くるめろとは違う

くるめろと貴様は関係ない。

トランスフォーマー:R.I.D/BeastMachines メガトロン/メガボルト と、ビーストマシーンズとはなんだったのか

トランスフォーマー「Robot in disguise/Beast machines」より

 

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アレにアレが重なってしまったアレの話

どうもこんにちは、最近ビーストウォーズ再考の流れからそのまんまビーストマシーンズ/ビーストウォーズリターンズを再視聴しています私です。つい先日、新品未開封のR.I.D版のメガトロン・メガボルトを「安い!!!」と言うほどでもない、なんともリアルな値段で手に入れたんすよ。

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表の名前シールが逆っていう盛大な微エラー品。

そもそもこのメガトロン・メガボルト自体が曰く付きのアイテムで、というかそもそもそもそもこのキャラクターが登場したBeast Machines(国内におけるビーストウォーズ・リターンズ)がドアを開けた瞬間に玄関の床に染み付いて落ちない大量の血痕と下手すればKeepOutシールがそのまんま残され、備え付けのデザインとなっているようなちょっと特殊なデザイナーズ物件(人はそれを曰く付き物件と呼ぶ)であり、いろいろとア~レなやつなわけで。

そもそもそもそもそも、このビーストマシーズはローンチとなったWave1的な玩具がアニメ登場キャラと絶望的に似ていないという最悪な玩具事情からの展開となり、さらにアクの強い見た目とめちゃくちゃディープなストーリーと、、「こんなもん毎週食ってたら死にますよ」的な致命的な濃さが止めを刺して打ち切りに。

本来はビーストマシーンズトイとして販売される予定だったメガトロンの新たな姿「メガトロン・メガボルト」は結果的に打ち切りとなったビーストマシーンズ・トイラインでの発売からあぶれ、その後トランスフォーマーの立て直しを担ったカーロボ(海外におけるRobot in disguse)枠へとねじ込まれることに。

http://www.toyhypeusa.com/2013/02/16/transformers-beast-machines-cancelled-2001-megabolt-megatron-in-package-picture/

↑こちらが本来発売されるはずだったビーストマシーンズ版メガトロン・メガボルトのパッケージだとか。

R.I.D枠へとねじ込まれたが当然ながらアニメにはまっっったく出ていないので、海外ではKBtoysという玩具チェーン店限定で展開。と言っても初回登場時はボディが緑×水色と、誰なんだよお前は…という見た目で登場、その更に1年後ようやくBMアニメ準拠のオリジナルカラーにてリカラーされたのがこちら。

そういったアレコレが終決し国内へと導入される頃には国内でもビースト隆盛の時代はとっくに終演を迎えており時代は正統派の時代。(ビーストマシーンズが海外で放送されたのが99年だというのにそれが国内に導入されたのは04年と実に5年後)

龍宮城帰りの浦島状態で日本へと入国してみたらキッモ!キッモ!のコールと共に雑に迎え入れられ、国内版アニメ「ビーストウォーズリターンズ」は放送枠がモバHO!っていう動画配信だったり、スタッフ・声優が開き直ってキャラやセリフを堂々と改変しまくったりと、もう全部アレで、何この負のループ?

僕が思うに国内でのリターンズの異常な非難は海外のそれとはまた少し事情が違って。海外との展開の差(5年後)が生み出したとてつもない温度差、特に国内ではその空白の期間の間にカーロボットやマイクロン伝説等の正統派TFが急速に拡大していて、元々アウトローだったビーストの時代が既に"完全に終わっていた"という状況も少なからず関係していると思うんですよね。

そんな訳で国内でも一部のリターンズ商品は国内オリジナルパッケージが制作されてしめやかに葬儀が…いや、販売が行われたのだけど、アレにアレが重なってアレもいい所なアレの塊であるメガトロン・メガボルトは海外R.I.Dブリスターパッケージの裏にシールをペタッ!と貼るだけでひっそりとトイザラス限定でリリース。お通夜のようにしめやかに行われた過ぎたせいであまり見かける機会が少ないわけなんです。

 

えっ……?エアアタック オプティマスプライマル再販?

そんなこんなをしていたら、このビーストマシーンズ/ビーストウォーズリターンズの玩具「エアアタック・オプティマスプライマル」が再販されるとかで。なんだよ、超タイムリーかよ。

 いや、マスターピースにてオプティマス・プライマルがリメイクされ、パワーオブザプライム展開にてパワードコンボイこと「オプティマオプティマス」がリメイクされている流れを考えると、リメイクなどもってのほかである禁忌・パンドラの匣であるマシーンズオプティマスは受注生産に近いレベルで再販しとけばOKっしょ!みたいな?そういう流れなの?ただ当時品をお高い値段で完全版的なパッケージングで再販するというスタイルは記念すべき第1回目で既に盛大にやらかしているので。

お、おいタカトミ…ッ!今なら「当時品+おまけ付き復刻商法」なんてそもそもなかったですよ…?って空気出してくれれば僕らも見て見ぬふりができるというのに…ッ!なかったことにできるチャンスをまさかのマシーンズオプティマスで無下にしてしまうとは…。気でも狂ったのか。

 

MEGATRON MEGABOLT/メガトロン・メガボルト

さてちょっとした前置きで2000文字を突破したのでそろそろメガボルトの話をちゃんとしようと思います。伝統的にビーストマシーンズ・ビーストウォーズリターンズのキャラデザや玩具は「キモい&キモい、あとそれに輪をかけてキモい」で片付けられがちなのだけど、デザイン性や可動面はその後のカーロボのキッズ回帰路線と比べると遥かにハイクオリティだ。

当時ハイティーンだった僕にとっては個人的にはこの路線のほうがフィットしていたので、マシーンズ玩具にそういった嫌悪感みたいなものは一切なかったりする。

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このメガトロン・メガボルトはオルトモード(後述)も含めて非常にハイクオリティな玩具で度肝を抜くような変形工程で度肝を抜くような姿へと変形するとても良質な玩具だ。

アニメではこのメガボルト(国内メガヘッド)はロボットへと変形しないので完全な玩具オリジナル展開なのだけど、オリジナルであるのが勿体無いほど良いスタイルをしている。顔面はビーストウォーズのメガトロンを踏襲した顔に。

 

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ただオルトやロボットモードで発動されるギミックが詰め込まれたバックパックがとにかく重く、こんな感じですぐにエビ反るのが唯一の欠点。

 

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こちらの欠点は変形の為に可動する特殊な膝に起因している。

というのもこのメガボルトは足にボールジョイントと軸の2つが仕込まれており、可動という点ではわりと優秀なのだが太ももの中間にある背面に切れ込みの入ったボールジョイントとこのバックパックとの相性が最悪ですぐにペコっと折れてしまうのだ。

可動という点だけで考えれば、最悪このボールジョイントを瞬間接着剤で完全に固定もしてしまえるのだけど、前述の通り変形時にゴリゴリ動かす関節なので固めることもできず。

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ロボット時におけるディスプレイの個人的な落とし所は足を反転させるという力技。この頃の玩具は昨今のようなハードコアなコストカットの煽りを受けていないので足を反転させても割りとぎっちりと詰まっている。

 

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そんな訳で可動は非常に優秀。一般的なトランスフォーマーによくある握り手で処理されていない表情のある手が個人的には気に入っている。

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前述の足の可動の潤沢さのおかげでデラックスクラスのサイズ感でありながら余裕の膝立ち。というか、超余裕で正座もできる。

 

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バックパックにギッチギチに詰まったギミックその1はこちらの武器。背面からスプリングで展開するミサイル武器で、ここにマシーンズ/リターンズにてメガトロンがかぶっていた象徴的なマスクも付属。アニメで慣れ親しんでいた顔面は「羊たちの沈黙」におけるレクターのマスクのような、拘束具を感じさせるマスク姿のこちらかと思う。

頭部とマスクにそれぞれマグネットが仕込まれており、胸のスパーククリスタルを押し込むことで展開し、マグネットの力で吸い込まれるように設置される。

 

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前述の手の形から武器をもたせることはできないのだが、武器がこの頭部のランチャー一択となっているので特に問題はない。今更だけど、胸の塗装が擬似的なクリア感を生み出していてとても綺麗なのも気に入っている一つの点。

 

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が、こんな重いものを頭部にヘッドオンしてしまうと当然ながら貧弱な足に負担がかかってしまうのでこうなる。これまでのビーストウォーズにおける数々の激戦によって、さすがのメガトロン様も膝がグッチャグチャになってしまっておられる。出来が良いだけになんとももどかしい仕様だ。

 

ガボルト オルトモード

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スタイル同様に変形も非常にクオリティが高く、下半身がぐるっと一回転するかなりカロリーが高めの面白い変形が採用されている。

 

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英語説明書に「対象年齢15歳以上」のみがべた張りされたようなパワーオブザプライムを含めて、昨今のアイテムって説明書がなくても手触りとフィーリングで変形を行えるようなさっぱり変形が多いのだけど、この説明書なしでは頭をひねるようなボリューム感、個人的にこれくらいのディスガイズが最も胸躍るので昨今のヘルシー変形は少しばかり物足りなさを感じたりもする。

 

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う~ん!キモい!不気味さ、意味不明さ、怪しさ満点の大傑作。冒頭でも触れたようにキモイキモイとただひたすらにその特徴的なルックスを叩かれ続けるビーストマシーンズ/ビーストウォーズリターンズは、ストーリーやデザイン・玩具展開も含めて、誰もが好きなときに好きなようにぶっ叩いていいネネちゃんのうさぎたいな扱いを受けていると思うんだけど。その中には明らかな過小評価が多々混在していると感じている。

個人的な話をすれば、ビーストウォーズ登場から玩具を手にしビーストと共に成長を遂げ10代後半ともなっていた僕にとってこのマシーンズの「デザインの進化」にはそこまで拒否反応を示すようなものでもなかった。むしろこれまでのビーストウォーズの流れを汲めばBMラットルやブラックウィドウ等ああいったヤバみの強いデザインへの着地は順当だったようにすら思える。いや、これは言い過ぎでした。

まったくもって余談だが前述の通り国内販売まで5年も寝かされたマシーンズ玩具の国内販売を黙って待てるわけもなく、ストーリーを一切知らない状態で海外サイトにてPaypalを多用し個人輸入でビーストマシーンズの玩具を買っていた僕はなぜか

  • ビーストマシーンズはフランスのアニメ会社が制作した

という見当違いな"僕発信の誤情報"を脳内が勝手にクリエイトし、しばらく勝手に「うわぁ~、攻めたデザインだなぁ…でも、今回のビーストはフランス制作だからなぁ…」と本気で独り信じていた。

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※どう見てもフランス人が作ったようにしか見えないアクの強いマシーンズラットル。

いや、でもマシーンズのあのデザインはなんというかトランスフォーマー界のハイファッション感というか、パリコレみたいな意味不明とそこはかとないおしゃれさがあるじゃないですか。そんな訳で僕は数年間自分の中で作られた誤情報の「マシーンズはパリジャンが作った」ていう嘘トリビアに支配されていたんですよ、まじで意味がわからないんだけど。

 

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さて、これまでのロボットモードは前述の通り玩具オリジナルの言わば世を忍ぶ仮の姿。メガトロンメガボルトの真の姿がこちら、強大な頭部モードだ。マシーンズ/リターンズのメガトロンは機械至上主義のような思想を持っており、根本として「有機体への嫌悪」が存在、ストーリーにて自身の中に残る有機的な部分を憎み排除しようと奮闘していた。

そんなメガトロンがコンボイとの死闘の末、というかほとんど一回死んだあとに復活した姿。どのシリーズと比べてもおそらく最も異質で最も異形なメガトロンではないだろうか。

 

レジェンダリー・ギミック

このメガボルトに付属となっている6本の足だが、こちらも玩具オリジナルの仕様。こちらがすぐにエビ反ってしまう要因のバックパックのギミックと連動するのだが。

こちらがこのメガトロン・メガボルトを一つの究極へと押し上げているイカれたギミック。底面のコロ走行タイヤが足・顎と連動し、走らせることで異様にリアルに足をカタカタと動かしながら口をパクパクと開く。このギミックを持ってして僕の中でメガボルトはレジェンド・オブ・伝説に。(伝説オブ伝説)

そんな感じでマシーンズ/リターンズ玩具は当初のビースト玩具からメタルスを経て忘れ去られていたギミック感が象徴的に復活している。

 

マシーンズ/リターンズにてこの頭部から一度宇宙船へとトランスフォームしているが基本的にはこちらの巨大な頭部姿だったので、ロボットがオルトでこちらがメインと言っても差し支えないだろう。

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巨大頭部メガトロンと変形後の宇宙船形態、ビーストウォーズにてメガトロンたちが基地にしていた宇宙船によく似ている。

 

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玩具オリジナルで追加された足以外の若干の相違は目のカラーで、赤から何故か緑へと変更されている。しかしながらこちらのギミックもなかなかに小洒落ていて、マスクのように覆いかぶさる顔の目の部分はくり抜かれている。ここからベースとなるロボット胴体の一部が露出しており、塗装では表現できない眼力が出ている。

 

巨大な頭に変形するリーダーといえば

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巨大な顔面へと変形するリーダーといえば…?という時点でお気づきかもしれないが、このメガトロン・メガボルトの頭部モードはフォートレスマキシマスの首の上に丁度良く乗っけられるようなサイズ感でデザインされているとの事。

「との事」というのはつまり”僕がフォートレスマキシマスを所持していない”ということを意味しているので、気になる方はググってみてはどうでしょうか。

 

ビーストウォーズリターンズとはなんだったのか

ビーストシリーズの最終章、「海外版ビーストマシーンズ/国内版ビーストウォーズリターンズ」は国内で"火種"とされるビーストシリーズの中でも、最も低評価を叩きつけられている作品でもある。

ビーストウォーズシリーズの再考に関してはこちら↓

トランスフォーマー:ビーストウォーズ ビーストウォーズ再考1 - くるめろとは違う

トランスフォーマー:ビーストウォーズ ビーストウォーズ再考2 キャラクターの鬼改変ーマクシマルズ編 - くるめろとは違う

当時の評価は控えめに言ってトランスフォーマーシリーズを半殺しにしたA級戦犯と言ったところで、国内問わず海外でも散々だったとされている。

完全にビースト世代でとかくビーストに寛容な僕にも数々の問題がそこかしこに転がっている地雷原であることは否定できず、特に僕が"当時"気になったのは

  • 玩具初期ラインナップがアニメからだいぶかけ離れたルックスをしている
  • 宿敵であるメガトロンがメガ・クラス止まりの中で新キャラのナイトスクリームやジェットストームがウルトラクラスで販売されたり…と玩具のサイズ感・スケールがめちゃくちゃ

※実際はウルトラクラスのメガトロンが発売予定だったが不人気によりキャンセルされた

といった玩具事情。

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手元にあったタンカーとラットルと。

これはストーリーが国内に導入されるまでに5年も寝かされた上に、肝心の国内版は「ストーリー」を追っているファンにとっては本筋を追えないようなアドリブ改悪だったため、ストーリーへの言及がしづらいといったバックグラウンドもあったかと思うのだが。

しかしながら、

  • シリアスで衝撃的な展開
  • 宗教的でディープなストーリー
  • 攻めたルックス(1999年当時の僕に言わせれば「フランス制作の為」)
  • あと重要なのが変形シークェンスの簡略化(光ってなんやかんやあって、アバウトに変形!)

と、本国でも散々な低評価を叩きつけられたという話は国内でも有名である。

有名であるが、以前も書いたようにこういった所謂「海外の反応」のソースは伝聞であったりと往々にして曖昧だったりする。じゃあ実際の所はどうなの?というわけでこちらをぜひご覧いただきたい。

www.amazon.com

こちらは米アマゾンのビーストマシーンズのページなのだけど、今現在147というレビュー数の中で★4.4といった高スコアをマークしているのだ。あ、あれ…?海外ではクソミソ戦犯扱いだったのでは…?つまり、海外ではビーストマシーンズは再評価されているのだ。

 

90年代後半の話を少しするならば時代はまさに世紀末でこの時代のアニメ作品は、まさに終末的な思想に影響されたようなストーリーも多かったと思う。最も象徴的な国内アニメーションで言えば新世紀エヴァンゲリオンだ。宗教的なバックグラウンド、シリアスでショッキングな内容、ディープで暗いストーリー…とこれは不思議な合致でもあるのだけど、意外にも相似点が多かったりする。キリスト教グノーシス的な思想であったり

というよりかは、前述のように終末的な思想という部分が共鳴しあっていたのかもしれない。これはそんな時代感もあったのかと思う。

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完全に余談だがこのメガボルトの横顔や口が開くギミックも初号機っぽいよね!

トランスフォーマーにとってもビーストが始まった90年台~00年台は大きな変革期でもあったように感じる。G1から続くトランスフォーマーの低迷に対する、ビーストで導入された動物からの変形や、シリアスなストーリーの中で徐々にG1へと繋がっていく新たなサーガ・解釈…など。挑戦的な新基軸の数々はこれまでのファンにとってショックな内容でもあり、間違いなく多くの反発を生んだ「意欲作」だったのだと思っている。

しかしながら、僕が感じたような玩具展開との齟齬やあまりにも宗教的エッセンスが強すぎるマシーンズにて、これまでのTFファンとの間の亀裂が限界を迎え、結果としてマシーンズはフルボッコどころじゃないフルボッコボッコボコボッコくらいに叩かれて、安心の「王道の正義と悪の戦い」といった懐古的な方面へと起動を修正する。

しかしながら、マシーン図のストーリーやデザインが本質的に「ダメ」だったわけではなく、むしろこのビースト三部作にて蒔かれた革新性・挑戦性は、よりキャッチーな姿にリフォーマットされて行き脈々と現在も受け継がれていっているように感じる。

非常に有機的な姿へと変形する実写版のTFに既に我々の目は慣れてしまっているが、スタースクリームを含めて実写TFの中には明らかな異形が確実に存在するし、現在アメコミで進行しているストーリーや、パワーオブザプライム原初の13人のプライムと言った内容は、よりシリアスでディープに、宗教色も強い内容へと踏み込んでいっている。

ビースト三部作、特に結果として最終章となってしまったマシーンズは、ただただ、早すぎたのだ。色々と。

 

僕としては、ビーストシリーズが描こうとしたディープな世界感は色々と"早すぎた"結果で、ビーストマシーンズのストーリーは後のTFユニバースに多大な影響を与えたような面白い部類の作品に入ると思っている。

当時は異質とされ叩かれまくったマシーンズも現在では再評価が始まっている、ビーストが果たした「挑戦」を時間と共に消化し受け入れていく。そういった寛容さを僕らはマシーンズ以降の15年程で手に入れていったのではないでしょうか。ビーストの戦士たちも3部作にて適応していくことや変化を受け入れていくことの大切さを教えてくれていますし。それが悪意のある挑戦でなければ。※スカスカコストカットとか。

あとアメリカで言えばカートゥーンネットワークが02年からアダルトスイム枠を導入して、大人に向けたような(←言い方は雑で良くないのだけど…)重めの内容のアニメが確立されたっていうのは大きいのではないかと思っているのだけど、これは僕の完全なる主観です。

※ちなみに似てるよねと書いたエヴァもこのアダルトスイムにて放送された。

 

何がいいたいのかと言うと「ビースト3部作の原語版音声+正式字幕を収録したデジタルリマスターブルーレイを出せよ」っていう話なんです。あと実写リブートするならビーストウォーズをやったらいいのに。ここまで読んでくれたあなたにはもうマジ感謝。どう考えてもポストを分けるべきだった、というかマシーンズをまとめたようなポストもいつか行いたい、いつか…おそらく、いつか…。