「ヴラド」は悪魔に魂を売り吸血鬼ドラキュラへと変貌していく。

こうして復讐のために人々を襲い始めるドラキュラは自身の息子「アルカード」も強制的に悪魔の洗礼を受けさせ半吸血鬼へと変える。しかし、アルカードは殺されてもなお人を信じる事を説いた母の意志を引き継ぎ父ドラキュラに反旗を翻す。

*★3のアルカードが「吸血」を覚えないのはこうしたバックボーンが関係しているのだろう。

アルカード「過ぎ去った時間は二度と戻らない」

ドラキュラ「まだ分からぬか」

 これは憶測だがおそらくカットインにおける「過ぎ去った時間」とは妻=母の死であり、過去に固執し殺戮を繰り返す父に対して「いくら復讐を繰り返そうとも母の死という事実が消えるわけではない」と訴えているのかな、と。そうして人の正しい側面を信じ人間に加勢するアルカードに対してドラキュラは”人”がどれだけ愚かな存在なのかを「まだ分からぬか」と返す。

 

力とは護るものがあってこそ、限界を超えることができる。

アルカードの勝利ゼリフであるコチラだがこの台詞には続きが存在する。

力とは護るものがあってこそ、限界を超えることができる。

愛するものを失い、

愛することを止めた時、

あなたは既に負けていた…。

 

f:id:cruelmelody:20170121115136j:plain

f:id:cruelmelody:20170121115145j:plain

 

「在るべきところに帰れ!これ以上…母を苦しめるな…!」ーアルカード

月下の夜想曲以前の悪魔城伝説においてもシモンの祖先ラルフベルモントと共にアルカードに敗れ、またしても敗れる父・ドラキュラ。「なぜ、私はこうも敗れるのだ…」と倒れる父に対してアルカードはそう語りかける。

 

何故だ…!私は間違っていたのか…?

アルカードよ、教えてくれ…リサは最後になんと言ったのだ…?」

ドラキュラは100年に一度(300年とも)復活する。再び長い眠りにつくドラキュラは妻「リサ」がアルカードに残したという遺言を聞く。

 

アルカードは”人が許されざる存在であるならば、誰かが―あるいは許されざる力によって―手をくださなくとも自滅の道へと向かっているはずだ、だからこそ人を怨んではいけない”というリサの遺言、そして最後の言葉を告げる。

アルカード「そして父上…『貴方を永遠に愛している』と…」

ドラキュラ「リサ…私は……間違っていたのか…」

こうして突如復活した悪魔城は崩壊していく。

 

何故だ…!私は間違っていたのか…?

はこの一連の流れのやりとりを指しているのかな、と感じている。

 

番外:吸血鬼のお勉強

折角なので吸血鬼のお勉強をしようと思いドラキュラの元祖と呼ばれるブラム・ストーカーの原作を忠実に映画化したとされるコッポラの「ドラキュラ」をはじめに色々と吸血鬼映画を見てみた。

 若かりし頃はコッポラの映画なんて死んでも見ないぜ!と間違ったとんがり方をしていたのだけど、見始めたら映像・展開が面白すぎて、単純に見入ってしまった。コッポラ半端ねぇ。1992年頃の映画なんだけど視覚効果があまりにも摩訶不思議、視認する中で「CGじゃないな…?でも何かって聞かれたら完全によくわかんねぇ」と圧巻の演出は見ているだけでも面白い。調べてみたら意図的にCGを使わずに古典的技術にて撮影されたんだそうで。しかしながら、とても見やすい。

個人的に大好きな変態演技ピカイチさんことゲイリー・オールドマンや超かわいいウィノナ・ライダー(高校生の頃はウィノナ・ライダーが素敵すぎてショートカット好きになった)がメインとなり、浮浪者になる前のキアヌとか、ヴァン・ヘルシング役がアンソニー・ホプキンスだったり(この人もネジが飛んでる役が似合う)キャストが僕徳だった。ゲイリー、かっこいいよ、ゲイリー。

 

吸血鬼物の映画って吸血鬼がヴァンパイアハンターに「狩られる」パターンのものが多いんだけど、ブラッド・ピットトム・クルーズが主演のインタビュー・ウィズ・ヴァンパイアは吸血鬼側からの視点や葛藤・苦悩が描かれていて面白かった。

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア [Blu-ray]

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア [Blu-ray]

 

 実際この映画は以前にも何度か見ていたんだけど、伝記的なアプローチでカットアップされた様々な時代を映像化し、衣装・建築等の世界観が再現された映画*1って個人的に好きなのでこの映画もまた何度見ても面白い。

 

全体的に吸血鬼モノの映画ってお耽美なので、そのエステティックな空気感が合わないと厳しいのかもしれないのだけど。ただ、吸血鬼の世界ってある種完成された「様式美」のような構造があってその美徳と悪徳こそが魅力だと感じている。

 


Queens of the Stone Age - The Vampyre of Time and Memory

 

...Like Clockwork

...Like Clockwork

 

 

*1:代表的なもので言えばフォレスト・ガンプとか。近代史でもファッション等風俗の流行が分かるような映画って見ていて飽きない。バック・トゥ・ザ・フューチャーとか、更にレトロフューチャーな疑似未来が織り込まれているものも楽しい。