くるめろとは違う

くるめろと貴様は関係ない。

トランスフォーマー:ざっくり紹介 トランスフォーマーのアメコミ展開をざっくりまとめてみた 前編

トランスフォーマーより

 

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アメコミ展開が見逃せない

遂に明日公開となった劇場版トランスフォーマー「最後の騎士王」。以前のブログ(前述)でも少し触れたのだけど、昨今のトランスフォーマーは「パラレル展開」という前提でアニメや漫画・実写が様々な形でクロスオーバーしている。実写映画で言えば前回例にも上げた「ドリフト」という侍TFは近年アメコミで誕生し、その後実写デビューを果たしたり。そんな訳で近年のトランスフォーマーを語る上でわりと外せないのがIDWという出版社から出ているアメコミシリーズ。

 

アメコミはなんか色々ダイナミック

トランスフォーマーのアメコミを語る前に、まず「アメコミ=アメリカンコミックなんて読んだことないですよ」というあなたに軽く説明したい。如何にアメコミが如何にして、”アメリカン”コミックたりえるかを!

cruelmelody.hatenablog.com

詳細はこちらで!↑

 

IDW以前のトランスフォーマー

もともとスパイダーマンやアイアンマン等、人気コンテンツを所有する「マーベルコミック」にて連載していたトランスフォーマーのアメコミなのですが、その後アルマダ(マイクロン伝説)の発表と共にDW(DreamWave)プロダクションへと版権が移り、ここでTRANSFORMERS/ARMADAシリーズが発行されました。このアルマダ(マイクロン伝説)は日本国内でも翻訳化もされています。

トランスフォーマーアルマダ (Volume1) (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

トランスフォーマーアルマダ (Volume1) (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

 

 

この他にもDW社からは

トランスフォーマーG1/Generation one

その名の通りG1世代が活躍する初期アニメのリメイク作品

ウォー・ウィズイン/Transformers:The War Within

セイバートロン星のグレートウォーにおけるオプティマス誕生秘話

Transformers:Energon

アルマダの続編で日本におけるスーパーリンクの漫画版

 等が発刊され、日本語でタイトル表記をしたものはアルマダ同様翻訳化・発売。

※上記の翻訳版は廃盤状態なので翻訳された日本語版の勝ちが高騰している。また全巻セットを探すとなると少しばかり大変かもしれない。

トランスフォーマーG1 (#1) (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)トランスフォーマーG1 (#2) (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ)

しかしながら、このDW社の経営難により破産しこれらはほぼ打ち切り状態で連載が終了することに。その後トランスフォーマーの版権が移った先が「IDWパブリッシング」なんです。

 

IDWが紡ぐ新たなるサーガ

こうしてIDWから出版されることとなった新たなトランスフォーマー。2005年に初シリーズを刊行し大きな反響を得て、現在もかなり精力的に新たなストーリーを展開してます。IDWの作品はこれまでのトランスフォーマーアニメから多くを踏襲しつつもストーリーやキャラクターに新たな設定を加え、シンプルな正義と悪のドンパチで終わらせないシリアスな展開が魅力の一つ。

また何度か触れた「ドリフト」や「ウインドブレード」のような新キャラクターの追加や、新キャラが持つ新たな「能力」とそれに纏わる新たな設定の追加等が独自性を加えており、更にこれまでの既存の物語を整理し、最初のプライムとユニクロンや13人のプライム等、トランスフォーマーの神話的側面も掘り下げている。こうした新たな改良を経て、IDW版のTFアメコミはいい意味で原作から逸脱した新たなるパラレル世界を、より深みのある内容で展開しています。

 

IDWトランスフォーマーをまとめてみた

そんな訳で今回はこのIDWトランスフォーマーのメインストリームを担うシリーズを出版順に並べてみようかと。

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だいたいこんな感じだが、これらの大きなシリーズ以外にもそれぞれにスポットライトを当てたような1話・1冊読み切りの「スポットライトシリーズ」等、メインストリームに存在する空白を補完していくコミックも数多く登場している。

これはあくまでもIDWにおけるストーリーの主軸にのみスポットを当てた表なのでご注意下さい。

こうして並べて見ると「なんかいっぱい出てて、よくわからねーよ!」と思われる方もいるかもしれないのだけど、これらの話はシリーズ毎に独立していてシリーズ単体で読んでもどうにかなったりするのでご安心を。

 

また、これらの殆どは海外で出版されている英語版となっており日本語では”まだ”出版されていません。むしろ、この中で現在翻訳化されているのは

  • 「オール・ヘイル・メガトロン」
  • カオス編の「フォーオールマンカインド」

のみ。

なので、日本語版で追っていこうと思ったらとりあえずは「オール・ヘイル・メガトロン」を買って読んでいただくのがベストかと。

トランスフォーマー:オール・ヘイル・メガトロン (ShoPro Books)

トランスフォーマー:オール・ヘイル・メガトロン (ShoPro Books)

 

 翻訳出版されたオール・ヘイル・メガトロンには前述の1話読み切りシリーズの「スポットライト」が沢山含まれていて電話帳のような厚さにビビりますが、本編自体は2~300ページで読みやすいボリューム感となっています。

 

それぞれを細かく見ていくと

ationシリーズ

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IDWにて出版された第1弾。ストーリーのノリはアニメ展開に最も近いかもしれない。地球に潜伏するオートボットディセプティコン、人間の主人公達、TFの技術を狙うスカイウォッチ等をメインに地球にて話が進行していく。が、ストームブリンガー等ではサイバトロン星での話がメインになり人間たちが1冊まるまる登場しなかったり、マキシマムダイノボットでは文字通りダイノボットが主役になったりとバラエティーに富んでいる。

 

オールヘイルメガトロンシリーズ *翻訳出版済

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IDWから出版されているコミックの翻訳第1作目。このコミック、特筆すべきはオートボットが敗走し荒廃したサイバトロン星へと島流しに遭い、勝利し地球を支配していくディセプティコン目線でストーリーが進んでいくというまさかの展開です。

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本来であれば正義のオートボットが知恵と勇気でこの窮地を脱し…と進んで行きそうなのだけど、オプティマスが倒れ打つ手が無く、仲間割れを起こし…とかなりハードな内容。「IDWの漫画ってこういう雰囲気なのね…!」といった入門編にぴったりな1冊。

トランスフォーマー:オール・ヘイル・メガトロン (ShoPro Books)

トランスフォーマーを含め翻訳版アメコミは発売から時期を逃すとどんどん入手難易度が上がっていくことが多いです。

また、中古で買われることを検討されている方もおられるかもしれないのですが、その際にはペライチの「解説書」が付いているか、是非ご確認を。この解説書が「これまでに起こったこと」や「専門用語」の補足をしてくれていたりします。何気に重要。

 

カオスシリーズ *一部翻訳出版済

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全7巻に渡るシリーズ。オールヘイルメガトロンの翻訳版がTPB4冊分を1冊へと纏めた結構デカめな本だったのに対して、カオスシリーズの翻訳版は1冊ずつの発行となるようで、既に日本では第1巻「フォー・オール・マンカインド」が発売済み。

トランスフォーマー:フォー・オール・マンカインド

トランスフォーマー:フォー・オール・マンカインド

 

 

オールヘイルメガトロンにてTF達の戦場にされた地球。散り散りになるディセプティコン残党やオートボットは彼らに憎悪を抱く人間達から隠れ、擬態し潜伏していた…。

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第2巻となるインターナショナルインシデントでは金正日にそっくりなおじさんが登場したりコンバットロンの面々がエネルゴンの為に北朝鮮に加担したり、アニマトロン(プレダコン)は中国に加担したり(確かに国旗の赤と黄色の配色がそっくり!)となんか色々と凄いことに!

こちらの2巻が8月末に発売決定しているのでこちらも是非チェックを!

トランスフォーマー:インターナショナル・インシデント

トランスフォーマー:インターナショナル・インシデント

 

 

ていうかオンゴってなにンゴ?

僕自身トランスフォーマーアメコミを知る上でこうした先人達のログに非常に助けられたのですが、如何せん「もざみち」とか「オンゴ」とか初見は「?」となってしまうワードが多いので説明させて頂ければ。

オンゴとは「ON GOING」の略で長期連載シリーズの作品を指します。上の表にあげたような

  • 「CHAOS」シリーズ
  • 「MORE THAN MEETS THE EYE」シリーズ
  • 「ROBOT IN DISGUISE」シリーズ

等、複数巻のリーフに渡って連載される話がオンゴであって、カオスシリーズは「旧オンゴ」と呼ばれていました。が、現在はその後に連載されたオンゴの「モアザン~」や「ロボットインディスガイズ」も終了となり、「OPTIMUS PRIME」や「LOST LIGHT」…等の新たなオンゴが進行してます。

オールヘイルメガトロンを含め上にまとめたシリーズは基本オンゴですが、日本ではカオス編を「旧オンゴ」、モアザン~・RID編を「オンゴ」と呼んでいるパターンが多いです。

 

これに対して1冊のリーフで終了するシリーズが

ワンショット

と呼ばれ 、トランスフォーマーで言うところの「SPOT LIGHT」シリーズのような読み切りを指します。

 

Robot In Disguise/More Than Meets The Eye シリーズ:シーズン1

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カオスシリーズにて果てしなく長い間続いていたオートボットディセプティコンの戦争が終了し、その後のストーリーはRobot In Disguise(以下RID)とMore Than Meets The Eye(以下MTMTE)の2つへと分岐していきます。めちゃくちゃざっくりと説明すると

  • RIDはバンブル、プロール達がサイバトロン星を復興させようと頑張る話。プロールやスタースクリームが色々と暗躍する。
  • MTMTEはロディマスやウルトラマグナス、ドリフトがロストライト号に乗ってサイバトロニアンの始祖「ナイツオブセイバートロン」を探す旅に出る話。

となっている。

RIDのほうが終戦後を追った本筋的な展開のように感じるのだけど内容はかなりシリアス。MTMTEは伝説のナイツオブセイバートロンを探したり、完全新規キャラのDJD(ディセプティコン正義執行部隊、とでも訳すべきか)が登場したりと少しバラエティーに富んだ冒険譚となっているがやっぱりシリアス。

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新規キャラクターのDJD(ディセプティコン正義執行部隊)からターン隊長。めっちゃかっこいいです。メガトロンの思想に傾倒し裏切り者や脱走者を追い詰めてエゲツない方法で殺すディセプティコン新撰組。(たぶん違います)

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先日買った非正規TFおもちゃ、DJDのターンにそっくりなマスターマインドクリエーションの「Kultur」。ディセプティコン正義執行部隊のターン隊長はMTMTEの2巻の表紙にもなってます。めっちゃかっこいいです。

Transformers: More Than Meets The Eye Volume 2

Transformers: More Than Meets The Eye Volume 2

 

 

Dark Cybertron

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セイバートロン星にて話が進行していたRIDチームとロストライト号にて「ナイツオブセイバートロン」を探していたMTMTEチームが合流する話。「ダークサイバトロン」という世界を滅ぼすヤバめの予言をショックウェーブが遂行しようとし、色々あった結果メガトロンとオプティマスが共闘します。

※更に言うとメガトロンのインシグニアが赤n…

ちなみにカオスシリーズ以降オプティマスプライムはプライムの称号を自ら降りオライオンパックスとしてどっか行っちゃってましたが、ここにきてプライムへと復帰します。

 

さらに細かく追っかけると

冒頭にて

これらの話はシリーズ毎に独立していてシリーズ単体で読んでもどうにかなったりするのでご安心を。

 と書いたのですが、これらは続きモノなので当然ながら話は繋がっています。

昨今コンビニとかに分厚いペーパーバックの「コンビニ漫画」が置いてあるじゃないですか?"シリーズで単体で読む"っていうのは、ちょっと雑に説明するとあれを読む感じに近いです。当然ながら前後はあるんだけど、ドラゴンボールで言えば「セル編」だけを切り取って読んでる感じ。

「そうじゃなくてなるべく詳細までを把握したいんだ!」とかそんな感じの場合に読む順番を纏めてみました。

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上の「まとめ」に読み切り系作品の

で更にストーリーを補完していく形です。

個人的にオススメなのは「メガトロンオリジン」と「ラストスタンドオブレッカーズ」。

メガトロンオリジン

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*体を危険信号でデコっている鉱夫時代のメガトロン。

メガトロンオリジンではゴリゴリブルーカラーのエネルゴン鉱夫だったメガトロンが何故オートボットへの反乱を起こすことになったのか?ディセプティコンが掲げる「圧政による平和を」の思想の原点とは?

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メガトロンのレアなメットオフ。折りたたみ式のパネルが展開するとそこにはなんかちょっと可愛いメガトロン様の姿が…!

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色々あって剣闘士時代のメガトロン。戦化粧のような模様をペイントしたワイルドな装い。ディセプティコン台頭前の剣闘士時代の話も「オリジン」なので登場。

 

ラストスタンドオブザレッカーズ

ラストスタンドオブレッカーズでは、フォートレスマキシマスが署長を務め凶悪犯罪者を収容するオートボットの最重要刑務所「ガーラス9」がディセプティコンの強襲を受ける。そこに突如としてメガトロンを崇拝するオーバーロードが現われディセプティコンの指揮官を殺害。オートボットアウトロー部隊「レッカーズ」が陰惨な状況へと変わり果てたガーラス9を奪還する話。

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MTMTEのシーズン1にて特に重要なキャラクターである「破壊大使オーバーロード」が登場。彼の他にもストーリーに絡んでくるキャラクターが登場している。

これに関しては他の様々なサイトでも後に続く「MTMTE」への伏線を多く含む重要作品として紹介されてらっしゃるところが多い。

 

なっが!

めっちゃ長くなってしまったが、現在進行しているトランスフォーマーアメコミの

  • OPTIMUS PRIME
  • TILL ALL ARE ONE
  • LOSTLIGHT

まで辿り着くことは全然できなかった…。というか、RIDとMTMTEの2部並行でも追いつくの大変だったオンゴーイングが、いつのまにか3部並行になってるんだけど!いつか書く後編へ続くけど、もうまとめはしばらくお腹いっぱいだぜ!

 

トランスフォーマー:フォー・オール・マンカインド

トランスフォーマー:フォー・オール・マンカインド

 

 

トランスフォーマー:インターナショナル・インシデント

トランスフォーマー:インターナショナル・インシデント

 

 

雑記 アメコミの話をする前にやらねばならないことがある

雑記

 

アメコミはなんか色々ダイナミック

トランスフォーマーのアメコミを語る前に、まず「アメコミ=アメリカンコミックなんて読んだことないですよ」というあなたに軽く説明したい。如何にアメコミが如何にして、”アメリカン”コミックたりえるかを!

 

アメコミは海外の本なので左に開くよ

日本の漫画や小説って基本的に右開きで出来ているじゃないですか。これは文章が縦に書いてあるから右→左に文言が進んでいく為であって、文章が横書き(英語)で書かれているアメコミは左開きなんですよ。

 

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また、コマの読み進め方も日本の漫画であれば上記の画像のような矢印の方向へ、番号順にセリフを読んでいくかと思うのだけど、

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アメコミだと、こうなる。

この辺は日本の漫画に慣れ親しんでいる日本人にとって読み始めは若干違和感や不自由を感じるかもしれない。

 

TPBとリーフがあるよ

リーフってこんな感じ

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海外映画やドラマで子供がやたら薄っぺらい漫画を読んでいるシーンを見たことがある人もいるかと思う。日本のようにいろんな漫画が集合した週刊誌のようなものがないので、基本的に1話が1冊の軽いパンフみたいな形態で販売されていて、これが「リーフ」という形態。

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中綴じでパンフレットのような厚み。国内外問わずアメコミショップ等で多く流通しているタイプで、A4サイズ・20数ページ+広告4~5ページあたりで一冊2~5$くらい。

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表紙裏や漫画の間に広告が入っているものが多い。

TPBってこんな感じ

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これに対して日本で言うところの単行本に当たるものが「TPB」というタイプ。日本の単行本によくあるカラーのカバー(ブックカバー)みたいな物はついておらず、広告などがカットされている。A4サイズで150~200ページ前後で10~15$くらい。

写真のものは表紙のイラストデザインが紙の仕様に反映されているちょっとリッチな仕上がりで、本の下部の倒れ込んでいる赤いロボットの部分はマット仕上げ、上部は光沢のある仕上げになっている。

 

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厚みは日本の単行本の半分くらいなので、日本の単行本と比べると少し薄く値段は高いのだけど、それらに関しては次の項で。

 

アメコミは基本フルカラーだよ

これはおそらくあなたもご存知かと思うのだけど。漫画(MANGA)とアメコミは文化とか色々違い、結果としてアメコミはフルカラーなんですって、説明が超雑ですけど。とにかく1ページ1ページのクオリティが非常に高く、どのページを取っても表紙に出来てしまいそうな情報量は圧巻。

ただ、このクオリティに対する対価として、1冊あたりのページ数が少なかったり単価が高くなってたりで、前述の通り海外では1冊1200円~1600円ぐらいで販売されている。国内で販売されている翻訳版だともう少しお値段が上がって「2~3000円」あたり。そのかわり日本の単行本的なカラーのカバーやら帯が付いて少し豪華に。

 

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ただ「イラスト」としてのクオリティは本当に高く、僕はよくリーフ版の気に入ったページを切り取って額に入れたりして飾ってます。

 

アメコミは描いている人が1話毎に違うよ

これがおそらく日本における鬼門。アメコミでは脚本にあたる人は固定で存在しているが、その人が考えた話を絵に描く人が1話1話やチャプター的な括りで毎回違ったりするのだ。

さらに細かく分類するとアメコミでは

編集者の人(話を考える人より偉い)→話を考える人→下絵を書く人

線を引く人→色を塗る人→文字を入れる人

 と、ここまで分けられていてる。

 

例えば、この後紹介するトランスフォーマーのコミックで言えば。

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これは全7巻構成で発売されている「カオス編」とか呼ばれているシリーズの1巻と3巻。1巻は日本語版が既に発売されており、3巻はまだ海外でのTPB発売となっているのだけど。

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こちらが1巻に登場するホットロディマス(海外名ホットロッド)、トランスフォーマーに登場する第2の主人公的な存在で僕の好きなキャラクター。このように1巻ではTF達は実写版に近い緻密なイラストで描かれおり、全編に渡ってこのテイストでストーリーが進行していく。

 

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しかし、この続編となる3巻では一気にコミック調に。ストーリーは続き物で同一のキャラクターを描いている、しかしシリーズ7巻の中でもそれぞれ書き手が違い、それによってキャラクターデザインも大きく変わるのが大きな特徴。

こういった感じで絵柄がガラッと変わるので、癖がありすぎる作画だとキャラが視認し辛く途中まで読み進めて以前の話に出てきた人物だと気付く、とかがわりとある。

 

描いている人が違うから死んだはずのやつが生きてたり、強引に生き返らせられたりするよ

これは前述の「絵を描いている人が違う」のストーリー版とでも言うべきか。「○○編」みたいなシリーズ毎に脚本家が違ったりするので、その人の裁量で重要なキャラがいきなり死んだり、その後のシリーズの脚本家の裁量で「あの野郎(前脚本家)!何、ノリで勝手に殺してんだよ!バカかよ!話としては強引だけど”無かった事にして”生き返らす!」みたいな事が結構ある。

日本の漫画で例えるなら

ドラゴンボールにて悟空がチチと結婚するが、その後結婚はなかった事になっていてしかもチチは死亡しており、さらに悟空には新恋人がいたりする。サイヤ人編に入ったところでやっぱりチチとの子供がいた事になってて、フリーザ編にてベジータの役回りがナッパに変更されているが、その後セル編ではやっぱりナッパじゃなくてベジータだったことになっていて、セルに雑に殺される。ブウ編であの時死んだのはベジータじゃなくて悟空だった事になっている。

 みたいな。もう、一回りしてどうこう言う気が無くなるくらいにはいい加減なのだ。

そんな訳でマーベル系の作品、キャプテン・アメリカ、アイアンマン、スパイダーマン達やDCのバットマン等、アメコミのビッグネーム作品は「あれは無かったことに…、あいつは死んだことに…やっぱり生きてたことに…」の調理方法によって結構な数のパラレル展開をしている。これはトランスフォーマーも然り。

 

こういった幾つかのアメリカンな、なんかこう、「アメリカってのはこんな感じでビッグなんだぜ!HAHAHA!」みたいな、テンプレ感溢れるビッグアメリカンを味わえるのもアメコミの醍醐味ではある。

 

 

トランスフォーマー:オール・ヘイル・メガトロン (ShoPro Books)

トランスフォーマー:オール・ヘイル・メガトロン (ShoPro Books)

 
トランスフォーマー:フォー・オール・マンカインド

トランスフォーマー:フォー・オール・マンカインド