くるめろとは違う

くるめろと貴様は関係ない。

トランスフォーマー:KINGDOM War for Cybertron メガトロン(ビーストメガトロン)

トランスフォーマー『KINGDOM War for Cybertron』より

 

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こんなもん作って、この後どうする(結構マジで)

正気かーッ!

どうもこんにちは、私です。今回はヤバいんです。

こんなもん作っといて、この後どうするつもりなんだ。なんなら2021年まだ始まったばかりなのに、規格外のレベチが現れてしまった。そんな色んな意味での問題作。無駄話は後にして、WFCキングダムライン、リーダークラスメガトロンなんです。

 

KINGDOM:Wave1 リーダークラス メガトロン(a.k.a ビーストメガトロン)

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キングダムライン初のリーダークラスとなるメガトロン。同Wave1のリーダークラスは他にパッケージ替えオプティマスプライムのみとなり、また、既に判明しているWave2のウルトラマグナスもシージのマグナスをよりG1ルックに近づけたリデコとなっているため、現状キングダム内唯一のオリジナルリーダークラスとなっている。

 

 

そんな唯一のリーダークラス、ビーストメガトロンだが、発表当初より「写真からして明らかにヤバそう」と度々話題となっており、自ずと期待値も上がりがちに。我々は往々にして写真段階で、なんならサフ吹きの状態の写真でこれは〇〇の決定版だ!!と自ら商品へのハードルを上げがちな訳で。

※主にAコンボイさんとか。

しかしながら、オフィシャルの写真等には幾らかの違和感もあり、特に誰もが気になっていたのは顔や胸周りの色味ではないだろうか。

 

ハズブロは恐らく正気ではない

そんな諸々の物議を醸していたビーストメガトロンを実際に手にした感想だが、2021年1月にして明らかに2021ベストTF1位を予見させる超傑作なんなら今後の新作への評価レベルのスケールを破壊してしまう大怪作であった

正気か、ハズブロこんなもの手に取ってしまったら、今後並大抵のTFじゃあ満足できない体になっちまうじゃないか。

 

ビーストメガトロン ロボットモード

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まず多くの方が気にしている前述の色味に関して。特にタカラトミーのオフィシャル写真では顔や胸元、腰回りのパーツが真っ赤っかで、我々に異様なプレッシャーを与えていたわけだが。実際に手に取った感想としては若干赤めだけど余裕で紫、と言った具合。確かに実際の劇中映像ではこんなに濃くなかったのだが、それでも許容レベルの濃さとなっている。

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背面のビーストのガワはMPとまでは行かないが、ちょうどいい感じの玩具的なバランスでまとめ上げられている。一部のパーツが干渉し手の振り抜きに若干の影響はあるが、チーターのように「振り抜けない」と言った干渉はない。

 

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また、可動云々の前に言及して置かなければならない「なんなら今後の新作TFへの評価レベルのスケールを破壊してしまう~」云々の部分。

今回のメガトロン、ビーストモード時に恐竜として露出する部分は基本PVCにて整形されており、特に肩や背中に折りたたまれたガワなどは基本の骨組みをプラで整形し、その下地の骨格の上にPVCを張り合わせている、と言うとんでもない構造になっているのだ。※写真で言うと肩やペンチ辺りがわかりやすく見えている

これまで一部のパーツを軟質で表現…等はいくらでも見てきたが、ここまでの仕様はビースト史上というか、TF史上初ではないだろうか。

 

おかげでビーストモード時やロボットの際に露出する恐竜の名残部分は、まるで爬虫類のようなヌメりを感じるルックスとなっており、後述となるがこのビーストメガトロン、とにかくビーストモード時の姿も尋常じゃないのだ。

 

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オエー!ティラノサウルスのヘッドにはエフェクトパーツの取り付けもできる。

可動やスタイル以前のストロングポイントが強すぎて、当たり前の話になかなかたどり着けていないのだが、可動に関しても潤沢。

しかしながら足の付根が軸可動であったり、そもそもティラノサウルスのヘッドが付いている腕の可動はヘッド部分が干渉し限定的であったりと、ライバルとなるオプティマスプライマルと比べると可動そのものは若干癖のあるものになっている。

ただそんなユニークな一つ一つの可動がしっかりと考えられた上で調整されているというべきか、実際に手にとってみると、通常であれば物足りなさを感じるべきウィークポイントとしての可動不足をあまり感じないように上手く"ごまかされている"ような印象。

 

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特に面白いのは肩周りの可動で、ティラノサウルスヘッドの付いている右肩はビーストモード時の可動に大きく影響を受け、前後のスイングが可能になっていたりする点。対して尻尾側の肩にはこの機構はついておらず、可動範囲がアシンメトリーという変則的な仕上がりになっている。

ビーストメガトロンのティラノヘッドのついた右腕はその独特な形状・構造から旧玩具、MP版など共通して取り回しの悪さが目立っていたため、その制約が多い構造へビーストモードの恩恵としての可動をプラスワンするこの発想は、製作者のセンスの光る英断だ。どうかしているぜ。

またパッと見でいかにも取り外しが出来そうなペンチは腕と一体となり、MPのように取り外しは出来ない

 

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足回りは前述の通り足の付根が軸可動となっており、太ももを付け根で縦軸に回転させるようなアクションは不可となっている。膝の可動は90度までとなっており立膝は難しい。しかしながら膝に組み込まれたロールなどで一通りのポージングは可能。

また、オプティマスプライマルには皆無であった肉抜きの穴が内もも等にいくらか復活しているのは少し残念なところ。

 

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かかと部分が引き出し式でビーストとロボで形状を変えていた当時品と違い、キングダム版の踵は恐竜時のものをそのまま利用しているが、足首は前後はもちろん、WFC玩具標準装備となる左右のスイングのおかげでそれでも高い接地性を保持している。

特に前述の通り、このメガトロンは全身をプラよりも重いPVCでフルコーティングされているため持った瞬間にズシリとくる重みがあるのだが、そんな重量を問題なく支えている。これはそもそもの素材であるPVCのグリップ感も影響を与えているかもしれない。

 

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オプティマスプライマルと。

首は変形時の構造により見上げ・見下ろしが可能。また、これは単純にティラノサウルスのスタイル状なのだが、いい感じに膝下がカーブしており、ただ立たせているだけで自然とS字立ちのようなかなりヒロイックな印象が生まれる。

 

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全身プラのプライマルなど軽いもんだぜ!ということで、オプティマスを担がせても余裕で自立するくらいには足回りはしっかりとしている。因みに以降でも触れるが、この接地性はビースト時も同様でティラノサウルスメガちゃんにゴリラをウホウホとまとわりつかせて乗せてみたが、ぶっ倒れることなく立てた。

 

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ペンチ部分は尻尾に配備された軸によって若干の可動有り。

前回ポストのオプティマスプライマルも大概エグかったが、今回のメガトロンも取り回しやすく、やはりMP版とは違う廉価版としての役割を十二分に理解している。とにかく「遊べる玩具的アプローチ」を保った中でのハイグレード感が溢れ出ている。

 

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「ウルトラクラス」と謳われていた当時品のメガトロンと。

オプティマスプライマルと違いこちらは当時品と同寸となっており、これによって凄まじい進化がとてもわかり易い形で体感できる。とはいえ、度々言及しているのだけど、当時品のビーストはルックスやギミックの最適解であり、玩具としての一つの完成形だと信じている。

ビーストメガトロンの当時品ブログはこちら。

cruelmelody.hatenablog.com

 

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スターピース版と並べると流石に各部の荒さは目立つが、何よりMP版にすら無かった爬虫類的なヌメりの表現というブレイクスルーと、玩具的なディフォルメという点で、全く別軸のカッコよさを遺憾無く発揮している。

 

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 マスターピース版のオプティマスプライマルとはサイズ感が近く、実際のサイズスケールで言うと嘘になるのだけど、並ばせた際の収まりは非常にいい。MP版メガトロン同様に流石にマスターピースと並ばせるとキングダム版のメガトロンはやや見劣りがするのだが、それでもあまり違和感が無いことに今回のメガトロンへの気合の入りようがよく分かる。

 

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キングダムビーストラインと並べるとこんな感じに。

WFCラインはスケール感の統一を一つのコンセプトに掲げているのだが、ビーストウォーズのバイオに記載された身長の設定や劇中でのサイズ感はかなりラフな仕上がりとなっており、オプティマスプライマルとビーストメガトロンの身長はどちらも「2.8m」となっていたりと割とハチャメチャである。

タカラトミー トランスフォーマー キングダムシリーズ KD-03 チーター

タカラトミー トランスフォーマー キングダムシリーズ KD-03 チーター

  • 発売日: 2021/03/27
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

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だったらさっきのMP版プライマルとキングダム版ビーストメガトロンの体格差こそが、公式バイオの再現になるのでは!?と思うのだけど、そもそもオリジンのG1ですらサイズ設定はガバガバではないか。

つまりエヴァンゲリオンがさっきまではビルと同じ高さだったのに、次のシーンでは山を飛び越えるようなバカデカサイズになっていたりと、「そんときに一番"ばえる"サイズだったら、別に細かいことはいいじゃねーか」の精神であって、今回のメガトロンとプライマルのスケール感も僕は好きよ。

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明らかにマスターピース版との比率とも違うっぽいけど。

 

ウィークポイント

お馴染み、褒めてばっかりでどうするという訳で、今回のウィークポイントを幾つか。

まずはストロングポイントでもある全身のPVCコーティング。こればっかりは時間が立ってみないとわからないのだが、通常のプラと違った問題、特にベタつきなどを心配せざるを得ない質感となっており、これが直接的なウィークポイントになるかはさて置き、その他にもパーツの変形(トランスフォーム的な意味ではなく※テラライズ!だが、)つまり湾曲等、これ3~5年後も大丈夫なん?という潜在的な不安を感じさせる質感であることは間違いない。

また、前述の通りの全身プラと違い全身、特に背中に背負ったPVCガワの重さが半端ではなく、これに対して支える股関節の軸が結構なゆるさでプラプラとしており、ここは確実に調整が必要なレベル。

ここまでのハイクオリティな廉価モデルを実現し開封時のテンションときたらそれはもう脳みそが飛び散る程であったのだが、パッケージから剥がした瞬間に「あ…」と一気にフリーフォールするような残念感。この詰めの甘さはとにかく残念でしかない。

と、割と辛口である僕から見てもざっと思いつくのでこの程度。このキングダム版ビーストメガトロンはマジでインクレディブルな出来なのだ。


ビーストモード 

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完全に2021どうかしちゃっているオルトモード大賞を独走するビーストメガトロンのティラノザウルス・レックス形態。キングダムビースト勢のビーストモードは当時アニメの再現からは明確に逸脱し、よりリアルな「ビースト」への独自進化を果たしている事はこれまでのポストでもさんざん触れてきたのだが。

 

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今回のビーストメガトロンのビーストモードは狂気と呼べるレベルに近いほどのそれで、まず何より質感。ロボの時にはそれでも鳴りを潜めていた前述のPVCコーティングが全身へ展開し、引くレベルで恐竜へとテラライズしている。

 

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全身に入る分割線や接合部は生ビーストとしてのルックに大きく影響を与え、特に首周りはかなりファジーな仕上がりになっているものの、この形状は可動を優先したことによる物。

つまりこのメガトロンのビースト形態、ルックスはもちろんだが死ぬほど可動しまくるのだ。

 

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このようにルックはかなり曖昧な雰囲気であるものの、可動に関してはマスターピース版を凌駕する勢い。マスターピース版との決定的な違いは足回りで、可動にかなりの制約があったMP版から、今回のキングダム版は飛躍的に可動域が上昇している。

 

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その理由が腿パーツに仕込まれたこの半円のスライドパーツ。MP版では腿まわりはロボ時の象徴的な足の武器をそのまま採用していたのだが、キングダム版ではこの武装をコンパクトにし、腿と分割。これによって腿の可動域が爆裂的に向上し、ぐりぐりと足の上げ下げが可能になっているのだ。

スターピース版のビーストメガトロンのポストはこちら。

cruelmelody.hatenablog.com

 

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これによって、旧時代的な恐竜感とでも言うべきか、つまりゴジラのような頭部を極端に持ち上げた、今となっては前時代的な非常にオールドスクールな恐竜立ちも可能。

 

ゴリラと組み合わせると明らかにキングコング

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 オプティマスプライマルのゴリラとバトらせるとこんな感じに。前述の通りMP版と違い、各部の継ぎ目の甘さはあるものの可動は非常に潤沢で、MP版への廉価版としてのアンサーがエグい。ロボットで戦えるのは当然として、ビーストでもめちゃくちゃ遊べる。このビースト、とにかく遊べまくれるのだ。※それでいて楽しい

 

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ゴリラをまとわりつかせてもこの安定感。 

ゴリラとの組み合わせは「ゴリラVSティラノサウルス」の元ネタであるキングコングを想起できる生動物感であり、それでいて若干のオールドスクールなルックがキングコングのエッセンスを更に色濃くしている。

 

来てるのは来てるんですけどね

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以上、War for Cybertronトリロジーの最終章「キングダム」Wave1より、リーダークラスのメガトロン。

冒頭にも書いたのだけど、こんなもん作ってこの後どうするんだ?!正気か?!といったレベルのとんでもない傑作であり怪作。こんなに良いもの渡されたら、今後見る目がもっと厳しくなっちまうじゃねーかーーッ!とタカラトミーを呪いたくなるような、キングダムビースト勢はもちろんそれ以外の中でも確実に一番の熱量と勢いを体感できるハイカロリーな仕上がりとなっていた。

 

今回のビーストメガトロンにて、キングダムWave1のビースト勢はコンプリートとなり、一旦は一区切り。以降のWave2でも当時品から初の正式リメイクとなるエアレイザー(エアラザー)や、廉価版としての仕上がりが楽しみであるダイノボットなどが続々待機している。

キングダムラインのポスト一覧はこちらから。

KINGDOM:WFC カテゴリーの記事一覧 - くるめろとは違う

 

更に言うとキングダムのビーストじゃない方の皆さん、サイクロナスなどが手元には届いており、それに伴って組み合わせて遊ぼうと思っていたスタジオ86シリーズ(だっけ?)のロディマスやカップ等がDMか?というレベルで家に届きまくっている。

次回のポストは何にしようかしら? 

 

 

…まさかこのポストの後、半年も音信不通になるとは。

※実際にさもありなんですが、恐らく近いうちにまた!

 

おわり

 

 

トランスフォーマー:KINGDOM War for Cybertron オプティマスプライマル(ビーストコンボイ)vsパレオトレックス

トランスフォーマー『KINGDOM War for Cybertron』より

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我らの道

昨年末のキングダムライン到着で幾分ばたつき、更には年末に差し掛かりテレビチャンネル覇権争いにおいても「まさかオメーは年末、紅白やガキの使いを差し置いてトランスフォーマー見るとか言わねぇだろうなぁ」と云った圧も有り、ずっと見逃していた訳だが、年も開けた訳でようやく例のアレを見ることが出来た。そう、つまり、

 

マンダロリアンだ!

 

 いや、もちろんウォーフォーサイバトロン「アースライズ」も一気見したのだけど、その後に一気見したマンダロリアンシーズン2が、それはもう脳みそが飛び散る程の面白さで、はっきり言って年始の俺ときたら、そりゃあもう、マンダロリアンの事しか考えていなかったぜ。どうもこんにちは、This is くるーるめろでぃです。

何ならこれまでずっと抑えてきたスターウォーズ玩具欲を全開放するレベルで、全てを見終わったあとにそのまま各種アメトイオンラインストアをハシゴしまくりマンダロリアンのフィギュアをマジで買っちゃったくらいには、"遠い昔、はるか彼方の銀河系で"起こったスペース子連れ狼マカロニウエスタンの世界にもうどっぷりだったのだ。

あなたにも理解頂けるはず、つまり普段からいい年こいて玩具にうつつを抜かす私やあなたにとって、マンダロリアンシーズン2のドープな魅力を頭からぶっかけられてしまったら最後、消費行動から逃れられるわけがないのだ。これこそが「我らの道」

※アースライズもまずまず面白かったですよ。

 

KINGDOM:Wave1 ヴォイジャークラス オプティマスプライマル(a.k.a ビーストコンボイ)

初っ端から関係のないマンダロリアンの話が火を吹いているが、それでも海を越えゴリラや恐竜はやってくる。

今回は既にデラックスが到着していたWFCキングダムシリーズWave1の第二波となるヴォイジャークラス・オプティマスプライマルと、既に到着していたデラックスクラス・パレオトレックスのスプリット盤なんです。

 

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宣材やリーク画像から滲み出る良作感、約束された名作感漂うオプティマスプライマル。

既にラットルやチータスでも言及しているのだが、WFCキングダムライン・ビースト勢のビーストモードは、ロボモード/オルトモードともに当時品や原作を正当リメイクでブラッシュアップしていく、と言ったこれまでのWFCラインのコンセプトからは大きく逸れている。

これはボックスに描かれたビーストモードのイラストでも明らかに差別化され、今回のオプティマスプライマルで言えば、そのビーストの容姿は明確に

のネタ元であるキングコングを意識したものになっている。

この話はマジで長くなるのでアレなのだが、ざっくり言ってしまえば。

日本においてキングコングはあまりメジャーではないのだが、アメリカで言えばキングコングってゴジラレベルに国民的な"ビースト"であって、そんなキングコングが相対するのがティラノサウルスであり、ゴリラvsティラノサウルスの構図は基本中の基本のクラシックなのだ。※超ざっくり

 

 

日本で「リフォーマット」された正義のリーダーであるビーストコンボイがヒロイックなライオン(ライオコンボイ)になってしまうのは、いかにも日本的で誰もが想像しうる範囲内のことであるが、ハズブロの持つオプティマスプライマル像のオリジンには、そういった攻撃的な側面よりも知恵やスマートさ等の叡智を感じさせる必要であった。

そういった流れを汲み動物の中でも知恵の象徴であるゴリラになった。そんなハズブロサイドのオーダーは最早語り尽くされたことかと思うので、このような辺境のブログではあまり言及をする必要もないかと思う。

 

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コンボイがゴリラかよ、ダッセー!という気持ちも分からなくもないが、しかしながら当時は死に体、完全にスパークの輝きを失っていたトランスフォーマーへ、再度命を吹き込んだのは紛れもなくこのゴリラのオプティマスプライマルであり、更に1997年当時持っていたゴッドジンライを押入れへとしまい込みその存在すらも完全に忘れていたくるーるめろでぃ少年を再度トランスフォーマーの世界へと引きずり戻し、こんな風にいい年こいて玩具のブログを書くまでに至らせた原因もまた、ビーストウォーズという作品とこのゴリラのオプティマスプライマルという存在が全てである。

そんな私のすべての始まり、オプティマスプライマルのリメイクは当時の爆発的な推進力に負けず劣らずの間違いのない大傑作であった。

 

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言いたいことが多すぎて既に画像に対して文章が追いついていないのだが、プロポーションやスタイルは非の打ち所がなく、既に販売されているマスターピース版に対するアンサーとして廉価版の役割をしっかりと理解し十二分に発揮している。

トランスフォーマー マスターピース MP32 コンボイ (ビーストウォーズ)

トランスフォーマー マスターピース MP32 コンボイ (ビーストウォーズ)

  • 発売日: 2016/10/29
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

これまで発表当初のWFCアイテムで顕著だった肉抜き隠しor肉抜き無しの気合の入った設計は、しかしながら昨今のWFCアイテムでは少しばかりその異常とも呼べるこだわりを失いかけていた。今回のオプティマスプライマルはそんなWFC当初の熱量を感じる事ができる肉抜きの少なさである。

しかしながら、下腕内側にそれぞれ2箇所四角の穴が空いており、これがエコ()的なアプローチなのか、あるいは設計上どうしようもなかったものなのかは不明。

 

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※ロボマス版はにせウルトラマンや偽ライダーみたいな偽物感が半端ない

オプティマスプライマル自体、当時品の玩具の完成度が高すぎてその後もその形状をベースに何度もリカラー・リデコが行われた経緯もあり、後に登場したロボマス版のほうがカッコ悪いという驚異の逆転現象を起こすほどであった。

 

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オリジンとなる「ウルトラクラス」と比べるとボリュームは明らかにダウンはしているものの、モールドの情報量や各部造形の進化は凄まじく、今回のキングダム版がこれまでのロボマス版やPOTP版で上書きすることの出来なかった「新たなオプティマスプライマルのクラシック」として相応しいものである事を感じさせる。

 

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当時品から引き続きサイバーブレードが手持ち武器として付属。ショルダーキャノンはより原作に忠実になり、また腕のブラスターも押し出し式でしっかりと再現されている。

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可動面に関しても申し分がなく、以前チーターのポストで言及したような想定外のウィークポイントなども一切ない。唯一言及するのであればWFC玩具に標準されている足の横軸可動が限定的な部分。しかしながら、膝下に仕込まれたロールやこれまでERオプティマスにしか"与えられる"ことがなかった指の可動が装備されているなど、明らかに可動面は潤沢かつフレキシブルで突っ込みようの無い手厚い内容になっている。

 

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また当時品にて僕をうっとりさせてやまなかった足のシリンダーデザインもしっかりと再現し、このシリンダーがしっかりと可動と連動している点も非常に満足な点の一つ。

 

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更にビーストモード時のギミックにより膝は少し変わった構成での二重関節となっていて、膝立ちもしっかりと行うことができる。

 

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こちらもビースト時の可動として肩には両腕を前にせり出す事ができる軸の可動域もあり、こちらが通常のロボット時にも作用するため可動に関しては本当に申し分のないレベルである。

 

ウィークポイント

褒めちぎってばかりでどうする、という訳で、新時代のクラシック・プライマルだからこそ、気になった点を忖度なしにぶっ叩こうと思う。

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まず、何よりも目を引くのは胸部と頭部の間にポッカリと空いた穴。

ビースト=生である以上、車等の箱状のものから箱状のロボットに変形する上では生まれない生物的な曲線が多々発生し、思えばビーストウォーズはこういったファジーさやカーブとの戦いであったのかもしれない。

 結果としてビースト後期に向かうにつれて驚異的な動物の皮=ガワでロボットをくるんだようなガワフォーマー(海外ではshellformer)の乱発に向かっていくことにもなった。

話が極端に逸れたが、毎度ながら「この穴を覆う板が一枚あってくれれば…」と、なんとも残念な気持ちになる。

 

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また、もう一点は足回りの塗装剥がれ。上記の「穴」が顕在的なウィークポイントであるならば、購入後遊んでいく中で発生してくる潜在的な欠陥がこちら。

当時品やロボマス版は「白ベースの成型色へ黒の塗装」となっていた為全く問題はなかったのだが、今回のプライマルは黒のパーツへ白の塗装を行っており、これが股部分と擦れることで信じられない勢いで塗装がギャリギャリと剥がれていってしまう。

これは前回のPOTP版プライマルでも顕著だったのだが、写真を取るために数十分いじっただけでここまで剥がれてしまうというのは流石に致命的な欠陥。

せっかく、買ったばかりで出来もよくウキウキで遊んでいるファンのテンションをほんの数分で奈落の底へと叩き落とすような凡ミス。ここはもう少しどうにかならなかったのかと、本当に残念な気持ちでならない。

 

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これまで登場しているビースト戦士達と。

上記二点を除いて、このオプティマスプライマルのロボ形態の出来は当時のファンであればまず間違いなく大満足できる素晴らしい出来であり、ファンでなくともしっかりと歯ごたえを感じることのできる名作のはずだ。

 

ビーストモード

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冒頭に書いたとおり、ビーストモードは当時品の玩具や当時のアニメとは違った新たなベクトルのゴリラとなっている。

※新たなベクトルのゴリラ、というパワーワードよ。

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頭部は当時品にあった胸部へと移動する一体型ではなく、独立した顔面パーツが新たに付属しており、左右へのスイングや上下への移動も可能。また、太ももをしまい込むことで胴体へと足の一部を見立てる変形は当時品のままとなっているが、側面から見た体のカーブは明確に進化をしており、生の動物再現に対する熱量を感じることができる

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また、これまでMP版にも存在しなかったゴリラ時の前垂れの新造によって、四つ足時のロボの名残を隠すことに成功しており、これは二足歩行時も同様。MP版のように直立をさせた際にも変形の名残を上手いこと隠しカバーしている。

足の可動などを活用し立った際にも足が長くなりすぎないような工夫がなされており、やはりキングダムビースト勢のビーストモードへの力の入れようは異様だ。

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当時品のようなドラミングギミックはないが、二足歩行形態ではキングコングのような攻撃的なポージングがとても映える。当時品や比較的温厚な見た目のMP版と比べ、モールドの荒々しさも相まって最も攻撃的なゴリラモードと言えるかもしれない。

 

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ビーストモードとの比較。

これまでのブログに書いたように、今回のビーストはMP版が再現する「アニメ内のルックにそっくり」という範疇を飛び越えて、より「生」な野生のRAWパワーを感じさせるパワフルなルックスとなっており、ビーストモードで並べるだけでもこれまでの玩具との違いを楽しむことができる。

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 以上、オプティマスプライマル。

シージ/アースライズのオプティマスプライムスタースクリーム等を筆頭に今後リカラーが死ぬほど炸裂する事を予感させる新時代のクラシックであったのと同様に、今回のオプティマスプライマルもまた今後リカラー等が多発すること間違いのない…と、ここまで書いていて思ったのだけど、ビーストコンボイってクリアとバーニングverとユニバースverぐらいしか色展開していないという事を思い出した。

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あんまり市民権はないのだけど、ユニバース版の小豆色のプライマルは個人的に大好きなので出してくれ!あと、勝手に紫(シャッタードグラスcol)とか青(マグナスカラー)とか展開すればいいと思うよ。いや、マジで。

 

 

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KINGDOM:Wave1 デラックスクラス パレオトレックス

ここまで書いていて完全に忘れていたのだが、今回キングダムのメインギミックとなる「F.O.S.S.I.L. Technology」を搭載した初フォッシライザーとなるパレオトレックスとのスプリットで有ることを完全に忘れていた。という訳で5000文字を超えてはいるが、駆け抜けてパレオトレックスの話。

 

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キングダムにおけるバトルシステムのF.O.S.S.I.L. Technologyの詳細は以前のブログにて言及したが、言ってしまえば

これまでの組み換えロボを化石恐竜でやっちゃおうぜ、ビーストだし。

というなかなかに無理のある内容で、何とも言えない気持ちで"とりあえず"カートに叩き込んだことだけは覚えている。今回のパレオトレックスはティラノサウルスの骨格をベースにしたフォッシライザー戦士とのこと。

 

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おいおい、なかなかにクレイジーじゃねーかい、おい。

ロボット状態のルックスからして既に明らかに破綻しているし、それを隠そうとしないイカれっぷりがなんとも90年代玩具っぽい。アシンメトリー的な構造もなかなかに不気味だが、しかしながらこの非対称性はビースト当時品玩具のお家芸でも有り、また90年代のアメトイ・アクションフィギュアの定番でもあった訳で、グロテスク・アシンメトリー・ショッキングな見た目は非常に90年代的。ある意味ではビーストウォーズ的とも言えるのかもしれない。

 

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武器はフォッシル(化石)時の尻尾がソード的に1本。ヴァータブレイクの際にも言及したが、みつを的に言わせていただければ

 ビーストは

   とりあえずしっぽを「剣!」とか言ってもたせとけば

       武器としてせいりつしちまうんだなぁ

                  みつを

という訳で、困ったときは尻尾をもぎって持たせとけの精神。ヴァータブレイクで既にやっていることを、同じWave内で何食わぬ顔で踏襲し武器構造が丸かぶりと、かなり挑戦的な内容にヒヤヒヤしてくる。

 

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クリーピー

全体を通して可動は非常に曖昧で、接地性も非常に悪い。はっきり言ってデラックス価格に耐えうるような代物ではないのだが、、、しかしながらなんだろう、こういった面も含めフリークス的な不気味さがあり、驚くことにあまり出来の良くないパレオトレックス、個人的には結構気に入っている。

なんだろう、全くもって評価できないのだが、前述の象徴的なルックや、触れている際のとんでもないデタラメさは、しかしながら90年代アメトイエッセンス的な、90年代汁の分泌が尋常じゃなく、薄ぼんやりと「なんか好き」なのである。ヤバい、これはヤバいやつだ。

 

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因みにパレオトレックス内での組み換え遊びは出来ないのか?といじっていたところ、構造上の詰めも甘く、結果として組み上がった姿は結果腕が一本しか無かった。こういうフリークス感!

なんだろう、これはヤバいやつなんだよ。マジで。

 

化石モード

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ティラノサウルス形態へ。

この化石モードも大概ファジーなのだが、個人的にはこれはもう似ている(?)とか、良く出来ている…等と言った物差しで測ること自体が間違っていると感じており、僕がこのパレオトレックスを評価する物差しは「溢れ出る90年代感」の1本勝負。

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酷い出来だがぜんっぜん悪くはない!すげー90年代っぽい。100点満点の90年代的な詰めの甘さ。なんだろう、とりあえずスライム(玩具)ぶっかけたい!そういう気分。

これはそういったアラサー・アラフォー世代がノスタルジィに浸ってヒイヒイ言いながら楽しむものだと、断言したい。玩具としての正当なバリューはとても低いが、悪くはないのだ。

 

F.O.S.S.I.L. Technology

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さて、そんなパレオトレックスはF.O.S.S.I.L. Technologyによって11のパーツに分離し、組み合わせることでキングダム戦線における武器としての役目を果たすのだが。

 

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ドジャーン!

もう正直言って、このためだけに買っているんじゃなかろうか。

御存知の通り当時のオプティマスプライマルは正義のマクシマルズだというのに、ガイコツの意匠をあしらったチェーン(流石に紐だが)で振り回せるメイスを武器として持っており、今回のパレオトレックスの顔面はこのメイスずばりの見た目という訳で。

皆さんこのためだけ、つまりこの顔面をゴリラ司令官に持たせたいがためだけにパレオトレックスを買っているんじゃないでしょうかっていう。あこぎな商売だぜ。

 

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せっかくなので説明書に書いてあった大剣をもたせてみる。いや…悪くはない、悪くはないんだけど、確かにビースト戦士は古代地球で戦ってはいたけど…。しかしながら、そのバトルはビーム兵器主体で、ガチの石器時代宜しく骨や石でぶん殴り合っていたわけではないわけで。

 

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もうとにかく全体的にカオス。でも散々行ったとおり、このケイオスが完全にイカれていた90年代のクレイジー玩具感があって、うん、嫌いじゃない。たぶん。

 

以上、パレオトレックス。

散々書いたが本当に感触的に嫌いではない、何とも不思議な魅力のある玩具となっていた。正直言って定価での購入はおすすめできないが…と今いくらくらいなんだろうと調べたら、そうだった、国内はモール限定なのであった。

ファミ通などで何とも微妙な作品へのレコメンドの決まりゼリフ「ファンなら買い」が如く云うのであれば、個人的にこのパレオトレックスは「30~40代で80's~90's悪趣味トイやタートルズ等の方向性迷子フィギュア、序盤スポーンをリアルタイムで経験したなら買い」と言ったところだろうか。とにかく癖が強いとしか言いようがないが、ハマったら薄ぼんやりと楽しいはず。

 

Yesss...

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以上、長くなったのでもうこれ以上何も言うまい。次回はこいつに決まってんだろ!

 

終わり。