オレカバトル:雑記 オレカバトルが持つ神話性と貴種流離譚の話
オレカバトル雑記
オレカバトルの持つ神話性
どうもオレカバトラーの皆様、ご無沙汰しております。最近は遊べる店舗が減ってしまった事と娘がつかまり立ちをし始めたことにより「つかまり立ちの手すり役」を仰せつかり、なかなかプレイできる環境になく、最新の情報云々に関してはアグレッシブに活動している方へおまかせするとして、以前から書こう書こうと思っていたのに書けていなかった、オレカバトルの持つ神話性と貴種流離譚の話をポストしておかなければとペンを取った次第でござい。
オレカバトルの魅力はなにか?と言えば、当時版権モノ(仮面ライダーとか)が群雄割拠する中で完全オリジナルキャラ+原作の存在しないゲーム先行型(一部語弊あり)で切り込んでいき、実際にキッズアケゲー界で一世を風靡するに至った程のゲーム性だろう。
キャラクターのデザインセンスなども勿論だが、なによりそのゲーム性、特にこれまでの既製品カード排出の概念を破壊したゲーム内キャラ育成+その場でプリントアウトできるというブレイクスルー。
今や当然のように他キッズゲーも追随しているが、名もなきオリジナルゲームが並み居る有名キャラクター物のゲームを引きずり下ろし、信じられないほどの隆盛を迎えたのはやはりそのゲーム性に尽きるかと思う。
しかしながら、オレカバトルの持つ育成可能という機能面のみがオレカバトルをそこまで押し上げる推進力になったのか?と言われれば、それもまた若干の語弊があり、そんな最新テクノロジーを強力にバックアップするキャラクターやストーリーもまた、大きな魅力だと感じている。
特にオレカバトルの「プリンター内蔵」という強みに他社が追随していきプリント方式が当たり前になったなかで、今もなお稼働を続けファンを引っ張り続けている魅力はこのストーリー性に傾きつつあるとすら感じている。
では、なぜ漫画やアニメ等の原作を持たなかったオレカのストーリーがこうも魅力的なのだろうか。個人的に、オレカバトルの持つ魅力は非常にシンプルな「神話性」だと感じている。
そんな訳で、オレカバトルの神話性の話をするんですよ。
スターウォーズとの類似点
神話性の話の前に、以前からちょいちょい触れている、新旧1/5章のダンテのストーリーとスターウォーズとの類似点について説明しよう。
最近のキッズ諸君にはスターウォーズをまったく知らない層がいるとのことで、スターウォーズは一般教養、国語とか算数と同じくらいマストな物でみんな当然知ってるもんだと思っているおじさんは深い悲しみの中にいるよ。
話は逸れたが、以前も触れたようにオレカ1/5章のダンテとスターウォーズの主人公ルーク・スカイウォーカーを取り巻く環境というのは非常に類似点が多い。
例えばその出自。ダンテ・ルーク共に自身の父親、ダンテであれば魔王アズール、ルークはダース・ベイダーが巨悪として君臨しているが、そんな巨悪が自身の父だとは知らずに図らずとも父殺しへとストーリーは向かっていく。
ダンテにはポワン、ルークにはレイアという生き別れの妹がおり、両者とも母はなくなっている。また前述のように巨悪が父だという事実は知らず、父も死んだものだと考えており、天涯孤独。実際には強力な血筋の元に生まれた存在でありながら、その事実を知らずに成長を遂げている。
巨悪打倒に際し、ルークはゴロツキのハン・ソロやチューバッカ、R2-D2等のドロイドと行動をともにしているが、ダンテもその後魔王軍へ加わってしまうサエザーといったアウトローと行動をともにしており、さらにここはぽすか先生準拠となってしまうがフロウと関係性のあるロボ達との交流もある。
最終的に巨悪打倒=父殺しを果たし(SWにおいては父との和解と元凶殺し)、ダンテは魔海の神殿に帰還する。
また、スターウォーズが「なぜダース・ベイダーが誕生したのか?」に焦点を当てたプリクエル/前日譚であるエピソード1~3を後から公開したように、オレカでも「なぜアズールが魔王になったのか?」に焦点を当てた5章が新たに追加、父親であるアナキン・スカイウォーカーが妻であるアミダラと出会いダース・ベイダーへと堕ちていく流れ同様に、海賊アズールがメロウと出会い魔王へと堕ちていく話が展開される。
こちらは以前(2014年)作成したオレカバトルの魔海相関図。新5章更新前ということで、ダンテ・ポワンとアズールメロウの思念体との邂逅等は含まれていない。
詳しくは当時の記事で。
ここまで読んでいただければあなたも、細かい設定や動機は別として、ほとんど一致してるじゃねーか!か、あるいは、オレカのストーリーにケチつけるくるめろ○ね!のどちらかの認識を抱いているかと思う。
が、これに関して、僕はオレカのストーリーが有名SFの設定を丸パクリしている!と騒ぎたいわけではない。この類似性はスターウォーズ同様、単純にオレカのストーリーの設計が神話的構造に則った非常に良質なストーリー体系だから、と言うことに他ならない。
モノミス理論
世界各地、様々な時代に発祥し様々な形で伝承されてきた神話、これら神話には一種の基本的な構造が存在するのではないか?という仮説、Heroes and the Monomyth(英雄と輪廻)通称「モノミス理論」というものが存在する。
この理論を提唱するジョーゼフ・キャンベルは神話には3つのセクション、更にそれらを細分化させた8つのステージが存在するという説を唱えており、
大きな3つのセクションとして、
- 1.出発(あるいは別離)
- 2.通過儀礼(イニシエーション)
- 3.元の世界への帰還
細分化8つのステージを大まかに説明すると
- 1.天命 ー主人公が旅に出るためのきっかけと出会う
- 2.旅の始まり ー旅立ちへの障害と葛藤
- 3.境界線 ー日常/非日常の境界線に突き当たり試練を超えることで非日常へと突入する
- 4.メンター ー非日常の世界での師との出会いと新たな経験
- 5.悪魔 ー最大の試練(強力な敵)と絶体絶命
- 6.変容 ー最大の試練を乗り越え、英雄へと成長
- 7.課題完了 ーこれまでの旅路の"意味"を知る
- 8.故郷への帰還 ー英雄として元の世界へと帰還する
となる。
数多くの神話がこちらにあてはまり、前述のスターウォーズは完全にこの神話体系とも言える。マトリックスやロード・オブ・ザ・リングもこちらの流れを汲んでいるとされている。
ジョーゼフ・キャンベルの著書「千の顔を持つ英雄」にはこういった神話の基本構造が記されているのでぜひ読むべきだ。ジョージ・ルーカスの愛読書としても有名。
千の顔をもつ英雄〔新訳版〕上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
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貴種流離譚とは
しかしながら、上記神話体系で見るとスターウォーズやオレカ1/5章に足りないものがないだろうか?上記8ステージを踏襲しつつもそこに「そこはかとない生まれの不幸」等、、これらもまた基本的な神話の構造として多く見られる設定だが、
「高貴の血脈に生まれ、本来ならば王子や王弟などの高い身分にあるべき者が、『忌子として捨てられた双子の弟』『王位継承を望まれない(あるいはできない)王子』などといった不幸の境遇に置かれ、しかし、その恵まれない境遇の中で旅や冒険をしたり巷間で正義を発揮する」
-wikipediaより抜粋
といったエッセンスを持つものを、国内では「貴種流離譚」と分類している。
平たく言えば、
1.実際は物凄い出自や力を持った主人公が
2.生まれた段階で殺されそうになったり、捨てられたりして
3.父はその存在を恐れていて
4.自身の出自を知ることなく不幸な生活が続き
5.旅の中で下賤な仲間達の助力を経て
6.成長することで自身の出自/親を知る
7.父殺し/和解
8.成長/栄誉、そして帰還
といった流れ。
ダンテでざっくりと説明するのであれば、
1.実際は物凄い血筋や力を持った主人公が
魔海の支配を目論む魔皇クジェスカを一度は退けるという偉業を果たした海賊アズールの息子として生まれる
2.生まれた段階で殺されそうになったり、捨てられたりして
アズールの魔王への覚醒・母の死と共に家族は引き裂かれ、
3.父はその存在を恐れていて
※アズールがダンテを恐れるという描写はここでは含まれず
4.自身の出自を知ることなく不幸な生活が続き
アズールに全てを奪われた存在として、放浪の旅を続け
5.旅の中で下賤な仲間達の助力を経て
サエザーとの合流や、ダンテが一度歩んだであろう絶望の道も表現手法は違えどこれに当たるだろう。
6.成長することで自身の出自/親を知る
ぽすか先生準拠ではあるが、ダンテはアズールとの対峙において自身の出自を知り、またポワンとの再会によってアズールが背負ってきた覚悟の重みを知る。
7.父殺し/和解
ここに関しては前述の6とも内容がかぶるのだが、スターウォーズにシディアス卿が存在するようにオレカバトルにもこの氷劇の元凶となるクジェスカが存在する。このクジェスカを殺すことによって、父アズールはカルマから開放され、魔海にバランスがもたらされる。
8.成長/栄誉、そして帰還
神殿への帰還と、魔海の番人(ポワンは守護者)への成長。
となる。
スターウォーズのルークとオレカバトルのダンテの驚くほどのバックグラウンドの類似点はつまり、両者ともに貴種流離譚(+エディプスコンプレックス)の典型的な構造化にあるということなのだ。
似ているのは神話的設計によるもの
こういった貴種流離譚モノは昨今ヒットを飛ばしまくっているマーベル・シネマティック・ユニバースにおける、「マイティ・ソー」や「ブラックパンサー」もそうであり、またアイアンマン等も貴種流離譚からは若干外れるもののモノミス理論の英雄譚の元に設計されている事に気がつくかと思う。つまりこうした「本当はすごい人が苦労して、ヘンテコな奴らと力を合わせることで本来の力を取り戻し、巨悪を倒す」といったストーリーはいつの時代も大衆の心を掴む人気なストーリー体系なのだ。
そんな訳で前述の通り、パクリ云々ではなくかなりしっかりとした神話構造の元にストーリーが組み立てられている為であり、これは冒頭にも書いた「何故原作の存在しないオレカがこうも人気なのか?」への答えでもある。
また、ダンテの旅路も含めてモノミス理論の4.)メンターに当たる存在、つまり「師匠的存在との出会いとそこでの経験」というのが非常に曖昧である場合が多いオレカバトルだが、3/7章はこのメンター的側面が非常に色濃く描かれており、ヒエン、ハヤテ、リントはメンターとの関係、
・ヒエン=師であるナナワライ
・ハヤテ=父ナナワライ・兄オロシ
・リント=里の守護者であるライシーヤ、師であるリザド
の死や衝突がストーリーの基盤になっている。
こちらも以前(2016年)作成したオレカバトルの3/7章相関図。ライシーヤの覇星神化前の内容。
詳しくは当時の記事で。
また、これは非常に個人的な意見だが、アズール/メロウが新5章にて霊体として登場するシーンもスターウォーズのオビワンやヨーダの思念体化を彷彿とさせ、ダンテが「海王のまなざし」を会得するという部分は、ある種メンターへの師事を感じさせる。
※さよなら絶望ダンテェ
話はそれたが、この3/7章の中でもレオンのみは旧序章~3章のカラーを維持しており、そのストーリーは血筋といったものに縛られてはいないもののやはり構造としては貴種流離譚の形に則っている。
※全くの余談だが、3/7章の舞台となる「風隠の森」において、主人公たちは「何かに依存している」ような描写が数多く描かれ、自身のアイデンティティとも言える「依存」を全員が一度全て奪われている。
個人的に新旧3・7章の面々は「何かに依存している」イメージが強い。今回のレオンくんであれば彼は竜騎士としての強さに依存しており、次に登場したヒエンは師匠への依存、ハヤテは父・兄への依存、オロシは森・権力・家族への依存、リント君はライシーヤへの依存だと思っている。
*レオン君にとって「強さ」が彼の求める一番の(メインとなる)ものなので、故郷の話などの出自が薄いのでは?とすら感じている。
レオンくんは聞こえていたドラゴンの声・竜騎士としての根本(ドラゴン)を奪われ、師匠を助けるために奔走したヒエンは帰還とともに師匠の死(おそらく)を告げられる、ハヤテは兄オロシを「権力に溺れ失墜(あるいはそれ以上の何か)する形から失い・父は森の犠牲となり、オロシは前述のとおり森と権力と家族の信頼を失う、リント君はライシーヤの時空への到達と覇星神への覚醒にてライシーヤの救出に失敗している。
その他の章の主人公(ここは相当な個人差)以上に自身を形成する・した「何か」を奪い去っていくのがこの風隠の森であり、本来歩むべだった道を、場所を、彼らは一度失っているような感覚を他の章よりも色濃く感じている。
「行こう…再び空へ!」
しかしながら、奪い去っていく森は、一方で彼らに本来の意思を与える森でも有るような姿も見せる。
前述の本来の道を物語の序盤で奪われていくキャラクターたちは新7章の最終解禁までに、本来彼らが求めていた物に対しての「依存」という形と決別し、風隠の森にて各々が新たな道を本来の意思を、悩み葛藤し、取り戻していく。
こういった元々持っていた力=アイデンティティの喪失と、新たな非日常での成長と復活もまた、非常に神話的なストーリーの流れである。前述のマーベル版マイティ・ソーなんかは貴種流離譚とこちらの力の喪失と成長・復活がメインのストーリーとなっており、レオンも同様に、後に放浪の竜騎士の姿で登場し、力の喪失が描かれている。これらは漫画などでも多用されるストーリー手法の一つであるが、しかしながらオレカバトルがゲーム内、更には数少ないセリフと1コマのカットインのみでハリウッド映画レベルのストーリー構成とも言える内容をはらんでいた事がわかるかと思う。
この貴種流離譚の構造を意識してオレカ界を見渡せば、例えば同1/5章に登場するフロウも完全に同構造の元に作られているキャラクターであるし、王族であるという点はより貴種流離譚の表現に踏み込んでいる。
また以前オレカ界のトリックスターにおいて触れたスサノヲも同様。スサノヲはモノミス理論でいう旅立ちが「追放」という強制的な排除となっているが、これもまた貴種流離譚に当てはまる内容となっている。
金ケロさん、赤ポワン待ってますよ
そんな訳で前述の完全オリジナルコンテンツであるオレカバトルの異常なまでの隆盛は、決してテクニカルなブレイクスルーだけにあらず。印刷式キッズゲームが当たり前になった(むしろ若干廃れ気味)今でも根強い人気を保っている理由は、堅実で非常に誠実なストーリーの基礎が組まれていたから、というのが僕の個人的な見解である。
いや、実際スターウォーズと1/5章はめちゃくちゃ似ているんんだけど、これは神話だから!
完全に余談だが新作のスターウォーズがそこまでおもしろくもなければ、大して話題にならないのも、個人的にはこの神話的構造を捨てたからだと感じている。スカイウォーカーの血筋でいいんだよ、スターウォーズは!
アズールメロウがフォース思念体みたいな姿で現れたときは「うおぉおう!?」ってなったけど、あれはメンター的なアプローチじゃないですか?これからクジェスカと退治する前の最後の師事的な。そうですよね!ね!
つまりなにが言いたいかというと、1/5章ユニバースを更に拡張するであろう赤ポワンを僕はまだ待っているんです、という話。
おわり。
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トランスフォーマー:SIEGE War for Cybertron ジェットファイヤー
トランスフォーマー『SIEGE War for Cybertron』より
- 最近(6月)のスーフェス
- SIEGE:Wave1コマンダークラス ジェットファイヤー
- C.O.M.B.A.T. System
- 俺たちはエフェクトパーツで25歳くらい若返る
- 可動と国内定価19440円のクオリティ
- ビークルモード
最近(6月)のスーフェス
あの、ほらスーパーフェスティバルってあるじゃないですか。武道館の近くにある科学技術館でやっている玩具即売会、略してスーフェス。
先日初めてこのスーフェスに行ってまいりました。
こういう会場って写真がどこまでOKなのか毎度判断に困り、浅草橋で開催されているTF(等)即売イベントの「楽市楽座」へ以前参加した際も、ノーフォトグラフで退場、コンビニ袋に入った玩具(しかもビーストマシーンズ)を会場前で申し訳程度に写真に収めた事は記憶に新しい。ちなみにこの楽市楽座は今回スーフェスとの同日開催だった。
そんな訳で今回も沢山のおもちゃや夢や大人のカルマをコンビニ袋いっぱいに詰めて帰ってきたが、例の如く写真はないのであった!皆さんこんにちわ、ディス イズ くるーるめろでぃは、シャークティコン海外版「ノー」が3個で3000円だったので、もう嫌ってほど持ってるのにまたたくさん買ったぜ!
そんなスーフェスでは、クラシックスの方のTFアメコミで有名なヒーローXも出店しており、まだ買えてなかったクラシックス4巻も購入。
今回のイベントに際してヒーローXは国内版のカバーイラストを担当する安國一将氏によるサイン&イラスト本を10部限定で販売しており、、
ジェットファイヤー!
そんな訳でトランスフォーマーシージ、コマンダークラス「ジェットファイヤー」さんのブログなんです。
トランスフォーマークラシックスVOL.4 (メディアボーイMOOK)
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SIEGE:Wave1コマンダークラス ジェットファイヤー
これまでコマンダークラスと言えばTFプライムビーストハンターズシリーズに登場した比較的小振りなサイズ感の物を指していたかと思うのだが、シージではラインナップの中でもかなり巨大なサイズのクラス名へと変更を受けている。
ボックスは大きめアイテム定番の窓無しとなっており、本来側面にあったイラストが正面へ。
完全に余談だが以前はユニクロン等の規格外な巨大TFも窓付きだったが、最近は少しデカくなるとすぐに窓をバターン!と閉じてしまいがちで、そもそもデカい商品は基本高額商品であるというのになんだか安っぽく、味気ないものだ。
そんな訳でジェットファイヤーも例に漏れずなんとも言えないボール箱に括り付けられている。ジェットファイヤーの売りである武装パーツとエフェクトパーツが付属となっている為、付属はかなり充実している。
実はこれまでジェットファイヤーの実物サンプルを一度も見た事がなく、デカいデカいという噂だけが先行し情報としてインプットされていたのだが、開けた際の素直な感想で言えば、思ってたよりもずっと小さい。
当然ながら12インチを優に越える膨張色のプラ塊は中々に存在感を放ち、端的に言えば普通にデカいのだが、やたらとデカいという評判に昨今僕の心の中のジェットファイヤーはいつのまにかお台場ガンダムサイズ程まで膨れ上がっていたようだ。
それではシージ・ジェットファイヤーは実際にどんなものかを同じシージアイテムと比較してみようではないか。
まずはデラックスクラスのサイドスワイプ。
うわぁでっかぁ~い。
ボイジャークラス・オプティマスプライムと。
うわぁでっかぁ~い。
リーダークラス・ウルトラマグナスと。
うわぁでっかぁ~い。
普通にでかい。確かにこれまでのシージ内で最大とされたリーダークラス・ウルトラマグナスが、シリーズのスケール感を統一する為にこれまでのTFリーダークラスと比べると小さめに上がっているという事実があるのだが。
そんな中、他所のシリーズ玩具を突っ込んだような()唐突なデカさで、いやあ、不思議な事もあるもんですね。まさにヤックデカルチャー。
※先に断っておきますが、このブログではガウォークに出来るどうのこうのの話はございません。
こんな奴が「タイタン」でも「コンバイナー」でもないノーマルTF枠ヅラして参戦したらパワーバランス崩れるんじゃないか?ていう。そんな原作の色々ぶっ飛んでるサイズ感、だがそれがいい。つまり、今回のジェットファイヤーはしっかりと原作準拠のバカでかさで中々に良い。
顔面はこんな感じ。
バキバキのG1ルックで大変満足。しかしながら、目から後頭部へクリアパーツが伸びているように見えるのだが構造上の問題か、あるいは最初から想定していないのか集光ギミックが完全に死んでしまっており、それだけが残念。
特に先日国内での発売も発表されたオメガスプリームがバキバキに集光して発光レベルで光っているから尚の事だ。
トランスフォーマー シージシリーズ SG-39 オメガスプリーム
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- 発売日: 2019/12/30
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またこれはあくまでも希望だが国内定価¥19,440という高額商品である以上、表情差し替えパーツくらいは付いていて欲しかった。
というか、既に各所で話題だが、
80$のジェットファイヤーが定価19,440円
160$のオメガスプリームが定価27,500円
とはこれ如何に?そこは38,880円だろうが!※精神を加速させろ。
また、冒頭で触れたトランスフォーマークラシックスでも語られている「傭兵」という設定のため、インシグニアの変更ギミックがついている。変更ギミックと言っても軸が通ったパーツを指でチロチロと回転させるといった構造であって、個人的にここはボタン1発でパタンと切り替えるようなギミックがあれば面白かったと思う。
G1設定ではグレートウォー以前同じ科学者で仲間だったという二人ということで、ツーショットを撮影。デカい。
C.O.M.B.A.T. System
話はそれたが今回のジェットファイヤーはシリーズメインとも言えるシージのギミック「C.O.M.B.A.T. System」を踏襲した武器を8個搭載しており、それらの他にバイザー型の目を持つ「スカイシールド・バトルマスク」(流石にバルキリーの耳はつけられなかったようだが)とそれを格納する「スカイシールド・エアリアルアーマー」を装備。これらは上記画像のように小型ジェットのような形から分離し体の各所へと装備することができる。
ちなみに以前のポストでも触れたがC.O.M.B.A.T. System=コンバットシステムとは、
Cybertronian Omnifunctional Modular Battlefield Assault Tech System
サイバトニアン 全機体対応型戦場強襲テック・システム
という、悶絶してしまうほどにカッコいいバトルシステム=トイのメインギミックなのだが、この超暗黒微笑カッコいいシステムは特に国内での説明やプッシュはされてはいない。ローカライズ仕事して。
ノリ的には同シリーズ、リーダークラスのショックウェーブと似た構造で、先程の小型ジェットのようなものが分離し5mm穴で様々な場所へ設置可能。もちろんこれらのパーツは他のシージアイテムとの互換もしている。
ショックウェーブのブログはこちら↓
しかしながら、今回のジェットファイヤー本体はそこまで5mm穴の配備が潤沢ではなく、またコンバットシステムのパーツもレーザーウェーブの”シヴァ神4本腕”程ぶっ飛んでもいないため、なんだかんだ定番が最も映えるような印象が強い。
ウイングや背面に装備しているミサイルかファンネル形状の物は特にその傾向が強く、僕の脆弱な想像力では持て余してしまっている状況だ。
俺たちはエフェクトパーツで25歳くらい若返る
本来であればバトルマスタークラスにのみ付属しているエフェクトパーツも付属しており、こちらは取り回しやすく面白い。背面のエンジンにつけてジェット噴射を表現するもよし。
また、このエフェクトパーツは3パーツに左右それぞれが分かれ、バトルダメージを再現も可能。
また銃口に装備すればビームの表現にも。バトルマスタークラスはほとんど購入しているのだが実は未だに1個も開けていない僕にとって、TFでのこういったエフェクト遊びは新鮮でこれがなかなか普通に面白かった。
よくブンドド等とは言うものの、こういった遊びに抵抗があるおっさん諸君も是非ともトライしてみるべき。僕(おっさん)は十分楽しめたぜ!
完全に余談だがおしりの丁度いい位置にネジ穴があり、これが5mmジョイントにジャストフィットするので、おなら遊びも可能。
更に余談だが、この二組のエフェクトパーツは重ね付け可能なので、画面から見切れてしまうほどのパワフルなおならも再現可能。
そう、つまりエフェクトパーツ遊びは本当に楽しい。少なくともおじさんが一人で夜な夜なエフェクトパーツをお尻につけてデュフりつつ写真を撮っちゃうくらいにはプレイバリューがあるのだ。遊び方間違ってるけどなっ!
可動と国内定価19440円のクオリティ
クソみたいな余談(あ!おなぁらぁだけぇにぃぃ~!!)はさておき、可動に関して。他のシージアイテムと比べて同等といった感じで申し分なく動くのだが、逆に言えば低価格のものと同程度に収まってしまっている。
特に気になったのは踵で、というかハズブロとタカラトミーは本当に踵の可動に関してもう少し慎重になってくれまいか。ジェットファイヤーの踵は変形の都合上背面側へ傾けることができず、角度をつけたようなポージングでは踵の接地が甘くなってしまう。
これがデラックス~ボイジャー程度ならまだいいのだが30cmを超えるプラ塊となると、転倒は即致命傷へと繋がってしまう。
また、画像では伝えるのが難しいのだが足の前後可動のクリックに激しい「遊び」幅が存在し、素立ちさせた状態でも自重に耐えきれずにおじぎをしてしまい前傾へと傾いてしまう。
また、足の左右の可動にはクリックが存在せず、上記画像のような足を開いたポーズをさせると自重でツツーと足を開脚してしまったりもする。
結果としてボイジャークラス程のギミックや可動を持つアイテムをただただ拡大しているような粗さが目立ってしまっているのは事実で、原材料に起因するのであったとしても、せめて関節なり踵の調整に関してはもう少しどうにかして欲しいと感じるのだ。※後述するが変形に関しても同様
ルックスやそのデカさのポテンシャル高めなのだが、細かいクオリティが今一歩というか。マスターピースではなくジェネレーションの括りなのだと言ってしまえばそれまでなのだが、ではそれが国内定価19,440円に見合うできか?というと少し疑問が残ってしまう部分があり、やはり海外定価80$というのが妥当な気がしてしまう。
発表当時の空気が読めていないブログはこちら↓
また余談だが、肩アーマーを始めとする肩周りのパーツのみが何故かマットなプラで形成されており、この辺りも慎重に扱わないと、おそらく速攻で色が移るので注意が必要だ。
ビークルモード
ビークルモードもまたかなり巨大。正直個々までスケール感がぶっ壊れていると隣に100円ライターでも並べて写真を取るべきだったのではないかとすら感じる。
他アイテムとの比較は後ほどするとして、見た目の完成度はかなり高めとなっている。しかしながら背中の背負いものは1回の折りたたみ以外、基本変形なしであったりと、変形工程はかなりシンプルで前述の通りボイジャーあたりの仕様のスケールをバカにした(非常に良い意味で)ような仕上がりに。
側面や背面の仕上がりはかなり大味で、特に側面は面一的な構成も特に無く、これで合ってるのか?といったラフさを持っている。またTFジェット機あるあるの足を折りたたんで腕を折りたたむ一般的な内容に。
ただ、パーツを格納する際のギミックとしてスプリングが仕込まれており、これに関してはトランスフォーマーで久々にスプリングギミックを見かけたので若干の感動を覚えた。
コンバットシステムのミニジェットは天面に取付可能。もうここまでくると撮影場所を変更せざるを得ない程の巨大さ。
ビークルのメインギミックとしてアメコミでの場面再現であるぶら下がりも可能に。
持ち手は4つ付いているので最大4名が乗れる4シーターなのだが、このプラで出来たおもりを空中に固定する術がないため、ぶら下げ自体が手持ちのブンドド遊びメインのギミックとなっている。
このジェットファイヤーはまじで重いので撮影中は手がプルップルに。4人相乗り状態でのブンドド遊びは、もう筋トレと呼んで差し支えない。
前述のサイズ比較だが、サイドスワイプをハングオンさせるとこのような状態に。
うわぁ、やっぱでっかぁ~い。
以上、シージ・ジェットファイヤー。
オプティマスを筆頭にウルトラマグナスやスタースクリーム、また既に届いているスプリンガー等、シージには突出した変形を遂げる玩具も多数存在するが、対象的にメガトロン等の相当に雑い変形クオリティーのそれぞれが同居している。
ジェットファイヤーのデザインやそのボリュームは非常に満足度が高いものの、変形や可動は少し物足りなさを感じる内容だと感じた。
というよりか、最大の違和感は前述している定価19440円という海外売価80$から大きくかけ離れた国内販売価格にあり、年々高騰しているTF玩具事情を鑑みたとしても、この根付けはなんというか一線を超えてはいないだろうか。
しかしながら、僕自身このタイミングでポストを行なっていると言う事は当然ながら海外からの購入であって(てへぺろ)、売価80$の玩具としてみればかなりのボリュームを誇るパワフルな玩具で大変満足でございます。
おわり。
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