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トランスフォーマー:KINGDOM War for Cybertron シャドーパンサー と2022年展開「レガシー」の話

トランスフォーマー『KINGDOM War for Cybertron』より

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The Golden Age of Grotesque

90年代のケイオスが好きだ。当時SPAWNのフィギュアを手にとり「顔が非対称なんだけど!」と衝撃を受けたのがことの始まりだったと記憶している。それはビーストウォーズにおいても同様で、歯を食いしばったり、やたらとヴァイオレンスな趣で「非対称」。バランスを保つことが当然のマナーだった国内玩具に慣れ親しんできた私にとって、このアンバランスはとにかく衝撃であって、そして今となってはこのヴァイオレンス、アンバランス、グロテスク具合は、90年代-00年代の世紀末による終末感にめちゃくちゃフィットしていたと感じている。

 

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ビーストウォーズ玩具の当初の試みであるミュータントヘッド(国内:ビーストマスク)は明確にこの頃のトイ潮流を汲んだ内容で、同時に「トランスフォーマー」というブランドへの挑戦的な試みでもあり、個人的には好きな部類だったのだが、結果としてアニメ内にその設定が組み込まれることはなく、またトイ展開でもオミットされていった。

しかしながら、このミュータントヘッドのオミットは「なかったことにされた」訳ではないと感じていて、例えばチートー(国内:チータス)の顔は初期はゴリゴリに左右対称なプロール顔だった訳だが、トランスメタルス→トランスメタルス2のアップグレードを経ていつの間にやら「ほとんどミュータントヘッドじゃねーか!!」と突っ込みたくなるようなアンバランスなグロテスク顔へと変貌した。

つまり、グロテスクなミュータントヘッドと通常顔が同居する初期BW玩具は「これまでのトランスフォーマー」と「これからのトランスフォーマービーストウォーズ」の橋渡しの期間と役割を果たしていただけで、そういった「慣らし期間」を経てビースト玩具は向かうべき90年代グロテスクの世界へと、歩みを進めていったのだと、私は勝手に思っている。

そう、勝手に思っているだけなので、この辺り「ソースは?」とか聞かれたとしても、若干古めのネットミームで言うところの「ないんだな、これが」ぐらいしか言い返せない。だって勝手にそう思っているだけだし、本当にすまない。

 

KINGDOM:Wave4 デラックスクラス シャドーパンサー

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そんな訳で「ミュータントヘッドの頭部だけ、追加パーツとして全員分出して売ってくれ」こと、くるーるめろでぃです。こんにちは。

前回のワスピネーターに続き、チーターのリカラーでお馴染みシャドウパンサー君がキングダムWave4で登場したよ!という訳で引っ張り上がってまいりました。この予定調和感強めのシャドウパンサーのリカラー発売の一番の衝撃は限定じゃなくてメインラインに組み込まれるのかよ!と言ったところだろうか。

今回に関しては早々に行っておこうと思うのだが、リデコ元のチーターの評価がキングダムライン中、最低クラスと言っても過言ではないので、今回のシャドーパンサーに関しては「新たな顔面」と「黒へのリカラー」でどこまでそれらをカバーできたのか?という一点で突破していく。

※我々は主要キャラクターが黒でリカラーされれば大抵は大興奮できる便利な脳を搭載しているではないか!

 

当時のキングダム版チーターのポストはこちら。

cruelmelody.hatenablog.com

 

ゴールデンディスクカードが予見する未来の可能性4.1

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前回のワスピネーターで完全に触れるのを忘れてしまったのだが、キーキャラクターの運命の可能性を示唆するゴールデンディスクカードが付属していたものの、見事にかぶっていた。

ユニクロンはこれまでのWaveでは未登場の新規キャラカードとなり、その中身だが

 

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DEVOURS CYBERTRON=サイバトロン星を貪り食う

と、なんだってーΩΩΩ(ぼうよみ)といった、しょうげき()の内容になっている。

他にもWave4では

オプティマスプライムユニクロンの眷属「ネメシスプライム」となる

ブラックアラクニア→ユニクロンの眷属「ダークアラクニア」となる

メガトロン→ディセプティコンの支配の下、サイバトロンを統治する

の存在を確認。

オプティマスはNETFLIXアニメにて既出の展開=示唆される未来の一つがしっかりと描かれた形に、メガトロンは事実上の大勝利へ。

個人的なWave4でこのカードがクソ欲しい大賞はブラックアラクニアのユニクロンヘラルド化で、そのルックスはシルバー基調となりめちゃくちゃかっこいい。是非ググってほしい、凄いから。

 

また、今後のKingdom Wave4展開で言うと現状タイガトロン(ヴォイジャー)くらいしか残っておらず、おや?製品の展開が3種類なのにカードが4種類もあるよ?状態に。

とはいえ、とてつもなく引きが悪く過去アイテムでも余裕でかぶりまくり、結局メガトロンのカードですら1枚もゲットできていない私なので、もう普通に諦めている。

 

シャドーパンサー ロボットモード

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余談だらけでかなり長話となってしまったが、シャドーパンサー。

 

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当然ではあるが基本はチーター(チータス)のリカラーとなり、変更点は基本頭部のみとなっている。腕は当時品準拠で追加塗装があり、またチーターのように頭部へのインシグニア印刷がないためか、プレダコンのインシグニアは腕に印刷されている。

 

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肝心のミュータントヘッドに関して、そもそもの「見ていると不安になるような不気味なデザイン」をしっかりと再現しており、こちらの新造頭部とカラーリングによりチータスからかなり印象は変わっている。

新造頭部は当時品にあったような突出する牙(ロボ頭部のツノ)や頭頂部からのカーブ、曲線的な造形はある程度削ぎ落とされ、思ったよりも通常の顔のようなフラットな仕上がりに。個人的にはもう少々立体的なほうがより不気味な雰囲気を放ってよかったのになぁという印象。ただ、当時品の顔を支えるブリッジ的なパーツも色の塗り分け(黄色)で再現されており、結構忠実ではある。

 

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武器に関しても変更はなく、相変わらずのテールウィップが付属。

リカラーが発表(というかリーク)された際には、シャドーパンサーには内蔵ガンが付属しチーターの物もインクルード…などもワンチャンあるのでは?と思ったがそんな事はなかったぜ!

 

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シャドーパンサーのキャラクターバイオは奇襲攻撃を得意とする偽装兵。さらに今回の不気味なミュータントヘッドも相まって、このどう見てもヘンテコで殺傷能力の低そうなテールウィップが意外とマッチしている。

というか、闇夜でこんな奇妙な顔の奴が先に刃物が付いたへんてこムチを振り回して突進してくるシチュエーションは笑えないレベルのナイトメア。ゴリラが空飛んで肩からミサイルぶっ放してくる状況もなかなかにインセインだが、確実にそれを凌駕する凄みがある。

 

シャドーパンサーとトライプレダカス・エージェント

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このシャドーパンサーだが当時のBW展開において、当初は国内限定展開されその後海外へと輸出されていく事となり、その為か複雑なキャラクターバイオを持っていたりする。

 

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※当時品との比較

前述の通り、当時品は国内限定展開で"デストロン"所属の偽装兵である「シャドーパンサー」としての販売に。その後、2000年にハズブロのオンラインサイトで名前を変更され「トライプレダカス・エージェント」として販売されていた。

補足として、当時商標権の問題でラヴィッジがトライプレダカス・エージェントと呼ばれていた経緯があり、結果としてラヴィッジを指すこの名称がそのまま与えられた事になる。

 

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※メタルスジャガー=ラヴェッジのリメイクとの比較

恐らく商標権の問題かあるいは何か別の問題で国内版メタルスジャガーが販売できず、その代替品としてパーソナリティを「国内メタルスジャガー」に寄せたラヴィッジ(トライプレダカス・エージェント)として販売されたのではないかと勝手に思っているのだが。

その後、ウォルマート限定のトランスメタルス2の黒チーターも同様にトライプレダカス・エージェントの名前が与えられ、更にカオスな状況を迎える事となる。

このウォルマート限定トイのキャラバイオではラヴィッジ、シャドーパンサー、トライプレダカスエージェント(トランスメタルス2チーター版)、国内メタルスジャガーあたりを総括して、「別名を名乗っていた時代もあるのよね…」という最強の一言でふわっと同一人物感を演出し、キャラ統合を試みようとする雰囲気も醸していた。

 

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今回はそんなシャドーパンサーが国内のみならず、海外展開でも満を持して正式に「シャドーパンサー」としてデビューした形になるのだろうか。ポリコレの時代なわけでアイデンティティを剥奪されていた国内限定キャラにフォーマーズライツを!とか、いや勿論冗談なのだけど。

ただ正直、この滅茶苦茶クリーピーなミュータントヘッドはラヴィッジが正体を隠すための「偽装」であって、正体はトライプレダカス・エージェントなんです、ぐらいのほうが個人的には面白いと思うんですがいかがでしょうか。

 

シャドーパンサー ビーストモード

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ビーストモードに関しては完全にチーターのリカラーの為詳細は割愛する。

 

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こちらは念の為。

弱い弱いと話題になっていたビースト頭部に付いた薄い爪だが特に改善は見られず、私は初回の変形で無事にへし折ったぜ!安心してくれよな!

 

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非常に今更な気付きなのだが、先日紹介した限定展開のラヴェッジのビースト前足は今回のシャドーパンサーやリカラー元のチーターとはなぜか左右逆のパーツが付いていることに今更気付いた。

※どおりでラヴェッジのビーストの前足は可動に難があるはずだ。

 

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※各種キングダム猫ちゃんたちと、当時品との比較。

ラヴェッジはロボットとビースト時の頭部が共用の為、首~頭部にかけての構造が全く違い、その為ビースト時の雰囲気もかなり変わってくるのが分かるかと思う。

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以上、キングダムWave4のシャドーパンサーは総評として「いい加減銃付けて売ってくれ」と言ったところだ。ミュータントヘッドの新造と黒へのリカラーでかなり印象は変わり、また前述のシャドーパンサーのトイ展開背景・キャラバイオも合わせる事で非常にミステリアスなカッコよさはあるので、あとは銃付けて売ってくれ、ハズブロ

 

2022年ジェネレーションズ展開「レガシー」のリーク情報を考える

チーターのリカラーということで絶対に内容に詰まると思っていたのだが思ったより書けてしまった。ポスト内の半分くらいはレガシーの話をつらつらしようと思っていたのだけど、サクッと触れていこうと思う。

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まずは各所に散らばるリーク情報を「クラス別」「WAVE別」にまとめてみた。大前提として、こちらは基本不確定要素満載のリーク情報なのであまりマジにならないで欲しい。

WFC3部作ラインが基本G1のリメイクを行い後半戦でビーストを大量投入してきたことに対して、2022年に展開される「レガシー」はG1やキングダムで取りこぼしたビーストの補完、PRIME展開やまさかのG2展開、急に差し込まれるアルマダ/サイバトロン等のユニクロン(国内マイクロン)三部作と少々とっ散らかっている印象。

 

ビーストウォーズの補完

タランチュラス(タランス)→デラックスクラス
インフェルノヴォイジャークラス

となっており、またこれよりも以前のリークで「ゴールデンディスク・コレクション」なるサブラインも海外アマゾンのストア登録情報がリークされ、レガシーラインではスルーされているテラザウラーはデラックスにてこのゴールデンディスク・コレクションにラインナップとなっていた。

これによりトランスメタルス化以前のオリジナルメンバーが揃うことになるのだが、唐突に

ドラゴンメガトロン→リーダークラス

がラインナップに追加された事で今後のメタルスアイテムリメイクの展開も期待が高まっている。

が、、レガシーのトイラインを見るに結構なアニメシリーズの物が点々と突っ込まれている状況のため、個人的にこのドラゴンメガトロンはスポットの可能性が高いと感じている。

 

トランスフォーマープライムのリメイク開始

アーシー(デラックス)、ノックアウト(デラックス)、バルクヘッド(ヴォイジャー)、サウンドウェーブ(ヴォイジャー)と、唐突にトランスフォーマープライムアイテムがリストイン。

トランスフォーマープライムは個人的に好きで、00年代以降のトランスフォーマーで最もストーリーが洗練されている作品だと思っているのでリメイクは大歓迎なのだが。基本的にTF玩具ラインナップには必ず入るトップ3の「オプティマス・メガトロン・スタースクリーム」が完全に抜け落ちているのが無茶苦茶不気味である。

他にも気になる点は多々あるのだが、大前提としてこのリーク情報の内容、色々と違和感が凄いと言うか、他のタイトルの物も含め、内容的にあまりにも攻めている印象が強い。

また余談だがトランスフォーマープライムのトイって当時品からしてかなり完成度や変形のオリジナリティが高い印象が強いので、あれらを超えることが出来るのか?は、つい先日のワスピネーターの件も含めて考えると肩透かしを食う着地にならないかと若干不安ではある。

 

唯一のリーダーがレーザーオプティマスとG2展開

その他にも個人的に驚いたのは数少ないヴォイジャー枠にジアクサス、さらにWave毎に1体のみのリーダークラスにはレーザーオプティマス…と、G2枠も差し込まれているところ。

確かにWFCでクラシックなオプティマスはサイバトロニアンモードとアースモード、大量のリカラーと散々こすってきたわけだが、ちょっと攻め過ぎではないか?と不安になってくる。いや、ファンにとっては嬉しい限りなのだが、、あまりにもファン目線が過ぎるというか。シンプルに売れ線キャラ不在の濃いメンツで本当に大丈夫なんでしょうか?という気持ちに。

 

シャッタードグラス展開はレガシー版ブラスター次第

同じくシャッタードグラスも2022年の展開がリークされている。

ホイルジャック(デラックス)とウルトラマグナス(リーダー)はいずれも既に発表済みのWFC版リデコで間違いなさそう。

サウンドウェーブボイジャークラスとなり、こちらはWFCのデラックスクラスからの流用ではなく、恐らく同時にリストアップされているSGブラスターと合わせて、レガシー版ブラスターのリデコ・リカラーになるのだろう。

個人的にはウルトラマグナスの顔面の造形だけが気がかりです。

 

ヴェロシトロン・ラインとかいう殺人的なサブライン

恐らく「ヴェロシトロン」は惑星ヴェロシトロンのことを指しており、レーシングビークル達がスピードを追い求めるレース狂達の惑星。

このヴェロシトロン限定ラインだけで、1wave分かそれ以上の物量が普通にあるじゃねーか!という事で、来年も「これらが国内で導入されるのか否か」を安心して心配することが出来る。

その他にもジェネレーションセレクトや店舗限定枠等々!やったね、タカトミちゃん!限定が増えるね!と既にひっくりがえっている状況だ。

 

タイガトロンの前に限定がいっぱい

以上、だいぶ長くなってしまったがシャドーパンサーとレガシー展開。ざっくりとまとめるとシャドーパンサーは「いい加減銃をつけてね」、レガシーは「限定がいっぱいでだいまんぞく()」と言った感じだ。

次回は恐らくタイガトロンのことをポストする形になるかと思うのだが、それ以前にも

・シャッタードグラス ゴールドバグ

・ドラキュラコラボ

ガルバトロン(トイカラー)

ジュラシックパークコラボ

と全て限定アイテム、盛りだくさんで10~11月は控えており、そもそもBWグリムロック・BWシルバーボルトをめちゃくちゃ放置し続けていたりと色々と溜め込んでいるわけで、何かしら近いうちにはやろうとは思っている。

 

等と言っていたというのに、まさか2022年春まで沈黙を守り続けることになるとは。

終わり