トランスフォーマー:実写映画 最後の騎士王(2回目)を見てきた感想と個人的な補足
トランスフォーマー実写映画「最後の騎士王」より
トランスフォーマー最後の騎士王2回目見てきました
先日7/21に前作ロストエイジから続く実写映画5作目「トランスフォーマー最後の騎士王」のジャパンプレミアにご招待いただき鑑賞してきた。ジャパンプレミアでは個人的に中々見る機会が少ない3D上映ということも有り、「うわ映像がめっちゃ飛び出してるけど字幕見づれえ!あと画面の端から端までがすごい距離で色々見逃す!」と色々と見逃してしまった感が強かった。また無料で見せてもらったので過度な批判を避け、更に公開前ということでブログも極限までネタバレを避けるような内容をポストした。
↓ジャパンプレミアに行ってきた話はこちら
遂に昨日より日本全国公開。よっしゃあ!遂にネタバレをめっちゃ書ける!という訳で今回のブログは既に見てきたよという方向けのめちゃくちゃネタバレを含んだ内容となっております、あしからず。是非見てください。
トランスフォーマー最後の騎士王のファンサービスをファンじゃない人向けに説明してみる
今回の映画はこれまで以上にTF(トランスフォーマー)用語が飛び交っている。言ってしまえばただの「ファンサービス」なのだけど、逆に映画でトランスフォーマーを知った人にとっては「なんのこっちゃ」かと思うのでまとめてみようと思う。
ヘッドマスター
劇中に登場する忍者執事こと「コグマン」。アンソニー・ホプキンスが演じるエドマンドに使えるトランスフォーマーだが、彼ってば人間サイズで劇中では一度もトランスフォームしないのだ。
じゃあほとんどサイボーグ執事じゃねーかよ、と思われる方もいらっしゃるかもしれない。然しながらコグマンはエドマンドの口から「ヘッドマスター」というれっきとしたトランスフォーマーの一種族だということが明かされている。
*ヘッドマスター化されたブラーというサイバトトン戦士。コグマンは画像で言う所の左のちっちゃいロボで…
ヘッドマスターとは日本において制作された「トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ」というシリーズに登場する新世代のTF。このヘッドマスター達の特徴は体の小ささにある。
アニメの設定では400万年に続くディセプティコンとオートボット達の戦争から逃げ延びたTF達がマスター星という過酷な環境下にて独自進化した姿であり、彼らは「自身が頭部へと変形し、体へと変形する乗り物にヘッドオン(合体)する」事ができるのだ。
*乗り物が体にトランスフォーム。ここからヘッドマスターは頭部へと変形し…
*ヘッボン!!おっきなTFになるよ
次回作にてコグマンが引き続き登場するのか?また、登場するならばコグマンが頭部となり「ヘッドオン」(正しくはヘッボン!!的な発音)するのだろうか。ヘッドマスターっていうのはだいたいこんな感じです。
ユニクロン
なんか劇中にやたらと「ユニクロ」的な、リーズナブルな洋服量販店的なワードが登場していたじゃないですか。
このユニクロンはトランスフォーマーの各アニメシリーズに度々登場する悪の第3勢力で、平たく説明すると星と同じサイズの超デカいトランスフォーマー。初代アニメシリーズでは自身の脅威となるマトリクス(これまでの実写でも登場したプライム達に受け継がれる叡智、だいたいのことは解決してくれるオートボットの四次元ポケット的存在)を持つオプティマスを破壊するために登場した。
*左のめっちゃビーム出してるでかいのがユニクロン。
変形するとこんな感じ。くそデカい。
ユニクロンは星を喰らう巨大な牙をもったような惑星で描かれている事が多いが、今回はそのユニクロンの牙が地球の地表に現われている。これは「トランスフォーマープライム」というアニメ(日本でも放送済)の設定と酷似していて、トランスフォーマープライムでは地球のコアが実はユニクロンそのものだった!というような設定であった。
次回作の完全な伏線となるユニクロンの存在、めちゃくちゃ気になる引っ張り方です。
トランスフォーマープライムの件はこちらで少し言及してます。
あっさりと死んだオンスロート
メガトロンがTRFと取引し釈放させたディセプティコンのメンツの中のひとりのオンスロート。アニメを見ていないよ、という方にとってものすごくキャラが薄かった彼はおそらく皆様の記憶の中で何処で死んだかすらもおぼろげであろうこと受け合いですが、アニメでは結構重要な存在。
リベンジに登場した合体兵士「デバスター」(ピラミッドをものすごい勢いでぶっ壊してた、お股に2個鉄球がぶら下がっているアイツ)と同じような合体兵士の部隊「コンバットロン」のリーダーで「ブルーティカス」という巨大な兵士に合体する。
が、今回はサクッと死にました。マイケル・ベイときたら!
ホットロッドという新しい波
今回の映画で初登場となった「ホットロッド」。黒いボディに朱赤のラインが入ったカッコいいデザインとくりくりお目々が印象的で、劇中ではジョジョのザ・ワールドのような時止め(実際は超ゆっくり動いてる)とかいうチート能力を発揮。誰しもが「その武器があれば全てなんとかなったんじゃないんでしょうか」と頭をひねっていたかと思う。
このホットロッド、アニメではオプティマスの一時的な死亡後、マトリクスを引き継ぎ新たなプライム「ロディマスプライム(コンボイ)」として活躍していた主人公の1人なのだ。前述のユニクロンに間接的に止めを刺したのも彼である。原作ではかなりやんちゃな性格であだ名は「イカレ暴走族」。
今回の映画ではめでたく生還したので、個人的には次回作(最終作)にて「どうユニクロンと絡むのか?」が気になるところ。
クインテッサ
サイバトロン星を復活させるためにオプティマスを洗脳した”創造主”のクインテッサ。クインテッサの登場も前述のホットロッドの登場と同タイミングとなっていて、逆にホットロッドの登場はある意味では必然的だったのかもしれない。
以前の映画では基本的にオートボットVSディセプティコンというシンプルな構図であり、これは原作のアニメでも同様。しかしクインテッサ星人の登場後、原作アニメではオートボットVSディセプティコン+両軍VS自分達が作ったトランスフォーマーをコントロールしようとするクインテッサという三つ巴の戦いが描かれている。
個人的には今回クインテッサと共闘していたメガトロンにもネメシスプライム(悪オプティマス)同様の赤い痣が顔面に刻まれていた事が気になっていて、つまりメガトロンも洗脳下にあったんじゃないでしょうかっていう所。
今回ぶん殴られて消滅したように見えたクインテッサ星人だが、ラストには人間の女性の姿でユニクロンを利用し何かを企んでいる様子が。次回作ではアニメ同様オートボット・ディセプティコン・クインテッサ星人の三つ巴の戦いとなるのだろうか?
以上が個人的に原作と照らし合わせてみたかった部分。
これらは全て個人の感想と憶測なのであまり気にしないでください。
あらすじと感想と、だいたいそんな感じ!
ストーリーの概要だが(一部前回のブログから引用)
予告でも公開されているように今回の「最後の騎士王」では前作「ロストエイジ」からオプティマスが自身の"創造主"と対峙する為に宇宙へと旅立った状態で物語は始まる。
トランスフォーマーは一部の地域を除き排除する方針が定まっており、政府は対トランスフォーマー部隊「TRF」を結成。以前TF達と共闘していたレノックスはTRFに所属しバンブル達と対立状態にあった。一方地球に残されたオートボット戦士は前作主人公ケイド・イェーガー(a.k.a.テッドのおじさん)と共に密かにディセプティコンとの戦いを繰り広げていた。
センチネルプライムとの戦いによって廃墟となったシカゴにて少女イザベラを守っていた1人のTF「キャノピー」はTRFの攻撃を受け死亡。駆けつけたケイドは死にかけている西洋の騎士のようなTFを発見し、1枚のタリスマンを託される。そのタリスマンが示すもの、それは遥か1000年以上に及ぶTFと人類の関係だった。
このタリスマンの事を知るイギリス貴族のエドマンド(アンソニー・ホプキンス)はケイドのもとに彼の執事のようなTF「コグマン」を遣わせる。エドマンドの元に集っていたTFの1人ホットロッドは時を同じくして大学教授の「ビビアン」を拉致。彼のイギリスの邸宅で対面するケイド、ビビアン、エドマンド。
エドマンドは地球の危機的状況、1000年に及ぶTFと人類の歴史、アーサー王伝説に触れ、ケイドが託されたタリスマンこそがこれら危機的状況の鍵であり、アーサー王の仲間である魔法使いマーリンが使った「杖」を扱えるのは遠い子孫であるビビアンしかいないということを告げる。
そんな中完全復活を遂げるメガトロン率いるディセプティコン軍はTRFを利用し収監されている自身の部下を釈放させる。TRFは地球を守るために、ディセプティコンはクインテッサ星人と共に地球を利用しサイバトロン星を復活させるために、その杖を狙う。三つ巴の戦いの末に窮地に立たされるオートボットの元に遂に帰還を果たしたリーダー・オプティマスプライムはクインテッサ星人に洗脳され、自身をネメシスプライムと名乗り「我々の星を救うため、全人類を滅ぼす。」と言い放つ。
ネメシスは遂にバンブルビーへ止めを刺さんとした瞬間、今までラジオ音声で会話していたビーが遂に"自身の声"で「司令官オプティマス」へと語りかける。
仲間の言葉によって遂に洗脳が解けたオプティマス。クインテッサとディセプティコンによる地球のエネルギーを利用したサイバトロン星の再生が始まる。TRFがサイバトロン戦士を見捨て作戦を中止、核攻撃を検討する中でオプティマス達とケイド・ビビアンはメガトロンやクインテッサを撃退、地球崩壊の危機は免れた。
エンドロール後、世界各地に現れた6つの巨大な「ツノ」の元に現れる謎の女性、彼女はツノの正体である「ユニクロン」を利用し何かを企んでいる。そしてツノを調べている男に語りかける彼女の声は明らかに「クインテッサ星人」のものであった…。
だいたいこんな感じ。なんか色々と抜けているけど既に鑑賞済の方には伝わるはず。
実際の所、今回の最後の騎士王において僕が思う「最も不要な設定」は
であって、上映開始から15分程続く昔々の西洋のお話に「おいおい、こっちはメカを見に来てるんであって、甲冑で殴り合う髭のおっさんは引っ込んでてくれよ」といった気分に。
主人公ケイドとビビアンがストーリーの主軸に大きく絡む内容となっており、特にメガトロン達ディセプティコンの扱いは雑だ。ロストエイジではガルバトロンは人間に利用され、今回の映画ではメガトロンはクインテッサに利用され…と最早何かの番犬のようでも有り破壊大帝としての面影はほぼない。
*メガトロンの顔にもネメシスプライムみたいな赤い痣(?)が入ってましたよね?昨今のメガ様がほとんど御用聞きで辛い。
またオートボットの面々も然りでドリフト(お侍)やクロスヘアーズ(緑の人)はコメディパートくらいしか見せ場がない。然しながら今回は「コグマン」と「スクウィークス」のわりとキワモノ感溢れるお二人が大活躍。
そういった意味ではディセプティコン側がマジで噛ませで特にオンスロート(ディセップのほうの緑の人)、彼はアニメではコンバットロンという部隊のリーダーであり、実写版においても一応参謀に当たるポジション(てい言われてた気が)だったと言うのにちょっと扱いが雑だった。
最後の騎士王は海外では数か月前から上映されており、日本公開前から既に様々なメディアにおいて低めのスコアを叩き出していた。また日本における有名映画レビューサイト「超映画批評」においても公開直後に30点という中々絶妙な低得点を叩きつけられておりレビューにおいても「オプティマスは間抜けなのか?」、「おんなじような内容ばかりで幼児向け・あるいは幼児のような大人向け、8歳以下推奨のレーティングを…」と結構ボロクソにこき下ろされている。
が、個人的には
そうですね、オプティマスは間抜けですね!
といった感じで、あの人は本当によく崖から落ちたり騙されたりする間抜けなので仕方がないと思う。それよりもオプティマスの真髄はそういったお間抜け連発のドジっ子だというのに一切心が折れる気配がない鋼のメンタルにある、完全に余談だが。
内容も相変わらずの
「ガッシャーン!ロボットだらけの旗取り合戦!数人の人間もかつやくするよ!」
なのだけど、トランスフォーマーってだいたいそんな感じだし、それも仕方がないと思う。ロボットが毎回30分旗取り合戦してるのをアニメにしたら世界的にヒットしたのが、そもそもの始まりだし。これまでの映画も全てはロボット旗取りバトルだし。僕はそこに革新性は求めていないかなぁ。
*ただ、ロストエイジからの方向転換にて続き物のノリが色濃くなってしまった以上、このノリを続けなければいけないのは少し残念な部分。仕切り直しからしてミスってる感じはあります。
巨大ロボット(しかもこのロボットは乗り物に変身できちゃうんです!)の母星が宇宙人の手によって地球に接近して、どう見ても非力な人間たちと手を取り合って世界を救えー!っていう、もう全てがあからさまに馬鹿丸出しなお祭り映画に高尚なストーリーや展開を求めるのは、少しばかり滑稽さを感じないだろうか。
うまい棒を三ツ星のパティシエがこれは愚にもつかないヒドいお菓子だ!って偉そうに言ったところで、そうです、それが駄菓子というものなんです。としか言いようがない。詰まりに詰まった脳みそのウェイトを落とし馬鹿になって、口の周りうまい棒の粉々まみれで「うまい棒うめぇwww」って楽しむ、そんな映画かと。
そういった意味で僕は個人的に今回の映画はわりとしっかり楽しめた。何よりネメシスプライム(悪のオプティマス)の登場と、これまでさんざん出し渋っていたバンブルの本当の声の解禁、更にこのプレミアムな二人のバトルだけでも確実に見る価値はあるかと。
*これはファミ通で言うところの「ファンなら買い」的なアプローチです。
更に言えば、この映画で初めてトランスフォーマーを見て、あるいはこれまで実写を見てきて。今回の最後の騎士王で活躍していたキャラの誰かを好きになって、そのおもちゃを買ってみたりして、ブンドド、ドカーン!と遊んでみて。原作とかアニメ作品が気になり始めてアニメをレンタルしてみたりして…って感じで、映画がきっかけでもっとトランスフォーマーのファンが増えてくれればいいなぁと思います。
そうすればおもちゃいっぱい出て飯がうまい。
しかしながら!だ。もう人間は本当にお腹いっぱいなんです!という不満はやはり回を増す毎に増えている。トランスフォーマーアメコミにおいても「もう人間いらねぇから!」というファンの声で「ストームブリンガー」というロボットしか出ない漫画が描かれたので、実写もそうなればいいねって思いました。
甲冑で殴り合う人たちの話とかムキムキと美人がアツいキッスをする時間とかを省いてもっとロボットが戦えばいい、が個人的な感想です。
でもアンソニー・ホプキンスのキチっぷりはとても良かった。
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