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ヒーローバンク・アーケード:稼働終了 蘇れヒーローバンクアーケード タイトーステーション祖師ヶ谷大蔵店に行ってきた話

ヒーローバンク・アーケード『稼働終了』より

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まだ3ヶ月しか経っていなかった

6月末に開催された非公式対戦会から早3ヶ月。このブログを今まさに書きながら「ま、まだ三ヶ月しか経っていないのか…!?」とビビりまくっている。あまりにも内容が濃すぎて遥か昔のように感じている、ヒーローバンクにて体験した内容はヒーローバンクの内容・キャラクターに勝るとも劣らない濃さであって、その記憶の輝きが自然と精神を加速させ錯覚させる。

遂に都内最後の砦とされる「タイトーステーション祖師ヶ谷大蔵店」のヒーローバンクアーケードが9月28日をもって稼働を終了するそうだ。対戦会から7/1の公式可動終了告知、その後ファイトレーダーの方から報告を頂いた稼動店舗にて遊び尽くし、実際には8月初旬頃までヒーローバンクをプレイしていたので実質一月半の空白程だろうか。

さんざん楽しませて頂いたSEGAの傑作ヒーローバンクアーケードの本当の最後だ。SEGAの真髄である早すぎた奇作。蘇れヒーローバンク・アーケード、そんな訳でプレイしてきた。

 

蘇れヒーローバンク・アーケード

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最後となるヒーローバンクアーケードプレイ。色々なライバルとの対戦を考えたのだが、最終的に挑んだのはマネーゴーストのザ・ダーク・オブ・マネー(アニメミッションのラストミッションの闇マネー)だ。

ヒーローバンクアーケードを考えた時にパッと思い浮かんだ事は、特に後半・チャプター3以降に色濃く感じた「立ちはだかるあまりにも高すぎる壁への挑戦」であり、であれば闇マネーを無視する訳にはいかない。

結果は複数回の挑戦にて全て惨敗。闇のヒーロー着のイカれた強さをすっかりと忘れてしまったぬるま湯じゃぶじゃぶの僕は、何度か撃破したにも関わらず勝利を奪い取ることは出来なかった。まるで数ヶ月前のアニメミッション公開時に味わった恐怖と大敗。だが、これでいい。ザ・ダーク・オブ・マネーはこうして稼働終了後も色褪せることのない強さを放ち、データの中に存在し続ける。これでいいと思う。

 

Youtube:ヒーローバンク・アーケード

頓挫し続けていたヒーローバンク・アーケードのプレイ動画アップ。画面直撮影・環境音バリバリの中での録音の為に見づらい内容となっており申し訳ないのだが、記録として残しておきたかった。

というのも、度々比較することの多いセガのゲッテンカ、このキッズアーケードゲームには公式からのYoutube攻略動画がアップされておりその記録は今もアーカイブされWEBにデータが存在する。メインテーマとしての金と、その裏に「存在としてのデータ」を取り扱っているように感じているヒーローバンク。しかし、ヒーローバンク・アーケードにはその”存在した証拠”であるデータが不足しているように感じた。だからこそ、アップがしたかった。

VSアンダーバンクゴースト 勝堀区マップ 真のエンディング

*一部暗転時に完全に気分を害してしまう可能性のあるおじさんの映り込みが合ったためモザイクを掛けさせて頂いた。

何か一つ撮ろうと考えた時に直ぐに思い浮かんだアンダーバンクゴーストとの対戦と真のエンディング。ヒーローバンク・アーケードの中でも異彩を放つ巨大な敵と見下ろすような視点だが、あえてこちらを選ばせて頂いた。

 

ニッコリ0円

これまで公式稼働終了告知、全国的な撤去、その後稼働している店舗への巡礼の旅と幾度とない「これが最後かも知れない」を体験してきたのだが、今回ばかりは本当に最後だ。9月28日を以ってほぼ確実に全国から筐体が姿を消す。

最後のプレイ、ここまで入れ込んできたゲームなので湿っぽくなってしまうかと思ったが、他のファイトレーダーさんと話し、ゲームで悔しがり、気付けば笑顔で帰路についていた。

そもそも、公式稼働終了告知後2ヶ月半。一部ではカードの在庫が切れプレイが出来ないほどに大盛況となったムシキングへとコンバートされるはずだったヒーローバンクはそんな状況から2ヶ月半も延命されたのだ。

行動力を持った沢山のファンの方たちと、それに応えてくれる公式、そしてそんなファンと公式の気持を受け止めてくれるセガタイトーの ゲームセンター。ファンと作り手とお店がここまで連携して作品を愛した。

 

 

これに対して湿っぽくなる要素が一切ないのだ。稼働状況と激化していくミッションのレベルー常に危機的状況にある中で、常に温かい愛に、いや燃え盛る炎のようなアツさの愛に包まれている。ここに一瞬でもテンションを落とす隙は無い。常に負けられない戦いがあり、必死で、本気で悔しくがり、そして最後はいつも笑顔だった。ヒーローバンクらしい終焉だ。ありがとう、ヒーローバンク・アーケード。それ以外の言葉は見つからない。

 

フューチャー・ヒーローバンクで待ってます

セガはいつだってそうだ。ゲームが努力を忘れている時代にファミコン時代を感じさせる死にゲー・覚えゲーっぷりの超高難易度のゲーム性を追求し、イケメン達が闊歩するキャラクターの時勢の中でリーゼントにそそり立つ赤眉毛の熱血少年を主人公に配する。ドリームキャストを思い出して欲しい、いつだって早過ぎて、真価を理解されないままに時代に謎の爪痕を残していく。

少年たちが多額の借金を背負い、返済のためにヒーロー着という実直すぎるスーツを身にまとい、電脳世界のリングロープの中で1発100万のパンチを繰り出すプロレスバトルを展開する。

*アニメ版では敗北後全裸になる(=身ぐるみを剥がされる)

つまり、早すぎる、この内容、明らかに時代を先取りしすぎている。その早すぎる異端と奇作の爪痕こそがヒーローバンクだと思っている。

しかし、その時代への逆行は「速攻撤去」という大方の予想を裏切り、そしてファンの行動力がヒーローバンクACに関わる多くの人の心を揺さぶり、期待の新作へのコンバートを2ヶ月半も食い止めた。

この状況に対して小一時間ブログをこねくりまわして見たのだけど、うまい言葉が見つからない。ただ、ヒーローバンクが纏うこの熱さには、ダラダラとヒロバン3~4と錆びついていく惰性よりも、その熱さを持ってして燃え尽きるほうが似合うように感じている。目がくらむような意味不明さをはらむ”一瞬の閃光”だ。その輝き方はあまりにも特殊で歪過ぎて大半に理解されることはなかった。が、時代に謎の爪痕を残し、確実に人の心を動かす力を持っていた。

 

これまでヒーローバンクの記事を閲覧頂き、沢山の反応を頂きありがとうございました。筐体が存在しないので、恐らく10年ほどこのコンテンツの記事は止まるかと思います。が、10年後にフューチャーヒーローバンク・アーケードで再始動するはずなのでその時はまた変わらぬご愛顧をよろしくお願い致します。何卒、このとぉーり!

 

おわり

 

ヒーローバンク2

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ヒーローバンク オフィシャルカードホルダーM

ヒーローバンク オフィシャルカードホルダーM