雑記 映画『デッドプール』を見てきたので知りうる全てを纏めてみた
雑記
*もう全部ネタバレです、デッドプール見てから読んで下さい。15歳以下のおともだちは15歳になったらTSUTAYAで借りたり買ったりしてから読んで下さい。
デッドプール見てきた
昨今超話題になっているアメコミ実写化映画のデッドプールを遂に見てきた。というのも、今年の2月頃にアメリカに行った際に既に上映となっていたデッドプールを見ようか見まいか悩み「スラングまみれの映画を僕のなんちゃって英語能力で”なんとなくわかったつもりで終わる初視聴”はマジ勿体無いから我慢して待つ!」と見送った過去があり遂にそのデッドプールを見ることが出来たわけだ。
*LAで見かけたデッドプールのポスター達。これ以外にも街の看板やベンチやバスの広告等向こうも空前のデッドプール旋風が吹き荒れていた。左のチャイニーズ・シアターに飾ってあった肩車のポスターが好きだ。
前評判もめちゃくちゃ高く胸を高鳴らせて劇場へと向かい、始終ニコニコご満悦で鑑賞し帰路についた。上映時間も1時間半程度とコンパクトだが、良い意味でスケールの小さめなストーリーの展開が個人的にはとても心地よかった。アメコミヒーロー映画って基本的に世界征服だったり地球の崩壊だったり、大量の犠牲者が出るシチュエーションだったり、とにかくダイナミックじゃないとダメな感じあるじゃないですか?そうでないコンパクトな世界が許されるのもある意味ではデッドプールのなせる技なのではないかと帰り道に一人納得し帰路についた。いや、正直に言うとテンションが上がりすぎて奥さんに「あれはこーでね、これはあーでね」といった演説をかましたくて焼き肉に行った。デッドプールが良すぎて僕は焼き肉へ行ったのだ。両者の共通点は何か、どちらも(特定の層の)人のテンションを上げてくれるのだ。
僕はリアルなアメリカンコミックが潤沢で、それでいて接近していた時代に生まれていた
完全に余談なんだけどそうじゃなかった?って言いたくて。というのも僕が小学生の頃ってアメコミのアニメだったりがやたらと潤沢だったんです。いや今はネットの時代なので比べたら当時は微々たるものなんですが、それでもネットの存在しない時代にアメコミをリアルに楽しめたのはちょっとレアというか。
例えば1993年にはテレビ東京で「ティーンエイジミュータントニンジャタートルズ」をやっててこれはクラシックと呼ばれている旧テレビシリーズ、1994年からはこちらもテレ東で「X-MEN」が放送、1997年には「ビーストウォーズ超生命体トランスフォーマー」が放送されこれがフルCGアニメで「とにかくヤバイよね」と小学生時分に焼却炉の前で友達の高野くんと話していたのを覚えている。
これらはすべて海外で制作され日本に持ち込まれたアメコミのアニメ作品で、さらに言うと監督(音響)が全て岩浪美和さんだったりする。戦隊物と仮面ライダーとジャパニーズホビーアニメで構成されていた小学生の僕の脳みそに「アメリカンな世界観と色彩、あとやたらクドい顔のキャラとドロドロの人間ドラマ」を持ち込み襲来した黒船の提督ペリーは岩浪美和さんだったのだ。
さらに言うとその前後にてアメコミ・フィギュア界に大旋風を起こしアメコミを一格上のメジャーシーンに引き上げた(と僕が信じている)「SPAWN」が登場。日本ではアメコミとブリスターフィギュアの旋風が吹き荒れる。僕がマジ・アメコミ(漫画)を初めて買ったのがこのスポーン。これも1995~6年くらい?つまり1996年前後の日本は異常にアメコミが潤沢な時代であった。同じ世代の諸君には同意頂けると思う。そんなアメコミに接近しながら育っていった世代の僕が前述のX-MEN経由でデッドプールに辿り着くにはそう時間はかからなかった。
デットプールを見てきたので知りうる全てを纏めてみた
アメコミ最大の魅力って出版社内でのクロスオーヴァーだったりするじゃないですか?アベンジャーズなんかは最たる例で、日本で言えばルフィーがナルトと一緒に戦ったりするレベルの事が日常的に起きている部分というか。あとは超適当な設定。死んでたり生きてたり、恋人が違ったりその恋人が生きてたり死んでたり、とにかくもうグッチャグチャ。そういった部分もアメリカンでこっちのほうがおもしれ~じゃねーかHAHAHA!な空気感というか。
そういったメチャクチャな部分も能力である「第4の壁の突破」にておちょくるデッドプールをうちの奥さんと鑑賞。銃をぶっ放したり爆発したり首が飛んだりする映画をあまり見ない我が家の奥さんから「アレはなに?(どういう意味?)」と聞かれた部分が多く「これ元ネタ知ってたほうがもっと楽しめるんじゃないの?」と思ったので知ってるやつを全部まとめてみました。
*そんなの知ってるよってヤツもひっくるめてます。
登場人物
- コロッサス
劇中で出てくる銀ピカマッチョのコロッサスはX-MENに登場する。劇中の活躍の通りの怪力で心優しい人気キャラクター。実写化された「X-MENファイナルディシジョンにも登場している。
- ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド
全く聞いたことがなかったキャラクター。若手ミュータントとして登場していたらしいのだけどかなりのモブで能力も「予知」だった様子。
能力的には「キャノンボール」っぽいよね、と思っていたら制作費の都合上CGキャラが使えずに、ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドの名前の響きだけで採用しキャノンボールの能力を彼女に与えた様子。だけど、メチャクチャ可愛かったしスーツも似合ってたよね。
*キャノンボールは名前の通り体にエネルギーを纏い高速で突進できる能力を持つ。劇中、ウォーヘッドがぎこちなくエネルギーを溜めるシーンが個人的に凄く好き。
小ネタ系
- 緑のスーツもCG合成も嫌だ。
主演であるライアン・レイノルズが主役を務めたアメコミ映画「グリーンランタン」のパロディ。本国ではかなり認知度も高く人気な部類のヒーローだが映画が大ゴケした。
- 最後に登場するワードの「ケーブル」
うちの奥さんは「ケーブル?線の?」って思ってたそうなだけど、これもX-MENに登場する超人気キャラクター。やたらとデッドプールと仲が良いことで有名。未来から来た謎の戦士だが実際はX-MENに登場するサイクロップスとジーン・グレイの息子でサイキック能力に長けている。
- 一瞬映る気持ちの悪いフィギュア
実はライアン・レイノルズは既にデッドプールを演じている過去がある。ウルヴァリン:X-MEN ZEROで登場したデッドプールはあまりにも原作からかけ離れた姿で多くのファンを大変失望させた。そんな姿の「デッドプール」のフィギュアが劇中に登場している。
- 恵まれし子らの学園
コロッサスとウォーヘッドがテレビを見ていたりする場所はX-MENに登場するミュータントを集めた学校兼本拠地。ウルヴァリンもサイクロップスもここにいたりする。キチンと実写X-MENと同様の建物を使っており個人的にはあまりシリアスではない恵まれし子らの学園のオフショット的な場面がみれたような気分でほくほくした。ちなみにここから飛び立つ飛行機も実際にX-MENに登場するやつです。
- ブレイド2でも見るの?
ヴァンパイアハンターと吸血鬼の戦いを描いたマーベルのコミック。実写化が3本なされてて、ライアン・レイノルズは3に出てる。
- 二人しかいない
前述の恵まれし子らの学園だがコロッサスとウォーヘッドの二人しかいない。完全に制作費の都合だがこれもなんだか面白い光景でそれすらもギャグがかって見えるのがまたいい。あれ?デッドプールになんで二人しかいねーんだ?制作費の都合か?って突っ込まれてたっけ?
- スーパーヒーロー着地
アイアンマンなどが行う3点着地。以前オレカのライシーヤが3点着地=スーパーヒーロー着地をしているとネタにしたが、それです。
ライシーヤのイラチェンかっこいい!ポーズがアメコミヒーローとかの三点着地みたいだとずっと思ってたんだけどこれ召喚のポーズか!ずっとアイアンマンかよ!って感じで誤解してた。 pic.twitter.com/JFmIyDyqAG
- 90年台後半のリンプみたいなクズ
リンプはリンプ・ビズキットというバンド。90年台後半RAGE AGAINST THE MACHINEやKORNが開拓したラップ+メタルの音楽を独自にポップ音楽に昇華したが、コアな音楽ファンとミュージシャンからボロカスにこき下ろされた。僕は1stは良かったと思います。

- アーティスト: Limp Bizkit
- 出版社/メーカー: Interscope Records
- 発売日: 1997/07/01
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
デッドプールがウォーヘッドをリプリーと呼んでますが、エイリアン3にて坊主姿を披露し話題となったシガニー・ウィーバーが演じたリプリーの事。シガニー・ウィーバーもウォーヘッドのブリアナ・ヒルデブランドも坊主がキマってる。
- エグゼヴィア教授に会え
コロッサスがデッドプールをX-MENに勧誘する際に「エグゼヴィア教授に会え」と説いている。それに対して「スチュワート?マカヴォイ?時系列が混乱して~云々」とデッドプールが返答しているが、これはX-MENの指導者であるプロフェッサーXの年老いたエグゼヴィア時代と若いエグゼヴィア時代を演じた俳優の名前。おもいっきりメタ発言。
- ボルトロンの指輪
劇中、デットプールのウェイドとヴァネッサを繋ぐゲームセンターの景品「ボルトロンの指輪」。ボルトロンは日本で制作されたロボットアニメ「百獣王ゴライオン」のアメリカでの名前。あの指輪、普通に欲しい。
*サンタモニカのゲーセンのチケット
余談ですが海外のゲーセンはゲームで獲得したポイントがチケットにて払いだされ、そのチケットを景品と交換するのが主流です。海外に行ったら必ずと言っていいほどゲームセンターへと立ち寄るのだけど、これまでほとんどがこのシステムでした。
「夢でリーアム・ニーソンが追いかけて来て」的な発言ですが、元CIA所属諜報員の父親が娘を誘拐されてそれを一人きりで96時間以内(生存確率が高い時間内)に助けに行く「96時間」という映画があります。これは同じお下劣映画の「テッド」でも「リーアム・ニーソンは人間凶器」等とイジられており、たしかテッド2には本人が登場。何故こんなにイジられるかというと、これが「96時間」とヒットし2、3と続編が出てしまい、結果的に元CIA諜報員なのに娘を1度とは言わず3度も誘拐されているちょっとアホな部分。
*最強のリーアム・ニーソンがマフィアを追っかけまわしたりしていて、基本的には楽しんで見れます。僕は楽しかった。
ちなみにリーアム・ニーソンはスター・ウォーズのEP1~3にてクワイ=ガン・ジンを演じており、僕はこのジェダイがわりと好きです。
と、自分が気づいて今記憶にはっきりと残っているのはこんなところだ。
ライアン・レイノルズの映画
この映画にてデッドプール=ライアン・レイノルズという図式が完全に出来上がってしまうぐらいにライアン・レイノルズのやる気が半端じゃない。グリーンランタンのライアンよりも活き活きとしており、彼こそがデッドプールだ!と応援したくなるような鑑賞後の胸の高鳴り。既にX-MENにて史上最低のデッドプールを演じファンからボコボコに叩かれているであろうライアン・レイノルズがここまでデッドプールを大事にしてくれるとは…と、親しみを感じずにはいられない作品となっている。
映画の出来は口出しできるような部分がないほどにタイト。あえていうなら適役のフランシスが「無痛神経」というちょっとショボい能力だという部分だが、原作では彼は超パワー・スピードと敵の動きを未来予測できる最強のサイボーグとして帰ってきたりするので良しとしよう。まだ一作目なのだ、(続きがマジにあるとしたら)このくらいのスケールで十分じゃないか。
また、最後になるが個人的にこの映画で評判が上がりまくってるライアン・レイノルズ以上にヒットしていたのがブリアナ・ヒルデブランド。ネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッドというはっきりと存在しない役柄を映画初主演であそこまで逞しくキュートに演じたのは凄いと思った。
書いてたらまた見たくなってきたので今度は吹き替えで見てみようかな。また気付いたら追記します。おしまい。