トランスフォーマー:実写映画 最後の騎士王(2回目)を見てきた感想と個人的な補足
トランスフォーマー実写映画「最後の騎士王」より
トランスフォーマー最後の騎士王2回目見てきました
先日7/21に前作ロストエイジから続く実写映画5作目「トランスフォーマー最後の騎士王」のジャパンプレミアにご招待いただき鑑賞してきた。ジャパンプレミアでは個人的に中々見る機会が少ない3D上映ということも有り、「うわ映像がめっちゃ飛び出してるけど字幕見づれえ!あと画面の端から端までがすごい距離で色々見逃す!」と色々と見逃してしまった感が強かった。また無料で見せてもらったので過度な批判を避け、更に公開前ということでブログも極限までネタバレを避けるような内容をポストした。
↓ジャパンプレミアに行ってきた話はこちら
遂に昨日より日本全国公開。よっしゃあ!遂にネタバレをめっちゃ書ける!という訳で今回のブログは既に見てきたよという方向けのめちゃくちゃネタバレを含んだ内容となっております、あしからず。是非見てください。
トランスフォーマー最後の騎士王のファンサービスをファンじゃない人向けに説明してみる
今回の映画はこれまで以上にTF(トランスフォーマー)用語が飛び交っている。言ってしまえばただの「ファンサービス」なのだけど、逆に映画でトランスフォーマーを知った人にとっては「なんのこっちゃ」かと思うのでまとめてみようと思う。
ヘッドマスター
劇中に登場する忍者執事こと「コグマン」。アンソニー・ホプキンスが演じるエドマンドに使えるトランスフォーマーだが、彼ってば人間サイズで劇中では一度もトランスフォームしないのだ。
じゃあほとんどサイボーグ執事じゃねーかよ、と思われる方もいらっしゃるかもしれない。然しながらコグマンはエドマンドの口から「ヘッドマスター」というれっきとしたトランスフォーマーの一種族だということが明かされている。
*ヘッドマスター化されたブラーというサイバトトン戦士。コグマンは画像で言う所の左のちっちゃいロボで…
ヘッドマスターとは日本において制作された「トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ」というシリーズに登場する新世代のTF。このヘッドマスター達の特徴は体の小ささにある。
アニメの設定では400万年に続くディセプティコンとオートボット達の戦争から逃げ延びたTF達がマスター星という過酷な環境下にて独自進化した姿であり、彼らは「自身が頭部へと変形し、体へと変形する乗り物にヘッドオン(合体)する」事ができるのだ。
*乗り物が体にトランスフォーム。ここからヘッドマスターは頭部へと変形し…
*ヘッボン!!おっきなTFになるよ
次回作にてコグマンが引き続き登場するのか?また、登場するならばコグマンが頭部となり「ヘッドオン」(正しくはヘッボン!!的な発音)するのだろうか。ヘッドマスターっていうのはだいたいこんな感じです。
ユニクロン
なんか劇中にやたらと「ユニクロ」的な、リーズナブルな洋服量販店的なワードが登場していたじゃないですか。
このユニクロンはトランスフォーマーの各アニメシリーズに度々登場する悪の第3勢力で、平たく説明すると星と同じサイズの超デカいトランスフォーマー。初代アニメシリーズでは自身の脅威となるマトリクス(これまでの実写でも登場したプライム達に受け継がれる叡智、だいたいのことは解決してくれるオートボットの四次元ポケット的存在)を持つオプティマスを破壊するために登場した。
*左のめっちゃビーム出してるでかいのがユニクロン。
変形するとこんな感じ。くそデカい。
ユニクロンは星を喰らう巨大な牙をもったような惑星で描かれている事が多いが、今回はそのユニクロンの牙が地球の地表に現われている。これは「トランスフォーマープライム」というアニメ(日本でも放送済)の設定と酷似していて、トランスフォーマープライムでは地球のコアが実はユニクロンそのものだった!というような設定であった。
次回作の完全な伏線となるユニクロンの存在、めちゃくちゃ気になる引っ張り方です。
トランスフォーマープライムの件はこちらで少し言及してます。
あっさりと死んだオンスロート
メガトロンがTRFと取引し釈放させたディセプティコンのメンツの中のひとりのオンスロート。アニメを見ていないよ、という方にとってものすごくキャラが薄かった彼はおそらく皆様の記憶の中で何処で死んだかすらもおぼろげであろうこと受け合いですが、アニメでは結構重要な存在。
リベンジに登場した合体兵士「デバスター」(ピラミッドをものすごい勢いでぶっ壊してた、お股に2個鉄球がぶら下がっているアイツ)と同じような合体兵士の部隊「コンバットロン」のリーダーで「ブルーティカス」という巨大な兵士に合体する。
が、今回はサクッと死にました。マイケル・ベイときたら!
ホットロッドという新しい波
今回の映画で初登場となった「ホットロッド」。黒いボディに朱赤のラインが入ったカッコいいデザインとくりくりお目々が印象的で、劇中ではジョジョのザ・ワールドのような時止め(実際は超ゆっくり動いてる)とかいうチート能力を発揮。誰しもが「その武器があれば全てなんとかなったんじゃないんでしょうか」と頭をひねっていたかと思う。
このホットロッド、アニメではオプティマスの一時的な死亡後、マトリクスを引き継ぎ新たなプライム「ロディマスプライム(コンボイ)」として活躍していた主人公の1人なのだ。前述のユニクロンに間接的に止めを刺したのも彼である。原作ではかなりやんちゃな性格であだ名は「イカレ暴走族」。
今回の映画ではめでたく生還したので、個人的には次回作(最終作)にて「どうユニクロンと絡むのか?」が気になるところ。
クインテッサ
サイバトロン星を復活させるためにオプティマスを洗脳した”創造主”のクインテッサ。クインテッサの登場も前述のホットロッドの登場と同タイミングとなっていて、逆にホットロッドの登場はある意味では必然的だったのかもしれない。
以前の映画では基本的にオートボットVSディセプティコンというシンプルな構図であり、これは原作のアニメでも同様。しかしクインテッサ星人の登場後、原作アニメではオートボットVSディセプティコン+両軍VS自分達が作ったトランスフォーマーをコントロールしようとするクインテッサという三つ巴の戦いが描かれている。
個人的には今回クインテッサと共闘していたメガトロンにもネメシスプライム(悪オプティマス)同様の赤い痣が顔面に刻まれていた事が気になっていて、つまりメガトロンも洗脳下にあったんじゃないでしょうかっていう所。
今回ぶん殴られて消滅したように見えたクインテッサ星人だが、ラストには人間の女性の姿でユニクロンを利用し何かを企んでいる様子が。次回作ではアニメ同様オートボット・ディセプティコン・クインテッサ星人の三つ巴の戦いとなるのだろうか?
以上が個人的に原作と照らし合わせてみたかった部分。
これらは全て個人の感想と憶測なのであまり気にしないでください。
あらすじと感想と、だいたいそんな感じ!
ストーリーの概要だが(一部前回のブログから引用)
予告でも公開されているように今回の「最後の騎士王」では前作「ロストエイジ」からオプティマスが自身の"創造主"と対峙する為に宇宙へと旅立った状態で物語は始まる。
トランスフォーマーは一部の地域を除き排除する方針が定まっており、政府は対トランスフォーマー部隊「TRF」を結成。以前TF達と共闘していたレノックスはTRFに所属しバンブル達と対立状態にあった。一方地球に残されたオートボット戦士は前作主人公ケイド・イェーガー(a.k.a.テッドのおじさん)と共に密かにディセプティコンとの戦いを繰り広げていた。
センチネルプライムとの戦いによって廃墟となったシカゴにて少女イザベラを守っていた1人のTF「キャノピー」はTRFの攻撃を受け死亡。駆けつけたケイドは死にかけている西洋の騎士のようなTFを発見し、1枚のタリスマンを託される。そのタリスマンが示すもの、それは遥か1000年以上に及ぶTFと人類の関係だった。
このタリスマンの事を知るイギリス貴族のエドマンド(アンソニー・ホプキンス)はケイドのもとに彼の執事のようなTF「コグマン」を遣わせる。エドマンドの元に集っていたTFの1人ホットロッドは時を同じくして大学教授の「ビビアン」を拉致。彼のイギリスの邸宅で対面するケイド、ビビアン、エドマンド。
エドマンドは地球の危機的状況、1000年に及ぶTFと人類の歴史、アーサー王伝説に触れ、ケイドが託されたタリスマンこそがこれら危機的状況の鍵であり、アーサー王の仲間である魔法使いマーリンが使った「杖」を扱えるのは遠い子孫であるビビアンしかいないということを告げる。
そんな中完全復活を遂げるメガトロン率いるディセプティコン軍はTRFを利用し収監されている自身の部下を釈放させる。TRFは地球を守るために、ディセプティコンはクインテッサ星人と共に地球を利用しサイバトロン星を復活させるために、その杖を狙う。三つ巴の戦いの末に窮地に立たされるオートボットの元に遂に帰還を果たしたリーダー・オプティマスプライムはクインテッサ星人に洗脳され、自身をネメシスプライムと名乗り「我々の星を救うため、全人類を滅ぼす。」と言い放つ。
ネメシスは遂にバンブルビーへ止めを刺さんとした瞬間、今までラジオ音声で会話していたビーが遂に"自身の声"で「司令官オプティマス」へと語りかける。
仲間の言葉によって遂に洗脳が解けたオプティマス。クインテッサとディセプティコンによる地球のエネルギーを利用したサイバトロン星の再生が始まる。TRFがサイバトロン戦士を見捨て作戦を中止、核攻撃を検討する中でオプティマス達とケイド・ビビアンはメガトロンやクインテッサを撃退、地球崩壊の危機は免れた。
エンドロール後、世界各地に現れた6つの巨大な「ツノ」の元に現れる謎の女性、彼女はツノの正体である「ユニクロン」を利用し何かを企んでいる。そしてツノを調べている男に語りかける彼女の声は明らかに「クインテッサ星人」のものであった…。
だいたいこんな感じ。なんか色々と抜けているけど既に鑑賞済の方には伝わるはず。
実際の所、今回の最後の騎士王において僕が思う「最も不要な設定」は
であって、上映開始から15分程続く昔々の西洋のお話に「おいおい、こっちはメカを見に来てるんであって、甲冑で殴り合う髭のおっさんは引っ込んでてくれよ」といった気分に。
主人公ケイドとビビアンがストーリーの主軸に大きく絡む内容となっており、特にメガトロン達ディセプティコンの扱いは雑だ。ロストエイジではガルバトロンは人間に利用され、今回の映画ではメガトロンはクインテッサに利用され…と最早何かの番犬のようでも有り破壊大帝としての面影はほぼない。
*メガトロンの顔にもネメシスプライムみたいな赤い痣(?)が入ってましたよね?昨今のメガ様がほとんど御用聞きで辛い。
またオートボットの面々も然りでドリフト(お侍)やクロスヘアーズ(緑の人)はコメディパートくらいしか見せ場がない。然しながら今回は「コグマン」と「スクウィークス」のわりとキワモノ感溢れるお二人が大活躍。
そういった意味ではディセプティコン側がマジで噛ませで特にオンスロート(ディセップのほうの緑の人)、彼はアニメではコンバットロンという部隊のリーダーであり、実写版においても一応参謀に当たるポジション(てい言われてた気が)だったと言うのにちょっと扱いが雑だった。
最後の騎士王は海外では数か月前から上映されており、日本公開前から既に様々なメディアにおいて低めのスコアを叩き出していた。また日本における有名映画レビューサイト「超映画批評」においても公開直後に30点という中々絶妙な低得点を叩きつけられておりレビューにおいても「オプティマスは間抜けなのか?」、「おんなじような内容ばかりで幼児向け・あるいは幼児のような大人向け、8歳以下推奨のレーティングを…」と結構ボロクソにこき下ろされている。
が、個人的には
そうですね、オプティマスは間抜けですね!
といった感じで、あの人は本当によく崖から落ちたり騙されたりする間抜けなので仕方がないと思う。それよりもオプティマスの真髄はそういったお間抜け連発のドジっ子だというのに一切心が折れる気配がない鋼のメンタルにある、完全に余談だが。
内容も相変わらずの
「ガッシャーン!ロボットだらけの旗取り合戦!数人の人間もかつやくするよ!」
なのだけど、トランスフォーマーってだいたいそんな感じだし、それも仕方がないと思う。ロボットが毎回30分旗取り合戦してるのをアニメにしたら世界的にヒットしたのが、そもそもの始まりだし。これまでの映画も全てはロボット旗取りバトルだし。僕はそこに革新性は求めていないかなぁ。
*ただ、ロストエイジからの方向転換にて続き物のノリが色濃くなってしまった以上、このノリを続けなければいけないのは少し残念な部分。仕切り直しからしてミスってる感じはあります。
巨大ロボット(しかもこのロボットは乗り物に変身できちゃうんです!)の母星が宇宙人の手によって地球に接近して、どう見ても非力な人間たちと手を取り合って世界を救えー!っていう、もう全てがあからさまに馬鹿丸出しなお祭り映画に高尚なストーリーや展開を求めるのは、少しばかり滑稽さを感じないだろうか。
うまい棒を三ツ星のパティシエがこれは愚にもつかないヒドいお菓子だ!って偉そうに言ったところで、そうです、それが駄菓子というものなんです。としか言いようがない。詰まりに詰まった脳みそのウェイトを落とし馬鹿になって、口の周りうまい棒の粉々まみれで「うまい棒うめぇwww」って楽しむ、そんな映画かと。
そういった意味で僕は個人的に今回の映画はわりとしっかり楽しめた。何よりネメシスプライム(悪のオプティマス)の登場と、これまでさんざん出し渋っていたバンブルの本当の声の解禁、更にこのプレミアムな二人のバトルだけでも確実に見る価値はあるかと。
*これはファミ通で言うところの「ファンなら買い」的なアプローチです。
更に言えば、この映画で初めてトランスフォーマーを見て、あるいはこれまで実写を見てきて。今回の最後の騎士王で活躍していたキャラの誰かを好きになって、そのおもちゃを買ってみたりして、ブンドド、ドカーン!と遊んでみて。原作とかアニメ作品が気になり始めてアニメをレンタルしてみたりして…って感じで、映画がきっかけでもっとトランスフォーマーのファンが増えてくれればいいなぁと思います。
そうすればおもちゃいっぱい出て飯がうまい。
しかしながら!だ。もう人間は本当にお腹いっぱいなんです!という不満はやはり回を増す毎に増えている。トランスフォーマーアメコミにおいても「もう人間いらねぇから!」というファンの声で「ストームブリンガー」というロボットしか出ない漫画が描かれたので、実写もそうなればいいねって思いました。
甲冑で殴り合う人たちの話とかムキムキと美人がアツいキッスをする時間とかを省いてもっとロボットが戦えばいい、が個人的な感想です。
でもアンソニー・ホプキンスのキチっぷりはとても良かった。
- 作者: Simon Furman,Don Figueroa
- 出版社/メーカー: IDW Publishing
- 発売日: 2007/02/25
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トランスフォーマー:ざっくり紹介 トランスフォーマーのアメコミ展開をざっくりまとめてみた 前編
アメコミ展開が見逃せない
遂に明日公開となった劇場版トランスフォーマー「最後の騎士王」。以前のブログ(前述)でも少し触れたのだけど、昨今のトランスフォーマーは「パラレル展開」という前提でアニメや漫画・実写が様々な形でクロスオーバーしている。実写映画で言えば前回例にも上げた「ドリフト」という侍TFは近年アメコミで誕生し、その後実写デビューを果たしたり。そんな訳で近年のトランスフォーマーを語る上でわりと外せないのがIDWという出版社から出ているアメコミシリーズ。
アメコミはなんか色々ダイナミック
トランスフォーマーのアメコミを語る前に、まず「アメコミ=アメリカンコミックなんて読んだことないですよ」というあなたに軽く説明したい。如何にアメコミが如何にして、”アメリカン”コミックたりえるかを!
詳細はこちらで!↑
IDW以前のトランスフォーマー
もともとスパイダーマンやアイアンマン等、人気コンテンツを所有する「マーベルコミック」にて連載していたトランスフォーマーのアメコミなのですが、その後アルマダ(マイクロン伝説)の発表と共にDW(DreamWave)プロダクションへと版権が移り、ここでTRANSFORMERS/ARMADAシリーズが発行されました。このアルマダ(マイクロン伝説)は日本国内でも翻訳化もされています。
トランスフォーマーアルマダ (Volume1) (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)
- 作者: Chris Sarracini,James Raiz,石川裕人
- 出版社/メーカー: ジャイブ
- 発売日: 2003/11
- メディア: コミック
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この他にもDW社からは
トランスフォーマーG1/Generation one
その名の通りG1世代が活躍する初期アニメのリメイク作品
ウォー・ウィズイン/Transformers:The War Within
セイバートロン星のグレートウォーにおけるオプティマス誕生秘話
Transformers:Energon
等が発刊され、日本語でタイトル表記をしたものはアルマダ同様翻訳化・発売。
※上記の翻訳版は廃盤状態なので翻訳された日本語版の勝ちが高騰している。また全巻セットを探すとなると少しばかり大変かもしれない。
しかしながら、このDW社の経営難により破産しこれらはほぼ打ち切り状態で連載が終了することに。その後トランスフォーマーの版権が移った先が「IDWパブリッシング」なんです。
IDWが紡ぐ新たなるサーガ
こうしてIDWから出版されることとなった新たなトランスフォーマー。2005年に初シリーズを刊行し大きな反響を得て、現在もかなり精力的に新たなストーリーを展開してます。IDWの作品はこれまでのトランスフォーマーアニメから多くを踏襲しつつもストーリーやキャラクターに新たな設定を加え、シンプルな正義と悪のドンパチで終わらせないシリアスな展開が魅力の一つ。
また何度か触れた「ドリフト」や「ウインドブレード」のような新キャラクターの追加や、新キャラが持つ新たな「能力」とそれに纏わる新たな設定の追加等が独自性を加えており、更にこれまでの既存の物語を整理し、最初のプライムとユニクロンや13人のプライム等、トランスフォーマーの神話的側面も掘り下げている。こうした新たな改良を経て、IDW版のTFアメコミはいい意味で原作から逸脱した新たなるパラレル世界を、より深みのある内容で展開しています。
IDW版トランスフォーマーをまとめてみた
そんな訳で今回はこのIDW版トランスフォーマーのメインストリームを担うシリーズを出版順に並べてみようかと。
だいたいこんな感じだが、これらの大きなシリーズ以外にもそれぞれにスポットライトを当てたような1話・1冊読み切りの「スポットライトシリーズ」等、メインストリームに存在する空白を補完していくコミックも数多く登場している。
これはあくまでもIDWにおけるストーリーの主軸にのみスポットを当てた表なのでご注意下さい。
こうして並べて見ると「なんかいっぱい出てて、よくわからねーよ!」と思われる方もいるかもしれないのだけど、これらの話はシリーズ毎に独立していてシリーズ単体で読んでもどうにかなったりするのでご安心を。
また、これらの殆どは海外で出版されている英語版となっており日本語では”まだ”出版されていません。むしろ、この中で現在翻訳化されているのは
- 「オール・ヘイル・メガトロン」
- カオス編の「フォーオールマンカインド」
のみ。
なので、日本語版で追っていこうと思ったらとりあえずは「オール・ヘイル・メガトロン」を買って読んでいただくのがベストかと。
トランスフォーマー:オール・ヘイル・メガトロン (ShoPro Books)
- 作者: シェーン・マッカーシー,グイド・グイディ,中沢俊介
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2015/03/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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翻訳出版されたオール・ヘイル・メガトロンには前述の1話読み切りシリーズの「スポットライト」が沢山含まれていて電話帳のような厚さにビビりますが、本編自体は2~300ページで読みやすいボリューム感となっています。
それぞれを細かく見ていくと
ationシリーズ
IDWにて出版された第1弾。ストーリーのノリはアニメ展開に最も近いかもしれない。地球に潜伏するオートボットとディセプティコン、人間の主人公達、TFの技術を狙うスカイウォッチ等をメインに地球にて話が進行していく。が、ストームブリンガー等ではサイバトロン星での話がメインになり人間たちが1冊まるまる登場しなかったり、マキシマムダイノボットでは文字通りダイノボットが主役になったりとバラエティーに富んでいる。
オールヘイルメガトロンシリーズ *翻訳出版済
IDWから出版されているコミックの翻訳第1作目。このコミック、特筆すべきはオートボットが敗走し荒廃したサイバトロン星へと島流しに遭い、勝利し地球を支配していくディセプティコン目線でストーリーが進んでいくというまさかの展開です。
本来であれば正義のオートボットが知恵と勇気でこの窮地を脱し…と進んで行きそうなのだけど、オプティマスが倒れ打つ手が無く、仲間割れを起こし…とかなりハードな内容。「IDWの漫画ってこういう雰囲気なのね…!」といった入門編にぴったりな1冊。
トランスフォーマー:オール・ヘイル・メガトロン (ShoPro Books)
トランスフォーマーを含め翻訳版アメコミは発売から時期を逃すとどんどん入手難易度が上がっていくことが多いです。
また、中古で買われることを検討されている方もおられるかもしれないのですが、その際にはペライチの「解説書」が付いているか、是非ご確認を。この解説書が「これまでに起こったこと」や「専門用語」の補足をしてくれていたりします。何気に重要。
カオスシリーズ *一部翻訳出版済
全7巻に渡るシリーズ。オールヘイルメガトロンの翻訳版がTPB4冊分を1冊へと纏めた結構デカめな本だったのに対して、カオスシリーズの翻訳版は1冊ずつの発行となるようで、既に日本では第1巻「フォー・オール・マンカインド」が発売済み。
オールヘイルメガトロンにてTF達の戦場にされた地球。散り散りになるディセプティコン残党やオートボットは彼らに憎悪を抱く人間達から隠れ、擬態し潜伏していた…。
第2巻となるインターナショナルインシデントでは金正日にそっくりなおじさんが登場したりコンバットロンの面々がエネルゴンの為に北朝鮮に加担したり、アニマトロン(プレダコン)は中国に加担したり(確かに国旗の赤と黄色の配色がそっくり!)となんか色々と凄いことに!
こちらの2巻が8月末に発売決定しているのでこちらも是非チェックを!
- 作者: マイク・コスタ=ライター,E・J・スー,ハビエル・サルタレス,グイド・グイディ,石川裕人
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2017/08/30
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ていうかオンゴってなにンゴ?
僕自身トランスフォーマーアメコミを知る上でこうした先人達のログに非常に助けられたのですが、如何せん「もざみち」とか「オンゴ」とか初見は「?」となってしまうワードが多いので説明させて頂ければ。
オンゴとは「ON GOING」の略で長期連載シリーズの作品を指します。上の表にあげたような
- 「CHAOS」シリーズ
- 「MORE THAN MEETS THE EYE」シリーズ
- 「ROBOT IN DISGUISE」シリーズ
等、複数巻のリーフに渡って連載される話がオンゴであって、カオスシリーズは「旧オンゴ」と呼ばれていました。が、現在はその後に連載されたオンゴの「モアザン~」や「ロボットインディスガイズ」も終了となり、「OPTIMUS PRIME」や「LOST LIGHT」…等の新たなオンゴが進行してます。
オールヘイルメガトロンを含め上にまとめたシリーズは基本オンゴですが、日本ではカオス編を「旧オンゴ」、モアザン~・RID編を「オンゴ」と呼んでいるパターンが多いです。
これに対して1冊のリーフで終了するシリーズが
ワンショット
と呼ばれ 、トランスフォーマーで言うところの「SPOT LIGHT」シリーズのような読み切りを指します。
Robot In Disguise/More Than Meets The Eye シリーズ:シーズン1
カオスシリーズにて果てしなく長い間続いていたオートボットとディセプティコンの戦争が終了し、その後のストーリーはRobot In Disguise(以下RID)とMore Than Meets The Eye(以下MTMTE)の2つへと分岐していきます。めちゃくちゃざっくりと説明すると
- RIDはバンブル、プロール達がサイバトロン星を復興させようと頑張る話。プロールやスタースクリームが色々と暗躍する。
- MTMTEはロディマスやウルトラマグナス、ドリフトがロストライト号に乗ってサイバトロニアンの始祖「ナイツオブセイバートロン」を探す旅に出る話。
となっている。
RIDのほうが終戦後を追った本筋的な展開のように感じるのだけど内容はかなりシリアス。MTMTEは伝説のナイツオブセイバートロンを探したり、完全新規キャラのDJD(ディセプティコン正義執行部隊、とでも訳すべきか)が登場したりと少しバラエティーに富んだ冒険譚となっているがやっぱりシリアス。
新規キャラクターのDJD(ディセプティコン正義執行部隊)からターン隊長。めっちゃかっこいいです。メガトロンの思想に傾倒し裏切り者や脱走者を追い詰めてエゲツない方法で殺すディセプティコンの新撰組。(たぶん違います)
先日買った非正規TFおもちゃ、DJDのターンにそっくりなマスターマインドクリエーションの「Kultur」。ディセプティコン正義執行部隊のターン隊長はMTMTEの2巻の表紙にもなってます。めっちゃかっこいいです。
Transformers: More Than Meets The Eye Volume 2
- 作者: James Roberts,Alex Milne,Nick Roche
- 出版社/メーカー: IDW Publishing
- 発売日: 2012/10/30
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Dark Cybertron
セイバートロン星にて話が進行していたRIDチームとロストライト号にて「ナイツオブセイバートロン」を探していたMTMTEチームが合流する話。「ダークサイバトロン」という世界を滅ぼすヤバめの予言をショックウェーブが遂行しようとし、色々あった結果メガトロンとオプティマスが共闘します。
※更に言うとメガトロンのインシグニアが赤n…
ちなみにカオスシリーズ以降オプティマスプライムはプライムの称号を自ら降りオライオンパックスとしてどっか行っちゃってましたが、ここにきてプライムへと復帰します。
さらに細かく追っかけると
冒頭にて
これらの話はシリーズ毎に独立していてシリーズ単体で読んでもどうにかなったりするのでご安心を。
と書いたのですが、これらは続きモノなので当然ながら話は繋がっています。
昨今コンビニとかに分厚いペーパーバックの「コンビニ漫画」が置いてあるじゃないですか?"シリーズで単体で読む"っていうのは、ちょっと雑に説明するとあれを読む感じに近いです。当然ながら前後はあるんだけど、ドラゴンボールで言えば「セル編」だけを切り取って読んでる感じ。
「そうじゃなくてなるべく詳細までを把握したいんだ!」とかそんな感じの場合に読む順番を纏めてみました。
上の「まとめ」に読み切り系作品の
- Megatron Origin/メガトロンオリジン
- Autocuracy/オートクラシー
- BumbleBee/バンブルビー
- Drift/ドリフト
- Ironhide/アイアンハイド
- Last stand of the wreckers/ラストスタンドオブレッカーズ
で更にストーリーを補完していく形です。
個人的にオススメなのは「メガトロンオリジン」と「ラストスタンドオブレッカーズ」。
メガトロンオリジン
*体を危険信号でデコっている鉱夫時代のメガトロン。
メガトロンオリジンではゴリゴリブルーカラーのエネルゴン鉱夫だったメガトロンが何故オートボットへの反乱を起こすことになったのか?ディセプティコンが掲げる「圧政による平和を」の思想の原点とは?
メガトロンのレアなメットオフ。折りたたみ式のパネルが展開するとそこにはなんかちょっと可愛いメガトロン様の姿が…!
色々あって剣闘士時代のメガトロン。戦化粧のような模様をペイントしたワイルドな装い。ディセプティコン台頭前の剣闘士時代の話も「オリジン」なので登場。
ラストスタンドオブザレッカーズ
ラストスタンドオブレッカーズでは、フォートレスマキシマスが署長を務め凶悪犯罪者を収容するオートボットの最重要刑務所「ガーラス9」がディセプティコンの強襲を受ける。そこに突如としてメガトロンを崇拝するオーバーロードが現われディセプティコンの指揮官を殺害。オートボットのアウトロー部隊「レッカーズ」が陰惨な状況へと変わり果てたガーラス9を奪還する話。
MTMTEのシーズン1にて特に重要なキャラクターである「破壊大使オーバーロード」が登場。彼の他にもストーリーに絡んでくるキャラクターが登場している。
これに関しては他の様々なサイトでも後に続く「MTMTE」への伏線を多く含む重要作品として紹介されてらっしゃるところが多い。
なっが!
めっちゃ長くなってしまったが、現在進行しているトランスフォーマーアメコミの
- OPTIMUS PRIME
- TILL ALL ARE ONE
- LOSTLIGHT
まで辿り着くことは全然できなかった…。というか、RIDとMTMTEの2部並行でも追いつくの大変だったオンゴーイングが、いつのまにか3部並行になってるんだけど!いつか書く後編へ続くけど、もうまとめはしばらくお腹いっぱいだぜ!
- 作者: マイク・コスタ=ライター,E・J・スー,ハビエル・サルタレス,グイド・グイディ,石川裕人
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2017/08/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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