トランスフォーマー:KINGDOM War for Cybertron メガトロン(ビーストメガトロン)
トランスフォーマー『KINGDOM War for Cybertron』より
- こんなもん作って、この後どうする(結構マジで)
- KINGDOM:Wave1 リーダークラス メガトロン(a.k.a ビーストメガトロン)
- ビーストメガトロン ロボットモード
- ビーストモード
- 来てるのは来てるんですけどね
こんなもん作って、この後どうする(結構マジで)
正気かーッ!
どうもこんにちは、私です。今回はヤバいんです。
こんなもん作っといて、この後どうするつもりなんだ。なんなら2021年まだ始まったばかりなのに、規格外のレベチが現れてしまった。そんな色んな意味での問題作。無駄話は後にして、WFCキングダムライン、リーダークラスメガトロンなんです。
KINGDOM:Wave1 リーダークラス メガトロン(a.k.a ビーストメガトロン)
キングダムライン初のリーダークラスとなるメガトロン。同Wave1のリーダークラスは他にパッケージ替えオプティマスプライムのみとなり、また、既に判明しているWave2のウルトラマグナスもシージのマグナスをよりG1ルックに近づけたリデコとなっているため、現状キングダム内唯一のオリジナルリーダークラスとなっている。
そんな唯一のリーダークラス、ビーストメガトロンだが、発表当初より「写真からして明らかにヤバそう」と度々話題となっており、自ずと期待値も上がりがちに。我々は往々にして写真段階で、なんならサフ吹きの状態の写真でこれは〇〇の決定版だ!!と自ら商品へのハードルを上げがちな訳で。
※主にAコンボイさんとか。
しかしながら、オフィシャルの写真等には幾らかの違和感もあり、特に誰もが気になっていたのは顔や胸周りの色味ではないだろうか。
ハズブロは恐らく正気ではない
そんな諸々の物議を醸していたビーストメガトロンを実際に手にした感想だが、2021年1月にして明らかに2021ベストTF1位を予見させる超傑作、なんなら今後の新作への評価レベルのスケールを破壊してしまう大怪作であった。
正気か、ハズブロ。こんなもの手に取ってしまったら、今後並大抵のTFじゃあ満足できない体になっちまうじゃないか。
ビーストメガトロン ロボットモード
まず多くの方が気にしている前述の色味に関して。特にタカラトミーのオフィシャル写真では顔や胸元、腰回りのパーツが真っ赤っかで、我々に異様なプレッシャーを与えていたわけだが。実際に手に取った感想としては若干赤めだけど余裕で紫、と言った具合。確かに実際の劇中映像ではこんなに濃くなかったのだが、それでも許容レベルの濃さとなっている。
背面のビーストのガワはMPとまでは行かないが、ちょうどいい感じの玩具的なバランスでまとめ上げられている。一部のパーツが干渉し手の振り抜きに若干の影響はあるが、チーターのように「振り抜けない」と言った干渉はない。
また、可動云々の前に言及して置かなければならない「なんなら今後の新作TFへの評価レベルのスケールを破壊してしまう~」云々の部分。
今回のメガトロン、ビーストモード時に恐竜として露出する部分は基本PVCにて整形されており、特に肩や背中に折りたたまれたガワなどは基本の骨組みをプラで整形し、その下地の骨格の上にPVCを張り合わせている、と言うとんでもない構造になっているのだ。※写真で言うと肩やペンチ辺りがわかりやすく見えている
これまで一部のパーツを軟質で表現…等はいくらでも見てきたが、ここまでの仕様はビースト史上というか、TF史上初ではないだろうか。
おかげでビーストモード時やロボットの際に露出する恐竜の名残部分は、まるで爬虫類のようなヌメりを感じるルックスとなっており、後述となるがこのビーストメガトロン、とにかくビーストモード時の姿も尋常じゃないのだ。
オエー!※ティラノサウルスのヘッドにはエフェクトパーツの取り付けもできる。
可動やスタイル以前のストロングポイントが強すぎて、当たり前の話になかなかたどり着けていないのだが、可動に関しても潤沢。
しかしながら足の付根が軸可動であったり、そもそもティラノサウルスのヘッドが付いている腕の可動はヘッド部分が干渉し限定的であったりと、ライバルとなるオプティマスプライマルと比べると可動そのものは若干癖のあるものになっている。
ただそんなユニークな一つ一つの可動がしっかりと考えられた上で調整されているというべきか、実際に手にとってみると、通常であれば物足りなさを感じるべきウィークポイントとしての可動不足をあまり感じないように上手く"ごまかされている"ような印象。
特に面白いのは肩周りの可動で、ティラノサウルスヘッドの付いている右肩はビーストモード時の可動に大きく影響を受け、前後のスイングが可能になっていたりする点。対して尻尾側の肩にはこの機構はついておらず、可動範囲がアシンメトリーという変則的な仕上がりになっている。
ビーストメガトロンのティラノヘッドのついた右腕はその独特な形状・構造から旧玩具、MP版など共通して取り回しの悪さが目立っていたため、その制約が多い構造へビーストモードの恩恵としての可動をプラスワンするこの発想は、製作者のセンスの光る英断だ。どうかしているぜ。
またパッと見でいかにも取り外しが出来そうなペンチは腕と一体となり、MPのように取り外しは出来ない
足回りは前述の通り足の付根が軸可動となっており、太ももを付け根で縦軸に回転させるようなアクションは不可となっている。膝の可動は90度までとなっており立膝は難しい。しかしながら膝に組み込まれたロールなどで一通りのポージングは可能。
また、オプティマスプライマルには皆無であった肉抜きの穴が内もも等にいくらか復活しているのは少し残念なところ。
かかと部分が引き出し式でビーストとロボで形状を変えていた当時品と違い、キングダム版の踵は恐竜時のものをそのまま利用しているが、足首は前後はもちろん、WFC玩具標準装備となる左右のスイングのおかげでそれでも高い接地性を保持している。
特に前述の通り、このメガトロンは全身をプラよりも重いPVCでフルコーティングされているため持った瞬間にズシリとくる重みがあるのだが、そんな重量を問題なく支えている。これはそもそもの素材であるPVCのグリップ感も影響を与えているかもしれない。
オプティマスプライマルと。
首は変形時の構造により見上げ・見下ろしが可能。また、これは単純にティラノサウルスのスタイル状なのだが、いい感じに膝下がカーブしており、ただ立たせているだけで自然とS字立ちのようなかなりヒロイックな印象が生まれる。
全身プラのプライマルなど軽いもんだぜ!ということで、オプティマスを担がせても余裕で自立するくらいには足回りはしっかりとしている。因みに以降でも触れるが、この接地性はビースト時も同様でティラノサウルスメガちゃんにゴリラをウホウホとまとわりつかせて乗せてみたが、ぶっ倒れることなく立てた。
ペンチ部分は尻尾に配備された軸によって若干の可動有り。
前回ポストのオプティマスプライマルも大概エグかったが、今回のメガトロンも取り回しやすく、やはりMP版とは違う廉価版としての役割を十二分に理解している。とにかく「遊べる玩具的アプローチ」を保った中でのハイグレード感が溢れ出ている。
「ウルトラクラス」と謳われていた当時品のメガトロンと。
オプティマスプライマルと違いこちらは当時品と同寸となっており、これによって凄まじい進化がとてもわかり易い形で体感できる。とはいえ、度々言及しているのだけど、当時品のビーストはルックスやギミックの最適解であり、玩具としての一つの完成形だと信じている。
ビーストメガトロンの当時品ブログはこちら。
マスターピース版と並べると流石に各部の荒さは目立つが、何よりMP版にすら無かった爬虫類的なヌメりの表現というブレイクスルーと、玩具的なディフォルメという点で、全く別軸のカッコよさを遺憾無く発揮している。
マスターピース版のオプティマスプライマルとはサイズ感が近く、実際のサイズスケールで言うと嘘になるのだけど、並ばせた際の収まりは非常にいい。MP版メガトロン同様に流石にマスターピースと並ばせるとキングダム版のメガトロンはやや見劣りがするのだが、それでもあまり違和感が無いことに今回のメガトロンへの気合の入りようがよく分かる。
キングダムビーストラインと並べるとこんな感じに。
WFCラインはスケール感の統一を一つのコンセプトに掲げているのだが、ビーストウォーズのバイオに記載された身長の設定や劇中でのサイズ感はかなりラフな仕上がりとなっており、オプティマスプライマルとビーストメガトロンの身長はどちらも「2.8m」となっていたりと割とハチャメチャである。
だったらさっきのMP版プライマルとキングダム版ビーストメガトロンの体格差こそが、公式バイオの再現になるのでは!?と思うのだけど、そもそもオリジンのG1ですらサイズ設定はガバガバではないか。
つまりエヴァンゲリオンがさっきまではビルと同じ高さだったのに、次のシーンでは山を飛び越えるようなバカデカサイズになっていたりと、「そんときに一番"ばえる"サイズだったら、別に細かいことはいいじゃねーか」の精神であって、今回のメガトロンとプライマルのスケール感も僕は好きよ。
明らかにマスターピース版との比率とも違うっぽいけど。
ウィークポイント
お馴染み、褒めてばっかりでどうするという訳で、今回のウィークポイントを幾つか。
まずはストロングポイントでもある全身のPVCコーティング。こればっかりは時間が立ってみないとわからないのだが、通常のプラと違った問題、特にベタつきなどを心配せざるを得ない質感となっており、これが直接的なウィークポイントになるかはさて置き、その他にもパーツの変形(トランスフォーム的な意味ではなく※テラライズ!だが、)つまり湾曲等、これ3~5年後も大丈夫なん?という潜在的な不安を感じさせる質感であることは間違いない。
また、前述の通りの全身プラと違い全身、特に背中に背負ったPVCガワの重さが半端ではなく、これに対して支える股関節の軸が結構なゆるさでプラプラとしており、ここは確実に調整が必要なレベル。
ここまでのハイクオリティな廉価モデルを実現し開封時のテンションときたらそれはもう脳みそが飛び散る程であったのだが、パッケージから剥がした瞬間に「あ…」と一気にフリーフォールするような残念感。この詰めの甘さはとにかく残念でしかない。
と、割と辛口である僕から見てもざっと思いつくのでこの程度。このキングダム版ビーストメガトロンはマジでインクレディブルな出来なのだ。
ビーストモード
完全に2021どうかしちゃっているオルトモード大賞を独走するビーストメガトロンのティラノザウルス・レックス形態。キングダムビースト勢のビーストモードは当時アニメの再現からは明確に逸脱し、よりリアルな「ビースト」への独自進化を果たしている事はこれまでのポストでもさんざん触れてきたのだが。
今回のビーストメガトロンのビーストモードは狂気と呼べるレベルに近いほどのそれで、まず何より質感。ロボの時にはそれでも鳴りを潜めていた前述のPVCコーティングが全身へ展開し、引くレベルで恐竜へとテラライズしている。
全身に入る分割線や接合部は生ビーストとしてのルックに大きく影響を与え、特に首周りはかなりファジーな仕上がりになっているものの、この形状は可動を優先したことによる物。
つまりこのメガトロンのビースト形態、ルックスはもちろんだが死ぬほど可動しまくるのだ。
このようにルックはかなり曖昧な雰囲気であるものの、可動に関してはマスターピース版を凌駕する勢い。マスターピース版との決定的な違いは足回りで、可動にかなりの制約があったMP版から、今回のキングダム版は飛躍的に可動域が上昇している。
その理由が腿パーツに仕込まれたこの半円のスライドパーツ。MP版では腿まわりはロボ時の象徴的な足の武器をそのまま採用していたのだが、キングダム版ではこの武装をコンパクトにし、腿と分割。これによって腿の可動域が爆裂的に向上し、ぐりぐりと足の上げ下げが可能になっているのだ。
マスターピース版のビーストメガトロンのポストはこちら。
これによって、旧時代的な恐竜感とでも言うべきか、つまりゴジラのような頭部を極端に持ち上げた、今となっては前時代的な非常にオールドスクールな恐竜立ちも可能。
ゴリラと組み合わせると明らかにキングコング
オプティマスプライマルのゴリラとバトらせるとこんな感じに。前述の通りMP版と違い、各部の継ぎ目の甘さはあるものの可動は非常に潤沢で、MP版への廉価版としてのアンサーがエグい。ロボットで戦えるのは当然として、ビーストでもめちゃくちゃ遊べる。このビースト、とにかく遊べまくれるのだ。※それでいて楽しい
ゴリラをまとわりつかせてもこの安定感。
ゴリラとの組み合わせは「ゴリラVSティラノサウルス」の元ネタであるキングコングを想起できる生動物感であり、それでいて若干のオールドスクールなルックがキングコングのエッセンスを更に色濃くしている。
来てるのは来てるんですけどね
以上、War for Cybertronトリロジーの最終章「キングダム」Wave1より、リーダークラスのメガトロン。
冒頭にも書いたのだけど、こんなもん作ってこの後どうするんだ?!正気か?!といったレベルのとんでもない傑作であり怪作。こんなに良いもの渡されたら、今後見る目がもっと厳しくなっちまうじゃねーかーーッ!とタカラトミーを呪いたくなるような、キングダムビースト勢はもちろんそれ以外の中でも確実に一番の熱量と勢いを体感できるハイカロリーな仕上がりとなっていた。
今回のビーストメガトロンにて、キングダムWave1のビースト勢はコンプリートとなり、一旦は一区切り。以降のWave2でも当時品から初の正式リメイクとなるエアレイザー(エアラザー)や、廉価版としての仕上がりが楽しみであるダイノボットなどが続々待機している。
キングダムラインのポスト一覧はこちらから。
KINGDOM:WFC カテゴリーの記事一覧 - くるめろとは違う
更に言うとキングダムのビーストじゃない方の皆さん、サイクロナスなどが手元には届いており、それに伴って組み合わせて遊ぼうと思っていたスタジオ86シリーズ(だっけ?)のロディマスやカップ等がDMか?というレベルで家に届きまくっている。
次回のポストは何にしようかしら?
…まさかこのポストの後、半年も音信不通になるとは。
※実際にさもありなんですが、恐らく近いうちにまた!
おわり